民主党代表選によせて

(編集部より)公設第一秘書逮捕に伴い小沢代表は5月11日に辞任を表明しました。5月16日に立候補受付・投開票で代表選が行われ、鳩山由紀夫氏124票、岡田克也氏95票で、鳩山新代表が選出されました。

みなさん、こんにちは!

吉良州司です。

本日の民主党両院議員総会において、鳩山代表・岡田幹事長の新体制が正式にスタートしました。本メルマガでは、先の民主党代表選挙について私の思うところをみなさんにお伝えします。

まずは、手前味噌ながら素晴らしい代表選であったと思います。多くの国民に、鳩山さん、岡田さん、どちらが代表、また将来の総理大臣になっても充分その任にふさわしいと思って戴いたと確信しています。

私個人は鳩山さんを支持しました。鳩山さんは多額の私財を投じ、同志とともに立上げた民主党創業者です。創業者でありながら、前原代表、小沢代表の下で、幹事長としてひたすら代表を支え、時に泥をかぶりながらも、政権交代のための党内結束を図るため、誰よりも汗をかき、ご苦労されてきました。その献身的な姿を多くの議員が目にし、心の中で「この人のためなら」と思っていたと思います。それだけに、小沢前代表辞任直後のこのタイミングで、党内外のより広範な勢力を結集して政権交代を実現するには鳩山さんが最適と判断しました。

また、個人的にも、私の一番の試練であった一昨年の参議院選挙において、幹事長であった鳩山さんが、筆舌に尽くしがたいほど厳しい状態におかれた私や県連を、惻隠の情で以って助けてくれました。その時「いつか必ずこの恩に報いる」と誓っていました。

更には、岡田さんが今回代表になれば、一挙に世代交代が進みます。そのこと自体は歓迎すべきことです。しかし、残念ながら、その次の世代がまだ育ちきっていません。高校野球でいえば、リリーフや押さえの投手が不在の中で、準々決勝、準決勝、決勝とすべて先発完投しなければならない状態と似ています。ここは党内でも評価が高く、国民的にも人気の高い岡田投手を次の切り札として温存することで、層の厚みが強調できます。何よりも先発の鳩山投手が安心して全力投球できると思います。鳩山さんも岡田さんも両方が持ち味を出せてより活きてくると思います。闘う相手はあらゆる手段を講じて、何でもありの、小沢代表を狙い打ちにしてきた与党・官僚連合軍です。この先4ヶ月の間に何を仕掛けてくるかわかりません。「岡田カード」を温存できることが民主党にとってものすごい厚み、強みになると思います。

大分のみなさんの中には、つい最近(3月28日)も大分県連10周年記念講演に岡田さんを招いていること、また、3月初旬には一緒に東南アジアを歴訪していることなどから、「吉良は岡田支持」と思っておられる方が多かったことでしょう。確かに、岡田さんは素晴らしいリーダーだと思っています。2005年の総選挙で落選した元議員を中心に全国津々浦々まで足を運び、同選挙の責任者として必死で応援し続ける姿は多くの議員や元議員の心を打ちました。岡田さんには、私個人としても、また、大分県連として恩義もあります。それ故、私にとっては大変苦しい決断でした。しかし、上述した理由で鳩山さん支持を決断し、岡田さんに直接会って、私の真意を説明しました。

これまでの恩義に感謝しながら、新しい時代は岡田さんの時代であること、しかし、この情勢、このタイミングでは鳩山さんによる挙党一致が望ましいと思っていること、参議院選という暴風雨の時に鳩山さんに傘をさしてもらい必ず恩返しをすると誓っていたこと、などを正直に話したのです。このような背景があるため、代表選当日の演説、討論では、鳩山さんに対して以上の大きな拍手を岡田さんに送り続けました。しかし、信じるところに従い鳩山さんに投票したのです。

今日発足した鳩山・岡田新体制の下、我々議員をはじめ政権交代を臨む勢力が一丸となって生活者の視点にたった政治を実現しなければなりません。力の限り走り続けます。

吉良州司