吉良からのメッセージ

2019年11月27日科学技術特別委員会の質問に立ちました

昨日、11月27日、科学技術特別委員会でのはじめての質問に立ちました。

冒頭、(1)理論と実証、(2)核融合技術、(3)宇宙開発について質問することを告げ、特に、何故、核融合と宇宙開発を取り上げるかについて、自分の問題意識を次のように語りました。この問題意識は、私が昨年の臨時国会からこの科学技術特別委員会に属している大きな理由でもあります。

「自分は1980年に社会人となったが、その前年1979年は第2次石油ショックの年だった。また、大学在学中、世界の有識者の集まりである「ローマクラブ」から、数十年先に化石燃料が枯渇するとの衝撃的な報告書が出された。その時、資源小国日本の先行きが心配になり、仲間と勉強を重ね、資源小国日本のエネルギー安全保障について、どうあるべきか、考えた。その延長で商社を就職先として選んだが、その時から「エネルギー安全保障」は私のライフワークだ。
資源を海外に頼らず、環境対策にも資する、更には核技術ではあるが安全性の高い、自前のエネルギー源としての核融合に期待している。」

「人口減少、少子化高齢化がわが国最大の課題である中、今の生活水準を維持向上させ、活力ある国であるためには科学技術立国の道しかないと思っている。科学技術は、軍事、宇宙、原子力、生命科学の頂が高ければ高いほど、その裾野が広くなるというのが持論だ。しかし、わが国では軍事はタブー、原子力も国民の理解が得られづらい状況を考えると、はやぶさプロジェクトに象徴される宇宙分野をわが国の科学技術の牽引役にすべきだし、国民の期待、子供たちの夢にもつながる。」

以上の問題意識、目的意識を披露した上で、以下の各論につき質問しました。

1.理論と実証

まず、20119年4月10日、地球上の8つの電波望遠鏡を結合させた国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」により、地球から5500万光年も離れた、おとめ座銀河団の楕円銀河M87の中心に位置する巨大ブラックホール(その質量は、地球の質量の33万倍もある太陽の65億倍にも及ぶ)とその影の存在を初めて画像で直接証明することに成功したことの意義を問いました。
適格な答弁(割愛)が返ってきましたが、私は、「国際協力の成果」と「理論が実証された」ことに意義があると主張しました。

余談として、ブラックホールについて、科学技術委員の興味もあるだろうとの思いで、下記のような話をしました。

「ブラックホールについて、科学技術委員なので、みなさんはご存知かもしれないけど、自分は、わかっているようで、実はわかっていない。しかし、ある本の説明を読んで得心できたので、そのことを語ります。
種子島から打ち上げられるロケットは、秒速11km以上の速度を出さないと地球の重力に負けて落ちてしまう。この秒速11kmを「脱出速度」というが、地球の33万倍の質量の太陽の場合、この脱出速度は618km、(天体は、同じ質量ならば、その大きさが小さければ小さいほど、その重力は強いとの理論を前提に)、太陽と同じ質量で、大きさはわずか20kmしかない「中性子星」の脱出速度は「光速」の40%に当たる秒速10万kmとなる。更に大きな質量の天体になっていくと、更に大きな脱出速度が必要となってきて、ついには光速である秒速30万kmより大きくなる。この光速よりも大きな脱出速度が必要になる天体に至ると、「光」ですら重力に負けて脱出できなくなる。この光すら脱出できない巨大な質量を持つ存在がブラックホールだと。」

委員の中からは、「なるほど」という声と、「それでも、よくわからない」という声とがありました。

続いて、「理論と実証」というテーマに沿って、核融合の原理について、下記のように質問しました。

「太陽の核融合は、4つの水素原子がひとつのヘリウムになっていく反応。この際、水素ひとつの質量を仮に25とすると、4つで100の質量となる。この核融合反応により、水素原子100の質量は、99.3のヘリウムへと、0.7%の質量が消滅する。アインシュタインの「質量エネルギーの等価」理論により、この0.7%消滅する質量が莫大なエネルギーにかわる。太陽が毎秒つくりだすエネルギーは、適格な例ではないかもしれないが、広島型原爆5兆個分にも及ぶ。

太陽より大きな質量の恒星で生じている核融合は、ヘリウムから炭素へ、更に大きな質量の恒星では、炭素から酸素へ、更に更に大きな質量になっていくに連れて、より大きな元素が生じてくるが、最後は「鉄」になった段階で核融合は終わる。これらの大きな元素がつくりだされる核融合反応においても、この0.7%の質量消滅と同等のエネルギーが生じるとされる「水素からヘリウムへの核融合」と同じ反応となるのか、それは、理論止まりなのか、実証されているのか。」

答弁は、「各元素の特性により、水素からヘリウムへの核融合反応とは、異なる反応(消滅する質量は0.7%ではないことも含め)になる。実証については、恒星と同じ環境を作り出すことができないので、全く同じ核融合反応状態をつくりだすことはできないが、原子を高速で衝突させるなど、似たような核融合反応状態をつくることはできるので、実証しているともいえる」というものでした。

巨大ブラックホールが存在するという理論が、国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」によって実証されたごとく、現在、定説とされている理論を実証できるように、国としては、基礎研究を中心に、予算獲得及び若手研究者の育成に力を入れてほしい、との提案をしました。

2.核融合について

次に、核融合技術の現状と見通し、および、核融合発電実用化の目途と課題について問いました。この質問に対して、核融合技術の安全性を含め、現状と課題について丁寧且つ適格な答弁が事務方からありましたが、ここでは割愛させてもらいます。
冒頭に述べた私の持論を含め、化石燃料資源のない我が国にとって、また、昨日発表された昨年の二酸化炭素排出量は過去最高になったとの国連報告があったが、環境問題への対策としても、自前のエネルギー源を持つことは極めて重要。福島原子力発電所事故以降、原子力発電についての国民の理解が得られづらい中、安全性も高い核融合発電に期待する旨、発言しました。
また、「一昨日訪問したノーベル化学賞受賞者の吉野彰先生が実用化したリチウム電池、その応用となる蓄電池の普及がなければ、再生可能エネルギーは不安定な電源であり、社会に定着しない。蓄電池とセットの再生エネルギーの普及と将来的電源としての核融合発電の両輪が必要だ」という趣旨の主張もしました。

最後の宇宙開発の質問に一番気合いが入ったのですが、本メルマガも長くなってしまいましたので、次回にお伝えします。

吉良州司

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