吉良からのメッセージ

北方領土問題の本質と対応 その1

平成から新元号にまたがる通常国会(第198回)が1月28日から6月26日までの150日間の日程で始まりました。

本国会の前半は、「毎月勤労統計の不正調査問題」の件で大荒れになると思います。国家の根幹の問題だけに徹底した全容究明が求められます。
野党も激しく厳しく政府の質的低下を糾弾することになりますが、不正調査が行われはじめてから今日に至るまでの内3年3か月は民主党政権下でしたので、現政権批判だけでなく、「わがこと」として対応することも必要だと思います。

この問題の陰に隠れてしまいがちですが、また、一時の期待感がすうっと引いている感もありますが、安倍政権が最優先と位置付ける「北方領土問題の解決と日ロ平和条約の締結」も国家的、歴史的重要課題です。

これから、何回になるかわかりませんが、この「北方領土問題」について、歴史的経緯や世間であまり知られていない事実もお伝えしながら、その本質と対応策について、考えていきたいと思います。

何故、この問題を取りあげるのか。

それは、安倍晋三総理が現在の自民党総裁任期の2021年9月末まで首相を続ければ、歴代最長の首相在任期間となりますが、恐らく、最長政権ということだけでは満足せず、憲法改正か北方領土問題の解決を歴史的実績として残したいと思われるからです。

そして、憲法改正は与党の公明党も乗り気ではなく、国民の足下の最大の関心事でもないことは明らかです。更には、英国のEU離脱についての国民投票結果をみて、国論を二分するような課題に取組むことは、政権として、あまりにリスクが大きいと判断している可能性が高いと思うからです。

この問題についての安倍政権の並々ならぬ本気度を感じます。それは、官邸、外相、外務省をはじめ、政府内の保秘が徹底されているからです。私が親しい外務官僚たちも決して現状を口外することはありません。その徹底ぶりを頼もしく思います。わが方の交渉方針を相手に知られないことは極めて重要です。また、最終的には国民の支持を得なければ事は成就しませんが、如何なる方向性にも必ず賛否両論ありますので、事前に事が知れ渡り、場外で国民的議論が沸き上がることも、政権にとって追い風にならないばかりか、決して国益にはなりません。
この保秘の徹底ぶりから、何としても北方領土問題を解決するとの政権の意気込みを感じます。

ここで各論に入ると長くなってしまいますので、次回以降、シリーズで北方領土問題の本質に迫っていきたいと思います。

吉良州司

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