エネルギー安全保障

エネルギー安全保障問題はともすればイデオロギー論争になりがちですが、地球環境への配慮やデジタル行政化が進む社会においては、電力の安定供給や動力源としてのエネルギーの安定確保は我が国とって至上命題です。それだけに、現実を直視したエネルギー政策が求められます。諸外国と隔絶された島国であり、化石燃料も鉱物資源も量的確保や採算面から産出できない我が国におけるエネルギー安全保障は、国民生活と事業活動に必要な資源や電力の量的安定確保が何よりも重要です。電力については、今回のパンデミックにより今後は電力原料の輸入途絶がありうることを学びました。将来的には、原子力に頼らない社会を目指し、再生可能エネルギーの更なる普及を推進するにしても、今現在も雨や風が吹かない時には火力発電が代わって電力供給している現実(バックアップ電源としての火力発電)を冷徹なまでに直視し、目指すべき将来の理想的エネルギー社会に移行するまでの間は原子力を含む火力発電を環境に配慮しながら有効活用していくエネルギー政策が必要です。