民主党の閉塞感について
| (編集部より)2005年1月からの第162回通常国会では、予算委員会に所属し、小泉首相とも論戦を戦わせました。本メルマガでは、民主党と自民党の現状を分析し、「政権交代」以外に日本を救う道はないと結論付けています。 |
こんにちは、吉良州司です。
昨日(45号)のメルマガにおいて、私は、民主党の国会対応について、
(1)審議拒否をすべきではない。議論を通して国民への説明責任を果たすべき。
(2)郵政民営化法案に対しては、対案を出すか、少なくとも民主党の考え方を国民にわかり易く説明すべき。
と書きました。
以下では、上記2点の問題意識を踏まえながら吉良州司の私見を述べさせて戴きます。
1.現在の民主党の閉塞感
まず、現在の民主党の閉塞感、消化不良感はどこから来ているかと言いますと、それは、本来、目指しているのが「小さな政府」や、その結果として「民にできることは民でやる」、「民の活力を最大限発揮してもらって豊かな社会を築いていく」ということであり、これは残念ながら、小泉首相が主張していることと同じであるところからきています。
つまり、「小さな政府」は民主党のお家芸なのに、その錦の御旗を小泉さんに取られてしまい、民主党がそれを主張しても二番煎じのように受け取られてしまう「あせり」からきています。
次期政権を狙う政党として「戦う姿勢」、「自分達は小泉自民党とは違うんだ!」ということを国民に見せたい気持ちは痛い程よく分かりますが、それが、「政府与党案よりももっと大胆な改革案を提示するという闘い方」ならいいのですが、残念ながら政府与党案に「反対!」という対応になって現れてしまうところに問題があると思っています。
2.小泉さんが主張する「構造改革」の本質
小泉首相は「自民党をぶっ潰す!」と、登場したわけですが、小泉さんの言う通り、自民党の体質(現在の自民党は政官業癒着で成り立つ「官僚と族議員によるばら撒き社会主義」)では「小さな政府」を実現することは不可能であり、本当に「自民党をぶっ潰」さない限り、小泉さんの主張を実現することは出来ません。即ち、小泉さんが目指す方向(中味ではない)は決して間違っていないが、自民党では実現できないということです。
鳩山由紀夫元民主党代表が「小泉さんが本気で自民党をぶっ潰してでも改革を実現するつもりなら、協力する用意がある」と言ったことは(当時は自民党がぶっ壊れるという期待もありましたから)決して間違ってはいなかったと思っています。小泉さんには自民党をぶっ壊せないし、従って、「改革」も道路公団民営化が象徴するように「形だけ民営化で実際は官僚機構の肥大化、税金の更なる無駄遣い」につながるような「表面改革」ばかりが増えていくことになりますので(郵政民営化もその恐れあり!)、「政権交代」以外に、わが国を救う道はありません。
吉良州司