主張・政策論

2008年4月2日

No.022 169回国会「衆議院 内閣委員会 6号」

④平成20年4月2日 内閣委員会
○中野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。吉良州司君。

○吉良委員 民主党の吉良州司でございます。
本日は、地域再生法の一部を改正する法律案、この一本について質問をさせていただきます。かなり各論に入った部分と、それから地域再生というものに対しての哲学、この二本立てでやらせていただきたいと思っています。
まず最初に、今回の改正点の重要ポイントであります、地域再生に資する事業を行おうとする者が、地域再生計画を作成するように提案することができるということと、地域再生協議会を組織するよう要請することができる、この点について各論としてお伺いをしたいと思っています。
まず、例えば、ある自治体の中で、提案をしたいと思う、民間、NPOを含めていろいろな提案者がいると思うんですけれども、その提案の数に基づいた分だけ計画が作成され、また協議会がつくられるというふうに理解をしてよろしいんでしょうか、それとも一本という了解なんでしょうか。お願いいたします。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
協議会が作成されますと、そこの場で地域再生計画について議論が行われるということで、当面はその目的において協議会が活用されるわけでございますけれども、その協議会について、引き続き、例えば地域再生の計画を発展的にしていきたいというようなこともその場において話し合われていくことは十分あり得ることだと考えております。

○吉良委員 ちょっともう一度、必ずしも正確な答弁じゃないと思っているんですが、同じ自治体の中で、全く種類の異なる同じく地域再生に資すると思われる提案が例えば十個出てきた、そういう場合には、今言いました計画、それから協議会は幾つできるんでしょうか。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
原則としては、一つの自治体において一つの協議会が組織をされまして、そこで話し合いが行われるということを想定しておりますけれども、ただ、場合によっては複数できるというのを排除する、そういうものではございません。

○吉良委員 私が冒頭なぜこういうような質問をさせてもらうかということは、計画をつくるのが目的でもなければ、協議会をつくるのが目的でもなくて、最終的には当然地域再生そのものが目的でありますが、その際に、計画をつくること自体が目的化してきたり、先ほど同僚の佐々木議員からありましたけれども、また地域再生協議会をつくることが目的になってしまうようなことがあり得る、事業の推進者、機関車、そして責任者は一体どこにあるのかというようなことをちょっと聞きたいからであります。
今申し上げた、例えば私の大分市なら大分市で十個、全く種類の違う地域再生に資する提案が出てきた、そうしたときには、十個の再生計画ができる、そして十個の協議会ができる、繰り返しお聞きしますが、その了解でよろしいわけですね。もちろん、その中で、これとこれが非常に似通っているから一本にできないかというような場合があるかもしれませんが。もう一度お願いします。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、協議会というものはまずは自治体が組織をするものでございますので、原則的には一つの自治体に一つの協議会が組織され、そこで地域再生の計画が話し合われる。今までも例としてたくさんございますけれども、地域再生というのは、いろいろな支援の措置が加わって膨らんでいくというようなこともございますし、基本的には、その場で話し合いが行われるものだというふうに思っております。
ただ、先ほども申し上げましたが、複数できるということを制度的に排除するものではございませんけれども、繰り返しになりますが、基本的には一つの協議会でやっていただくのかなというふうに思っております。

○吉良委員 まず、ちょっと最初から納得できないのでありますが、この法の趣旨は、先ほど言いましたように、地域再生に資する、広く、特にその地域が元気になるという事業を提案するときに、提案者単独ではなくて、その地域の関係者を味方に引き入れて、地域全体として面的にその事業を推進して、結果的に地域再生に役立てようということであります。
もともとの事業の目的が違うものであれば、計画は、それが一つの計画になったり、とことん広げていけば、大分市なら大分市の地域再生計画ということで、その中には教育もあれば、それから産業振興もあれば、交流もあればと、広げればいろいろできると思いますが、協議会については、その参加者の中に提案者が重要な役割を持って入るというか、逆に提案者が入らないとこれは意味がないわけですよね。ということであれば、その理屈からいくと、事業の目的に応じて複数の協議会ができておかしくないのではないでしょうか。もう一度お聞きします。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
若干繰り返しになりますけれども、最終的には、地域の活性化あるいは地域の再生ということでつくられるものでございますけれども、そこに至る手段において、あるいは少し目的が相異なった計画がつくられるということであれば、場合によっては二つ以上の協議会が組織されるということを排除するものではございません。

○吉良委員 そうしましたら、次のような例を挙げたいと思いますが、この中、ちょっと別の次元で出ておりましたけれども、北海道で観光振興のためにオーストラリア等からの客を呼び込むための事業というのがあって、これはたしか第一回で認定をされていたと思うんです。では、そういう事業が九州大分で行われるとしますが、そうした場合に、当然、提案者が中に入る、そしてその協議会ができる、これが一つあるとします。一方で、地場の産物を使った物づくりというような事業が出てきたとします。この場合、今言った、オーストラリアから観光客を呼び込んで地域活性化をしようというプロジェクトと、地場の産品を使って物づくりをやっていこうという事業とでは、全く性格も異なるわけですね。この場合には協議会が二つできるという理解でよろしいんでしょうか。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
協議会を組織する主体は自治体であるというのがこの法律の仕組みでございます。したがって、例えば幾つ協議会をつくるかということにつきましても、最終的にはその自治体の判断であり、そこに参画される方々の合意形成が一番やりやすい形で自治体がつくっていくということではないかと思います。
したがいまして、複数の計画があって、しかし地域再生の目標が同一ということであれば、事業内容が少し違ったものであっても、一つの協議会でやるということもあり得るのではないかというふうに思います。

○吉良委員 そうしましたら、今言った個別の事業にかかわって計画がつくられ、かつ協議会ができた場合の遂行責任者はだれになるんでしょうか。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
これは、地域再生計画を作成いたします地方自治体がその遂行責任者ということに相なります。

○吉良委員 それは地域再生計画の責任者。
ただ、今言いました、個別のあるプロジェクトを提案する人がもともと、計画を認定してくれと、作成するように提案をするということと、かつ、そのプロジェクトの当事者、推進者が協議会に入るということ、その場合でも、プロジェクトの責任者は自治体ということですか。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
個別のプロジェクトについては、もちろん、事業主体となられる方がそのプロジェクト推進の責任を持たれるということであります。ただ、そのプロジェクトが地域再生計画の中に位置づけられているということでございますので、その場合、地域再生計画の責任者というのは、これは作成者でありますところの自治体ということに相なるということでございます。

○吉良委員 民間企業が、多角化に乗り出す、または、自分の領域であるけれども、例えば海外の企業と提携をしようとか合弁をつくろうだとか、そういう際に、ある意味で、経済活動でありながら政治的な妥協という意味で、例えば資本比率を五〇対五〇にすることがたまにあるんですけれども、本格的にそのプロジェクトを遂行しようとする企業は、五〇対五〇というのを最も嫌うわけですね。当たり前のことですけれども、責任所在がはっきりしないからです。五一%とる。とにかく最後まで全部責任をとるのであれば、六六・七%を持っていく。または、その前段階として、連結対象とする二〇に持っていくのか、一九・八でおさめるのか。そういうことを勘案して、最終的に、やる、やらない、やるとすれば自分がどこまでやるんだということを決めていくわけですね。
私が、この地域再生という最終目標自体はまるっきり反対するものではないんですけれども、最も心配しておりますのが、こうやって、ある事業、あるプロジェクトをやろうとした人が提案をする、それに対して自治体が出てくる、地域の関係者ということで、金融機関は出てくるわ商工会は出てくるわ、いろいろな人が出てきて、そういう商工会だなんというのは、地域全体を盛り上げようということでできた組織でありますから、地域再生のためにだ、これだ、あれだといろいろな要求を出してきます。そうすると、結局、だれが責任者なのか、だれがそのプロジェクトに対して責任を持つのかということが非常にあいまいになるということを心配しておるわけであります。
そういう意味で、この協議会というのは、個別のプロジェクトを遂行するに当たってはどういう位置づけになるんでしょうか。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
協議会は文字どおりの協議会でございますので、そこで関係者の方々が集まられて計画をつくり、その中で個別の事業が位置づけられていくということになりますと、この個別の事業につきましては、事業それぞれを遂行される方が責任を持って進めていかれる、そういうことであろうと思います。

○吉良委員 そうしますと、またちょっと細かな話を聞きますが、この協議会参加者の、想定参加者の一員として金融機関が入っておりますが、これは地元の地銀なり信金なりという理解でよろしいのかというのが一点と、もう一点は、この協議会に入ってくる金融機関が政策投資銀行にかわって融資を行い利子補給を受ける対象という理解でよろしいのか、その二点についてお伺いします。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
協議会の中に、参加者として地元の金融機関というものが想定されております。ただ、これは制度的には、特に地元のということではなく、御指摘ございましたように、例えば政策投資銀行がここに入るということもあり得るわけであります。場合によっては、従来から政策投資銀行と地元の金融機関が共同してやるというようなこともございますので、複数入ってくるというようなこともあるんだろうと思います。
そういったことで、金融機関の持っているさまざまな地域づくりのためのノウハウといったものがこの協議会の中で活用されて、有効な地域再生の計画がつくられていくということを我々としては期待しているところでございます。
午前中にも御説明申し上げたところでございますけれども、今回御提案をしております利子補給の仕組みにつきましては、こういった協議会の仕組みに参画をしていただいた金融機関ということを一つの条件として実施をしたいと思っているところでございます。

○吉良委員 プロジェクト投融資、プロジェクトに対して投融資をする際の一つの言葉として、コンフリクト・オブ・インタレストという言葉は御存じでしょうか。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
利益の相反という趣旨であると存じ上げます。

○吉良委員 地域、特に地方のこういう地域再生というプロジェクトにおいては、掲げるにしきの御旗が間違っていないので、個々の参加企業なりの、エゴと言うとなんですけれども、主張を前面に出すというのはなかなか難しくなってくるということがあるのですが、今、回答いただいたように、通常、エクイティーホルダーというか投資者と融資者というのは全く利害が相反するわけですね。これはもう釈迦に説法になりますけれども、出資者からしてみれば、できるだけ低い金利でお金を借りたい、いい条件で、担保もなしで、いい金利で借りたい。一方、金融機関は、できるだけ高い金利で出したい、担保は余計とりたい。それは、事業主体と貸付者、レンダーでは全く利害が異なるわけであります。
先ほど私が、協議会というのは一体どういう位置づけになるんだということをお聞きしたのは、協議会が協議をし、また個別のプロジェクトに対してアドバイスをしていくことが、プロジェクト遂行上どの程度考慮をされ、影響を与えていくのか。協議会が、ある意味では、経営に対する、事業を遂行する経営者に対してのいわば外部からの取締役会みたいな位置づけになるとすれば、その中に、今言いました、当該事業にお金を貸し付けて、かつ利子補給を受けるというところが入っていること自体が、実はコンフリクト・オブ・インタレストなんですね。
その点については、制度設計をされたときに、その辺の議論がどう行われ、どういうふうに分析され、それでもいいや、これでやるという判断をされたんでしょうか。

○上西政府参考人 お答えを申し上げます。
この協議会につきましては、特に、先ほどから御説明を申し上げましたように、地域再生計画を策定する段階におきまして、計画や実施に対して必要な事項その他の地域再生の総合的、効果的な推進に関し必要な事項について協議をするということでございますので、一たん、その地域再生計画が走り出しまして、個別の企業が動き出すという段階になれば、そこは個々の事業の方が責任を持って遂行されるということであって、協議会の役割というのは、先ほど申し述べたようなところになるのではないかというふうに思っております。
そして、協議会の組織自体については、これは地方自治体が主体であるわけでありますので、それぞれの自治体によって最適な形というものを考えていただくということではないかと思っております。

○吉良委員 先ほど来、私自身が懸念をしていますことは、責任の所在があいまいになってしまうということなんです、すべて。そこの一点でもろもろ質問させてもらっているんです。
増田大臣は、もちろん知事御経験なので、その辺の実情もよく御存じだと思うんですが、どうしても地方は、市が関与してくる、県が関与してくるとなると、例えばの話、出資比率が二〇%であっても、頼るのは八〇%頼ってしまうとか、こういう協議会ができる、またプロジェクトの遂行者は地域再生計画を作成するように提案することができるとはなっているんですが、実際、再生計画をつくってそれを認定してもらうかどうかという権限を県とか市とか地方自治体が持っているということになれば、やはりあらゆる、ここにある協議会、関係者すべてが、最後は市だとか県に頼っていってしまうのが地方の実情だというふうに思っているんですね。
その辺のところが、先ほど言いましたにしきの御旗ということ自体は反対するものではないんですけれども、結局は、責任所在があいまいになって、個別のプロジェクトも失敗してしまう可能性が非常に高いんじゃないかと懸念しておるということをちょっと申し上げて、次に、増田大臣の方に移らせていただきたいと思います。
非常に聞きづらい、余りにも根源的な、初歩的な質問ではあるんですけれども、お聞きしたいと思います。地域再生の目的は何なのか、そして、今なぜ地域再生なのか、この辺について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○増田国務大臣 お答え申し上げます。
これは、それぞれのとりようによっても大分考え方が違う部分もあるかもしれませんが、少なくとも私は、全国で地域の状況を見ますと、個々の県単位あるいはもう少し大きくブロック単位で見ましても、その地域地域の経済力に大分差があるのではないか。そして、所得などについても、やはりブロックごとにも大きな開きがある。
これからの国土構造のあり方としても、少なくとも、特に若い人たちなどが余り東京などに集中することなく、地域、それは生まれたところにずっとそのままいられれば一番いいわけですが、あるいは近隣のところ、都会になるかもしれませんけれども、余りそういった東京だけではなくて、そういうブロックの中で適切に雇用の場などを見つけることができて、そして県あるいはブロック単位で、先生の地元であれば九州は九州で、経済活動が活発で成長力も高いようなそういう地域になれば、これはやはり国全体の姿としても大変好ましいのではないか。
今現在見ますと、午前中も申し上げたんですが、東海地域はかなり、いろいろな意味で我が国をリードするような地域になっておりますけれども、問題は、九州もそうですし、私がおりました東北などもそうなのですが、大分、今、景気の状況が悪いものですから、地域間に非常にそこの差が出てきている。そして、所得格差もある。今後の人口動向を見ますと、東京圏は大分横ばいが続くようですけれども、それ以外のところはこれから人口減少社会に入っていきますので、その中で高い成長性を維持するというのは大変容易なことではない。
そういう地域、大きな差がある中で、何としても基盤となる経済を強化して、そこにこれからどんどん若い人たちが職場を求めて、そして地域を守るといったようなことになれば、それぞれ中山間も国土の中で非常に重要な役割を果たしておりますから、そういうところも維持されることにつながるのではないか。
いろいろと地域再生の目的などについてはとらえ方がさまざまあるかもしれませんけれども、少なくとも私は、今申し上げましたような考え方に立って、経済力を中心にして、本当の地域の力をつけるような取り組みが今緊急に求められているのではないか、こういうふうに理解をしているところでございます。

○吉良委員 ありがとうございます。
今、大臣の答弁の中で、経済力等々に大きな差が出てきている、元気なところとそうでないところがあるというお話でありましたが、その元気がないところに足りないものは何だと大臣はお考えでしょうか。

○増田国務大臣 これは、私が知事をしておりました岩手などを見ておりまして、そこで感じたことでありますけれども、一つは、やはりなかなか若い人がいないということと、それからあと、発想とかそれから創意工夫とかいったようなことを地域でいろいろ取りまとめるような人がなかなか、適切な人材を得ることが難しい場合が多うございました。
それから、そういったところは、先ほどの議論にもかかわってくるかもしれませんが、やはり官、村役場であったり町役場にいる人たちが中心になって、それでも何とかしようということをいろいろと工夫されるわけですけれども、そういった自主的な工夫を動かしていくようなお金がなかなか、今自治体は疲弊しておりまして、そういう財政的な余裕もない。
それから、ほかの先進事例を調査して、それを何か地元でやろうとしているので、こう言うと大変失礼ですが、どうしてもほかのまねごとになってしまって、余り地域の特色を出せるようなものになかなかつながっていかないといったようなことが間々見られまして、そのあたりについて、何か官の発想を乗り越えたような、本当は地域に根差した自主的な取り組みなんですが、それをうまく後押しできるようなことになればいいのではないかなと。むしろ、今申し上げましたようなことがなかなか起こり得ないというか、足りない状況にある。
そんなことを感じたところでございまして、これは岩手におりました私の経験でございますが、全国でも似たようなことがあちこちで起きているのではないか、こういうふうに感じているところでございます。

○吉良委員 ありがとうございます。
いろいろ足りない、または十分でないということ、幾つか事例を出していただきましたけれども、大臣、私は、今大臣が言った、創意工夫をする、独創的な発想をするという潜在的な人材は全国津々浦々にいる、またいてほしいというふうに思っているんです。
では、大臣、何が足りないか、または目的は何でしょうかと私がお聞きしたのは、私自身は、地方に、地域に一番足りないものはやはり自立心だというふうに思っているんです。この国を再生するキーワードは、依存から自立へ。
日本がなぜあの戦後の廃墟からここまで豊かになったのかというのは、本当に、あの廃墟の中で、一人一人がだれにも頼ることができなかった、一人一人が持てる力を一〇〇%、一二〇%出すことによって今の日本ができてきたというふうに私は思っているんです。それが高度成長を経て、国全体が、また企業に属していれば企業全体がどんどん伸びていくという状況の中で、いつの間にか、まあだれかがやってくれるわという依存というのがこの国にはびこって、そこから停滞が始まっているというふうに思っています。
特に、私も地方出身であり、地方選出の議員であり、言いづらいし非常に苦しいですけれども、やはり地方は、東京が何かしてくれる、国が何かしてくれる、いつでも国がラストリゾートになって、とにかく国に頼ればいい、こういう依存心が地方を疲弊させている、それ以外の何物でもないというふうに私は思っています。そういう意味で、地域再生のために何をしなければいけないのか。これは、とにかく自立をしてもらうということだと思っています。
そういう問題意識の中で、本法案は、先ほど言いましたにしきの御旗については反論のしようがないんですけれども、「地域再生は、地域の知恵を生かした自主的・自立的な取組を国が支援することにより、我が国の活力の源泉である地域の活力を再生しようとするものであります。」と。私は、地域の自主的、自立的な取り組みというのと、それを国が支援するということは両立しないと思っているんですよ。その辺について大臣はいかがお考えでしょうか。

○増田国務大臣 今の先生の御指摘、大変共感する部分がございます。やはり自立の心を持っていないとどの地域もよくならない、常にそういう目標と気概を持って、気概と言った方がいいかもしれませんけれども、それで常に地域をいい方向に自分たちの力で引っ張っていくんだということを実践していかないといけない、そこは私も大変共感をいたします。
それから、見ておりますと、それにしても、最後は県が何とかしてくれる、あるいは国が何とかしてくれるといったような行政依存の気持ちがやはりどこかにあるのではないかと思うことも多々ございました。
考え方として、やはりそういうふうに持ちたいなと常々思ったところも大変多かったわけでございますが、現実に地域を歩いておりまして目の当たりにしますと、先ほど先生も、そうあってほしいということをいみじくもおっしゃっておりましたが、そうあってほしいと私も思いながら地域を歩いていますと、もう本当に、しかしその間に高齢化がうんと進んでしまって、そして、今そういう気持ちを持ってくださいよと言っても、訴えかける相手もなかなか適切にいないような、そういう地域も現実にはふえてきている。
これは、やはり何かそこに根源的な問題があるわけです。しかし、岩手県でも、限界集落と言われているようなものが大変ふえておりまして、そして高齢化率がもう四〇%を超えるようなところもある。では一体ここをどうしたらいいのかなというふうに考えますと、何かそこに手当てをしなければいけないなという思いもあって、そして、それをまた緊急の課題として実施をしていかなければならないという強い責務のようなものを感じるものでございます。
ですから、私は、先生は大変すぱっと、相反する部分もあるのではないかというふうに今おっしゃいました。あるいは、何だかんだ言いましても、国が今までやってきたことは、ほとんど地方対策のいろいろなあらわれ方だと思います。地方でいろいろな事業を実施してきた。それが逆に、余りにもかゆいところに手が届き過ぎて、自立心をいささか損なうようなところもあったのかもしれません。常に自立心を向上させるような取り組みをしていかなければいけないんですが、一方で、ここ最近の地域地域の疲弊ということを感じますと、将来の自立に向けた、しかし、今の対策というものを何か工夫できないかなと。そして、今ある仕組み、地域再生法なり今回の構造改革特区もそうですけれども、それも、今までの仕組みがあるわけですから、それを何とか、少しでも改善する方向で活用して、そうした地域の疲弊を救うことにつなげ、結びつけていけないのか、そういう思いを大変強くしているところでございます。

○吉良委員 基本的な方向性は同じだということで理解させてもらいまして、ありがとうございます。
私、五年前に、前もちょっと申し上げましたけれども、知事にはなれませんでしたが、大分県知事選に立候補したことがあって、その際に、ケネディ大統領のあの有名な就任演説をもじって、英語でマイ・フェロー・大分シチズンということで言って、まあそれはちょっとここでは英語では言いませんけれども。そのときに訴えかけたのが、大分県の皆さん、国や県が何をしてくれるかという受け身の時代、行政に対してただただ要求するだけの時代は終わりました、二十一世紀のこれからは県民の皆さん一人一人が主役の時代です、積極的に政治に参加し、私たちが暮らす国や県、そしてかけがえのない子孫のために今我々は何をすべきかともに考え、真に豊かな社会、元気にあふれ、世界から尊敬される大分を一緒につくりませんかという呼びかけをさせていただきました。
要は、そのときにとにかく言い続けたことは、とかく政治批判というのは、何をしてくれない、何をしてくれないということなんですね。それを、とにかく、それは自分たちの責任だし、自分たちがまず行政に対して、地域に対して働きかけてほしいということを訴え続けておりました。それさえ成れば、その感覚が地域、地方に充満すれば、必ず地域は再生できるというふうに私は思っているんです。 したがって、はっきり言えば、大変失礼なんですけれども、国がもう余計な関与をしない方がいいということが私の信念なんです。だから、今まで政治は、何か助けてくれと言うとそれに手を差し伸べることが政治だ、また愛情だというふうできましたけれども、親が子供をどんなことがあっても一人で生きていくように厳しく育てるのは、やはり自立することが、だから、愛のむちと言われることが、今国が地方に対してやる最大の愛情じゃないかというふうに私は思っているんですね。
そういう意味で、ちょっと話は飛びますけれども、道路特定財源も一般財源化して、それは、道路がいいのか、病院がいいのか、それとも学校建設が大事なのか地域で考えろと言ったら、大変厳しい、苦しいことでありますけれども、それでも地域の人に判断をしてもらわなきゃいけない。国がこれに使いなさい、あれに使いなさいなんて言う時代はもうとうの昔に終わってしかるべきと我々は思っているところであります。
それで、この法案に対しても、正直言って、さっき言ったにしきの御旗は反対のしようがないんですけれども、稟議書でいえば、判こを横にして、やむなし「賛」の世界なんですね。
なぜそういうようなことを言うかというと、やはりこの仕組み、制度、特に地域再生法に基づく具体的な事例を見ていますと、参考資料でお配りしたこれを見ていただければわかるんですが、一番使われている事業、補助事業というのは、道路整備であり、汚水処理であり、港の整備なんですね。これは、地域再生というだれも逆らえないにしきの御旗を掲げることによって、結局は補助金を引き出すためのツールになっている、補助金呼び水制度になっているという問題意識があるからなんです。
私は地元で、私は時代背景に伴って私の有権者にいつも説明していますので、日本が発展途上国の時代、焼け野原から一刻も早く豊かになりたい時代の補助金等を通した地域活性、地域への再配分というのは私は功を奏したというふうには思っているんですけれども、ある時期からは、人々が持つ欲求、欲望、それも自分だけは割り勘勝ちしたい、そういう、地域のあしき欲望の火つけ役になっているのが補助金じゃないかと思っているんです。
私は、よくこういう例を出します。
大きな、六十インチの薄型テレビが欲しいと思っている、電気屋さんに行きましたら六十万円した、ボーナスが来て、自由になるお金は二十万円だ。そのときに、二十万円を見て、六十万円と比べて、ことしは買えないなと。普通であれば、六十インチをあきらめて三十二インチを買う、または、一年たって次の二十万円が入ったら、一年たてば価格競争で安くなっているから四十万円で買えるかもしれない、それが普通の一般の家計だ。
けれども、この国は、補助金というあしきささやきが政治家によってもたらされてしまう。あなた、六十インチの薄型テレビが欲しいのか、二十万円を出す気はあるのか。あります。であるならば、このメーカーかこのメーカーの薄型テレビを買うのであれば、四十万円はこっちがただでやるから、あなた、二十万円だけ出して六十インチの、六十万円のテレビが買えますよと。 これを、全国、かつては三千三百、今も一千八百市町村、自治体にずっとやってきた結果、これだけの無駄遣い大国、借金大国になってしまった、私自身はこのように思っております。
もし、この事業、本当に地域再生のためということであるならば、私は、私どもが道路特定財源のときに一般財源化を主張しておりますように、もうひもつき補助金とかをやめて、個別のプロジェクトといいますか、ここでいいますならば、地域再生計画というのが出てきたときに、それを地域地域にお配りして、そこの自主判断でやらせるようにして、もう国がああだこうだ関与する必要はないのではないか、このように思っておるわけですけれども、その辺について、今私の申し上げたこと、そして、今最後に申し上げたことについての大臣の所見をお伺いしたいと思います。

○増田国務大臣 今先生がるるお話しになったのをこうやってまた改めて今頭の中で考えているんですが、知事なりリーダーというのは、地域の皆さん方にきちんと向き合って自立の心を説いていく、私もそういうつもりで行ってきたつもりですが、理解をしていただくのはやはり大変難しくて、それは逃げているんではないかとかいろいろ言われたりしたこともございましたんですが、やはり、今こういう時代だからこそ、まさに自立の心を説いて、そして皆さんの気持ちを本当に奮い立たせるようなことが必要ではないかなというふうに思います。
それから、この再生計画、確かに、今、公共事業に結びついているものが大変多うございますし、それから補助制度もいろいろ使途が限定されております。時代の大きな流れとすれば、やはりこうした計画を、補助金をもらう一つの便法といいましょうかやり方として使っている、あるいはこちらサイドもそういうものとして考えるということであっては決していけないわけです。それから、補助金も、きちんとした国、地方の役割分担を議論した上で、今後はそれこそ、個々人に地域での自立心を説くと同時に、自治体にも、地域で自立していただくために責任を持って、そういうところに財源としてお渡しをしていくということがこれからの方向だと私も思うわけであります。
そういう大きな考え方を持ちつつ、今ある制度としてこの地域再生の枠組みがあって、そしてこの中で省庁がやはりいろいろな役割をそれぞれ果たしているんですが、少なくとも、こういう地域再生の計画を使って、できるだけ地元にとって使いやすいような制度にしていくということは、今のこの置かれている状況の中で何らかの形で地域のアイデアを結びつけていくという上では、やはりこういう制度を一つの手段として用意しておく意味があるのではないか。
ただ、これが未来永劫といいましょうか、そこまで申し上げなくても、長い間、この枠組みが大変いいものであるからこれを使えば必ず地域が再生するといったようなことではなくて、地域がいろいろ考え方を出して選択していく上での使い勝手のいい手段として常にこちらも見直しをする、それから、分権化で、本当に地域が力を出すような方向に向けてさまざまな改革を進めていく、そういう大きな方向性を見失わずにこの制度を運用していくことがやはり必要である、こういうふうに、今お聞きをいたしまして改めて思ったところでございます。

○吉良委員 ありがとうございます。
もう時間が来ましたので、最後に申し上げますけれども、仮にこの仕組み、仮にといいますか、この仕組みで実行される場合に要望しておきたいことが、先ほど言いましたように、依存から自立へというのが、この国、我が国のキーワードであると同時に、特に地方にとって大事なキーワードだというふうに思っています。そういう意味で、人間再生、人材再生こそが地域再生だということで、所管される大臣として、とにかく人材育成にかかわる事業を重点的に取り上げる、こうやって、道路に変わる、箱物に変わるということは極力認定をせず、我々はコンクリートから人へという言い方もしていますけれども、人材再生こそが地域再生という中で、人材再生に対する支援を明確にしていただきたいということ。それも、成功事例、成功かどうかしれぬが、中で、山梨県のワインづくりについて、ワイン科学士とかそういうのが出ていますけれども。
先ほど同僚の佐々木議員が申し上げましたように、政策執行したことがどうかというのではなくて、その効果が、政策自体の成果がどうかということ、ぜひそこに重点を置いていただきたい。
同じ補助を出すにしても、例えば人材育成、いい例かどうかわかりませんけれども、例えば、税理士の資格を取ろうというような人たちをたくさん育てていく、そういう講座を地域が開催します、その開催について一定の補助を出すのはいいとしても、そこから先は、本当に資格を取った人に対して、その数に応じて支給していくというような、やはり成果、途中経過とか計画に対してお金を出すのではなくて成果に対してお金を出していく、そういう使い方をぜひしていただきたいなということをお願いして終わろうと思いますが、もしコメントがあれば。

○増田国務大臣 今のお話の中で、未来を担う人への投資というのは私も大変賛同するところでありますし、それからあと、効果を、本当の意味での効果、実質的な効果を測定する、これはやり方をよく工夫して、また次の事業の実施に生かしていかなければなりませんので、その点については中でまたよく検討させていただきたいというふうに思っております。

○吉良委員 前向きな答弁をありがとうございます。とにかく人材再生が地域再生ということで、人材投資をお願い申し上げて、私の質問を終わります。
以上です。

○中野委員長 次に、泉健太君。

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