第169回 通常国会を終えて
| (編集部より)第169 回通常国会は福田内閣として初めて、また前年の参議院選挙で衆参のねじれが生じて初めての通常国会であり、与党・野党ともに初めて本格的なねじれの事態に直面した国会でもありました。 |
みなさん こんにちは!
吉良州司です。
本日、第169回通常国会が幕を閉じました。世間では「ねじれ国会」などと言われる国会でした。「ガソリン国会」として始まり「後期高齢者医療保険制度の矛盾が噴火爆発」したまま終わった国会でした。この間、道路特定財源の無駄遣い、消えた年金問題解決の公約が踏みにじられたこと、省庁によるタクシー券の乱用が明るみに出るなど、多くの現政府による杜撰さ、税金の無駄遣い、公務員のモラルの低下などが白日の下に晒された国会でもありました。それらの中でも私がもっとも強調したいことは、昨年の参議院選挙による参議院での与野党逆転により、「国の意思決定システムが変化したこと」が国民の目に明らかになった国会ではなかったかということです。
その変化を国民に実感してもらったのがガソリン税の1ヶ月間の値下げでした。1ヶ月間だけの値下げがかえって国民生活を混乱させたとの批判もありました。そのことは決して全否定するものではありません。しかし、国民に身近な問題だからこそ国民は関心を持ち、民主党が主導する暫定税率廃止を国民も支持し、1ヶ月という短期間ではありましたが、目に見える形で国民の意志により結果を出したのです。参議院選挙の投票行動と結果、その結果を受けた民主党の主張・行動により「山が動いた」顕著な例証だったと思います。
勿論、道路特定財源を巡る問題は、「ガソリン価格が下がる」ことよりも「霞ヶ関で何でも決める(その結果として税金の無駄遣いが止まらない)仕組みを、各々の地域がその財源を教育、公共事業、社会保障などどの分野を優先して予算配分するのか、独自の判断と責任で優先順位を決められる仕組みに変える」一般財源化がより本質的な議論であることも以前のメルマガで披露させてもらいました。この問題についても、福田首相をして「2009年度からの道路財源の一般財源化」を公約させた原動力はやはり国民の声でした。
一方、衆参の意志が異なることによって国家としての意志決定がスムーズに進まない問題につき、日銀総裁人事を筆頭事例として、「民主党が政局に持ち込むために何でも反対し、政治・経済を混乱させている」という批判が渦巻いた国会でもありました。
このことについては、本日の民主党両院議員総会において鳩山由紀夫幹事長が強調しておりましたが、今国会において民主党議員立法を68本も提出したことは、マスコミが全く報道しませんので、ほとんどの国民はこのことを知りません。また、私自身も提出者となりましたが、国家公務員制度改革基本法など民主党案主導による与野党修正案が共同提出され可決さました。これらの事実から、民主党が単なる反対政党ではないことを証明した国会でもあったわけですが、国民に広く浸透していない、浸透させられなかったことは残念でなりません。
民主党議員にとっては、これらの誤解を解くことが、「政権担当能力を備えた健全政党」をアピールすることでもあります。2005年9月の郵政解散以降は、昨年の参議院選挙やごく短い年末年始を除くと、ほとんど通年国会状態が続きましたので、「民主党は単なる反対政党だ」というマスコミ報道の偏りを払拭するための地元活動時間が十分ではなかったのではないかと危惧しています。それだけに、8月末にも予想される次期臨時国会までに、民主党の各議員が地元のみなさんに、これらのことを訴えていくことが大切だと
思っています。
吉良州司個人としては、これまでも毎週末に行ってきた地区集会、お茶の間集会、ミニ集会、辻立ち活動をもっと地元に腰を落ち着けてピッチをあげていくつもりです。次期総選挙に必ず勝利して政権交代を実現するため、そして、みなさんの声を政権党として国政に反映させてもらうためです。ただ、選挙活動としてだけではなく、これらの活動を通して、年金制度のあるべき姿、医療制度のあるべき姿などの社会保障制度のあるべき姿は勿論、外交安全保障問題、若者に夢を抱いてもらえる経済・社会政策など、先進国になりきれていない我が国のあるべき姿について、みなさんと一緒に考え、議論しながら、「新世紀日本の創造」に向かって共に歩いていきたいのです。各種集会への奮ってのご参加と、引き続いてのご協力をお願い致します。
吉良州司