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2008年04月28日

山口補選と今後の動きについて

みなさんこんにちは。
大型連休の序盤、いかがお過ごしでしょうか。

さて、昨日行なわれた山口2区の補欠選挙では、民主党公認の平岡秀夫氏が116,348票を獲得、自民党候補に2万1944票(得票率では10.4%)の大差をつけて見事当選しました。ガソリン税や後期高齢者医療制度など、与党の大きな失政が相次いだことなどが民主党候補の勝因と考えられますが、ここでは、今回のことがしばらく政界に影響を与えることになりそうですので、今後の動きなどについて少しご説明したいと思います。

最初の大きな節目は、明後日です。揮発油税等(いわゆるガソリン税)の暫定税率について、参議院での審議が行なわれ、その答えを出すべき期限(※1)が4月28日、つまり今日でした。参議院での議決はなされませんでしたので、総理をはじめ政府与党首脳がこれまで言ってきたとおり、衆議院であさって30日には3分の2をもって再可決(※2)がなされることでしょう(あさってまでに急転直下の政治決断による翻意の時間と可能性は残されていますが)。衆議院で再度議決がなされるこの法案は、所得税法等の一部を改正する法律案(いわゆる租税特別措置法改正法案)といって、その内容は、いろいろな法律の内容を少しずつ変更するものです。今回の焦点となっている揮発油税について関連する部分は、第88条第十項で、租税特別措置法第89条を変更するものです。租税特別措置法第89条では、そもそも揮発油税第9条に規定されている税額を1キロリットル当り2万4300円から、1キロリットル当り4万8600円と、ちょうど倍に引き上げています。この租税特別措置法によって増やされた税額部分がいわゆる「暫定部分」なのですが、この「暫定」措置は、これまで数次にわたる延長によって34年間維持され続けてきました。前回の延長は平成5年で、今年まで15年間延長がなされましたが、今回は、平成30年までさらに10年間維持しようというのです(所得税法等の一部を改正する法律案第88条第十項)。

また、もう一つ、大きな節目があります。5月11日までに参議院で議決がなされないか否決された場合に、衆議院で再可決が可能となる道路整備費財源特例法改正案です。この法案は、道路特定財源の根拠となる法律です。この法案によって、ガソリン税は道路建設以外には使えないという「特定財源」の性質を先程の暫定税率の議論と併せて10年間延長しようとするものです。この法律の中では、「もし」財源が道路予算に使っても余った場合には、一般財源に回しましょうという安倍政権のときに出来た規定も盛り込まれていますが、国交省が検討している「道路中期計画」という道路整備計画では、65兆円以上(数字の根拠や詳細は明らかにされていません)が道路予算として今後10年に必要だという試算をしています。政府与党合意でこの総額は59兆円に減額されましたが、やはりこれも積算の根拠も減額した6兆円の根拠も不明です。また、59兆円だとしても、平成20年度の道路特定財源の税収見込み額5兆3千億円の10倍をはるかに超えた額であり、「一般財源に回す余裕はありません」と、お金をこれから使う国交省では言っているわけです。余ったら一般財源にまわすというのは、一見すると大変良い政治決断のようにも見えますが、官僚の手にかかれば、それをまったく無にすることなど他愛もないこと。あってないような規定にされてしまいました。そもそも、小泉総理も、そのあとを継いだ安倍総理も道路特定財源の一般財源化(※3)を画策してきましたが、自民党道路族の強硬な抵抗に遭い、挫折してきた経緯があります。しかし、昨今の報道によれば、少なくとも小泉総理チルドレンなど一部の自民党若手には、道路特定財源の一般財源化をすべきだという声もまだ根強くあるようです。地方に財源をばら撒くのに暫定税率を廃止されて、税収が減ってしまっては困るけれども、道路以外にも使える一般財源にするだけならば飲めない話ではないといったところでしょうか。

政府与党は、34年前のオイルショックのときに税収を確保するための暫定措置として導入された後、ずっと維持されてきた暫定税率、さらには、集めたお金を道路建設以外に使えないという「縛り」を更に10年延長しようとしています。民主党が既得権益の維持や腐敗の温床になるとして求めている暫定税率の即時廃止及び本則部分(揮発油税法9条による本来の税額)の一般財源化(一般財源化した財源は地方に回し、地方の判断により必要な施策に自由に使えるようにする)とは、大きな隔たりがあることはよくお分かりいただけることでしょう。現在与野党の間では、揮発油税の扱いについて、福田総理大臣が国民に直接語りかけた「来年平成21年度から暫定税率を含んだ揮発油税全ての一般財源化」の提案などを含めてどうすべきか議論をする協議機関(与野党の幹事長や政策担当者がメンバー)を設けて議論を進めています。しかし、そんな議論を進めるずっと以前から、政府与党は、4月30日には暫定税率の維持を、そして5月12日には特定財源の維持を衆議院での再可決によってすると宣言をしてきました。つまり、今後10年のことはすぐに再可決して決めてしまえばよいと考えていながら、全く反対の意見を持つ野党に、与党は表面上「協議」を呼びかけていたことになります。協議の前提がこれでは協議など無意味だという民主党などの野党を、与党は「協議を呼びかけても応じてこない」と批判していますが、この与党の姿勢は、単なる世間向けのパフォーマンスに過ぎないといっても言い過ぎではないでしょう。

今回の選挙の結果は、前述のようにガソリン税のことだけでなく、後期高齢者医療制度のことなども大きく影響しているものとは思いますが、この民主党候補圧勝の結果は、少なからずこれからの福田政権や与党の判断に影響を、そして特に一般財源化を支持する一部の自民党若手議員の判断に影響を与えることになるでしょう。今回の補選結果で、4月30日の暫定税率維持のための再可決で3分の2が確保できたとしても、福田政権が5月12日の特定財源維持のための再可決で3分の2を確保するには、大変な説得が必要になったと考えられます。その為には少なくとも福田提案を確実に実行するための何らかの「担保」が必要になることでしょう。一方の民主党は、今回の勝利を受けて、30日の再可決後の提出は見送ったものの、12日の再可決後など最も効果的なタイミングで福田総理への問責決議案を参議院に提出する検討を行なっています。また、後期高齢者医療制度や、お家芸ともいえる年金問題についても、より一層激しく攻勢を強めてゆくことになるでしょう。民主党が提出する問責案の参院可決に加え、万が一衆議院での2度の再可決で取りこぼし(再可決失敗)があった場合には、福田総理は、大きな決断を迫られることになりかねません。解散か、総辞職か、それとも全く別の手を考えることになるのか、しばらくは緊迫した、綱渡りの政治情勢が続くことになりそうです。

皆さんぜひ、今後とも注目して政治の世界をご覧ください。その時々の情勢について、ここでも随時分かりやすく皆さんにお伝えしていきたいと思います。


※1 日本国憲法第59条第3項の規定で、衆議院で可決された法律案を、参議院が受け取った後、国会の休会中を除き60日以内に議決しない場合は、否決したものとみなされます(みなし否決)。つまり、この60日以内に、参議院は審議を行い、院としての答えを出さなければなりません。
※2 日本国憲法第59条第2項の規定で、参議院で衆議院と異なった議決がなされたとき(※1のみなし否決も含む)、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再度可決した場合には、法律は成立します。
※3 道路建設にしかお金を使えない道路特定財源を、一般財源として一般会計に繰り入れ、教育、医療などなんにでも使える財源にすること。

(次週5月5日は、休日のため更新をお休みさせていただきます。)

2008年04月21日

滝尾地区の地区集会

皆さんこんにちは。
今回は、大分で行われた滝尾地区集会についてお伝えします。

滝尾校区公民館で行われたこの集会には、地元の支援者や支援者からお誘いいただいたご近所の方々など多くの方が参加してくださいました。集会準備・片付けも支援者の方が率先して手伝ってくれるなど、大変和やかな会となりました。

集会では、まず吉良州司から昨今の世間の関心事である

  1.道路特定財源について
  2.日銀総裁人事について
  3.後期高齢者医療制度について

について皆さまにお話をしました。


滝尾地区1.jpg
滝尾地区の集会の様子1


【道路財源問題、日銀総裁人事問題】
それぞれの道路財源問題と日銀総裁人事の問題について、国会での議論の状況や、今後の見通しなどについてもお話したのですが、特に強調してお話したのは、これまでの政治の仕組みは「官が(霞ヶ関が)全てを決める」「霞ヶ関がうんと言わなければ、どんな事業も進まない」ということ、例えば道路で言えば中央で国土交通省の道路局長がうんと言わなければ何も事業は進まないということでした。
これまでは、それぞれの地域で選ばれた首長が、さらには国会議員が霞ヶ関に頭を下げ、予算をとって地方に持ち帰り、陳情にきた各業界の要望を聞き、要求した側は自分たちに有利に働いてくれる議員に献金、票、人を出す。そこで生まれた癒着の結果、議員・首長は選挙に当りたいがためにその人達の要求に応え続ける。そうして、自分を応援してくれるひとたちに不利なことが言えなくなり、今の時代に出される要望の中では、優先順位をつけてその都度の適切な価値判断ができず、次の世代へ問題(借金)を先送りするという構造があることをご説明しました。

国が800兆、大分県で1兆の借金がありますが、優先順位をつけきちんと価値判断をすることができずムダが膨れあがったということ、補助金は悪の根源であり、地方は“割り勘負けしたくない”“貰わないと損”と補助金に飛びつき、結果子孫に付回すほどの借金になっていることなどについてお話しました。

また、5年前に大分県知事選挙に出馬したときの

  1.子孫に付回しをしない。将来世代に借金ではなく夢を
  2.これまで苦労をかけた高齢者に恩がえしを
  3.がんばった人がきちんと報われる公正公平な社会

という政策の3本柱が、今回民主党が道路特定財源を契機にこれからは財源を国から地方に分配し、地方のことは地方で決めるしくみにしようという民主党の主張の本丸と、現在まさに重複してきており、これまでもずっと国会でも主張し続けてきたことが軌を一にして動きだしていることをお伝えしました。

【今後予想される政局の動き】
今月29日の衆議院での再議決に向け、自民側は一般財源化賛成の議員も含んでいる党内の引き締めをしていることなどの与党の情勢について分析した上で、再議決するかしないかのボールは自民が持っているという今後の見通しを述べました。もし再可決した場合には、内部の火種を起こしますし、しない場合には、道路族や首長の期待を裏切り、どちらでも地獄であるとの見解を述べました。


滝尾地区2.jpg
滝尾地区の集会の様子2


【後期高齢者医療制度・社会保障制度】
これまでの医療行政の仕組みについて、予算や法案成立までの一連の流れをご説明したうえで、この後期高齢者医療も2006年6月14日に強行採決され、多くの反対があるにもかかわらず結果的に施行まで至ったことをお話しました。
この問題について吉良州司は、社会の構成員・社会全体でまんべんなく支えるしくみに再構築する必要があると考えています。その時の財源は消費税ベースになります。またこれからの見通しについて、この後期高齢者医療制度では、保険料は2年ごとに見直されますが高齢者が増えていけば保険料の引き上げにつながるということ、終末期医療についての考え方をお話しました。
新しい時代の社会保障のありかたは、足りない部分に税投入するのではなく、みんなで守らなければならないものについては全体で負担をするというものであるべきです。ただ、高齢者医療・産婦人科・小児科などは、通常の医療制度と違い、消費税をベースにし、社会全体で支えるべきであるという見解も述べました。霞ヶ関主導で生まれたムダを徹底的に省いたあとで必要な分野には投入し、その結果税が何パーセントか上がったとしてもそれは負担していただくということが必要です。

集会後、参加者の皆さんからは「今回は身近な問題がテーマだったのでおもしろかった。」「とてもわかりやすかった、今までで一番良かった」と言う声がありました。今回はやはり、制度発足後の混乱が続く後期高齢者医療制度について、皆さんの注目が高かったようです。今後も、社会保障制度全般についての考え方など、集会を通じて積極的に皆さんにご説明できればと考えています。

2008年04月14日

国民生活センターに視察に行ってきました

みなさんこんにちは。

先週8日、吉良州司は国民生活センターに視察に行ってきました。内閣委員会で、国民生活センターに関する法案が提出されるのを前に、民主党の内閣部会や人権消費者部会のメンバー声がかかったのですが、ご存知のように吉良州司は民主党「次の内閣」の内閣府担当副大臣でもあり、商社時代からやはり「現場」を見ることが重要だと考えてきたことからも今回の視察に加わりました。

常々「供給者の論理にたった政治」から「生活者、消費者の論理にたった政治」への転換を訴えている吉良にとっても、この国民生活センターのあり方は、重要なものです。今回11日に委員会にかけられた法律案は、国民生活センターに、消費者紛争の解決のためのADR(Alternative Dispute Resolution-裁判外紛争解決制度)機能を追加的に付与しようというものでした。一見すると体制整備が進み、非常にいいことのようにも見えますが、実はこれまでも消費者紛争を消費者と事業者の間で仲裁斡旋をしてきた国民生活センターに対して、この法律案は屋上屋を重ねるようなものになるのではないかと考えています。


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  国民生活センターで理事などから現状についての説明を受ける


現場を見て分かったことですが、職員117名のうち、全国からの相談の直接の窓口となる相談員は、一人もいません。実は、相談員は、消費生活専門相談員の資格を持つ人などを定員外の非常勤職員として採用しているのです。しかもその人数は、何十人もいるのではなく、現在は5、6名(一日当たりでいえば2~4人になるそうです)であり、全員が毎日出勤をしているわけではありませんので、通常開けている相談用の電話回線は、わずか2~4回線ほどだそうです。説明の担当者からは、国民生活センターは、全国の消費生活センターからの二次相談(経由相談)に特化するという動きが一時あったためという説明を受けましたが、その経由相談のコーナーにさえ、やはり職員はそのとき6、7名ほどしか見当たりませんでした。一方でそれらの相談員が受けた相談に対して回答をする補助者や、広報、研修等のほかの部門を含めた管理部門の人員は117名となります。私たちも、「全国で唯一つ、行政機関として消費者問題を専門的に取り扱う国民生活センター」といわれればもっと相談員たるオペレーターがたくさん、ひっきりなしに電話を取って相談に応じているようなイメージを持っていましたが、そのイメージはあっさりと消え去りました。


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  国民生活センターの相談員の活動の様子を視察


実際に現場を見た得た結論は、「国民生活の安定及び向上に寄与するため、総合的見地から、国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行うことを目的とする」(独立行政法人国民生活センター法第3条)センターであるのに、①相談受付の間口が極端に狭い。②現在の体制を改善すれば、本来の相談機能、仲介斡旋機能の強化も可能になる(=屋上屋を重ねるような法改正をしなくても済むのではないか)ということでした。また、職員は平均年齢42.9歳で、平均給与820万円以上(国家公務員の一般事務職の1.2倍であり、センターは、相談、調査研究等の業務の達成のためには高い知識が求められていることを、この給与水準を設定している理由として説明しています)で、一方の相談員は、ある調査によれば67%以上が年収200万円以下であるという現状もあるそうです。このような不均衡を踏まえて、11日の委員会では職員自身が一番大事な現場である相談業務も行えるようにもっとスキルアップし、現有勢力での体制強化をすべしという提案をしましたが、担当の岸田文雄大臣も、今後検討していく必要があるという認識を示されました。おそらくこのような、現在の体制でもまだ改善の余地があるのに、新たな仕事をするための器をどんどん重ねて作り上げていくという事例は、国民生活センターの他にも行政機構全体で見ればもっともっとたくさん出てくるのではないかと思います。法律さえ通れば予算もつき、人も入ってくるという行政庁独特の体質が原因の一つになっていると思われますが、これからは必要以上のコストをかけたことが行われないように、内部で積極的な対応がなされていくことを期待し、またこの様子を引き続き注視していきたいと思います。


今回のブログに関連するリンク:
 独立行政法人 国民生活センター
 ADR(裁判外紛争解決制度)
 
4月11日の内閣委員会質疑の様子      
     このライブラリのページで、「平成20年4月11日開催、内閣委員会、発言者吉良州司」を
     選択していただくと、映像がご覧になれます(案件名は空欄で検索してください)。

2008年04月07日

小沢代表のメディア「行脚」

みなさんこんにちは。

先週来3日のTBS、6日のフジテレビ、NHKと、小沢一郎代表がテレビ番組にハシゴ出演しました。これまでメディアへの露出が少なかったために、記者会見以外の生でのやり取りを見るのは久しぶりだったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

報道の露出度もさることながら、日銀総裁人事、道路特定財源などについてこれまでは政府与党、福田総理の側からの政策提示が主にあり、民主党はそれらについての問題点を明らかにしてゆくというパターンが繰り返されていたように思います。予算委員会、国土交通委員会などで、各委員がそれぞれに冬柴国交大臣などと議論をしていくうちに、官僚による無駄遣いなどの不適切な使途が明るみに出てきました。これまでも、総理などの投げかけに対して鳩山幹事長や菅代表代行による意見表明もしばしば行われてきましたが、やはり代表者たる小沢代表が実際に意見を表明するとなると、その重みはまったく違います。

昨年の参院選以来、国会、そして野党民主党には、良い意味でも悪い意味でもかつてないほどの関心が集まっていました。これはひとえに国会の「ねじれ」が原因であり、野党の言い分も与党として無碍にあしらうだけでは国会運営ができなくなったことが原因だと思います。これまでは、極論すれば「形式的に」行われてきた与野党のやり取りですが、政策に大きな影響をもつようになっただけでなく、場合によっては(日銀総裁人事のように)野党の言い分がそのまま実現することも起きてくるようになったということは、きわめて重大な変化です。これは、メディアなどでもしばしば指摘されているように、民主党が責任政党として国政の一端を担うようになったということであると思います。

これからは、代表にももっとメディアに露出していただいて、願わくば「民主党ならばこういう政権運営をする」、「民主党ならばこういう国を創る」というビジョンの提示もおこなってゆけば、広く国民に受け入れられる政党になっていくと思います。いよいよ9日水曜日には今国会初めてとなる党首討論も行われます。ここで、国のあり方を示し、一挙に大攻勢をかけて頂きたいものです。