郵政民営化法案の衆議院可決について

(編集部より)2005年の通常国会は、いわゆる「郵政国会」と称され、郵政民営化法案が最大の争点でした。同法案の衆議院での可決を、吉良は独特の視点からメルマガで報告しています。

こんにちは、吉良州司です。

本日、郵政民営化法案が衆議院で可決されました。自民党の37人が反対票を投じた為、賛成233、反対228と僅か5票差での可決でした。しかし、これは一見、僅差に見えて、実は念入りに計算し尽された結果のような気がしています。

これまで、テレビや新聞などを通して「どんなに締め付けがあろうとも反対する!」と主張し続けていた議員は、約束した通り、反対票を投じ、どちらにするか揺れていた議員のほとんどは(恐らく、脅しかニンジンをぶら下げられるかにより党幹部から説得されたのだと思いますが)賛成票を投じさせられ、結果的には投票前からぎりぎりのところで法案が可決される票読みをしていたと思われます。

それでも、念には念を入れてだったのでしょうか、本会議場において採決の直前まで自民党幹部が造反の恐れがある若手議員を説得していました。一方では、野田聖子議員など、造反確信犯議員も仲間に念押しをしていました。投票が始まってからは、造反議員が反対票を投じる度に、野党席から大きな割れんばかりの拍手が鳴り響き、造反議員も野党席に向かってガッツポーズを取るなど、久しぶりに緊張感と臨場感溢れる本会議となりました。本来の法案採決はかくあるべしと感じた本会議でした。

特に、派閥の領袖クラスの造反はともかく(自分が無所属で当選させてもらっているから特別に注目していたのかもしれませんが)、自民党で反対票を投じた若手一回生議員の多くが無所属で勝ちあがった人達だったのは印象的でした。元々、党公認で選挙を戦っているわけではないので、最悪「厳しい処分(=次期総選挙での非公認)」を受けても独力で闘える、いや闘うと覚悟しての投票行動だったと思います。勇気ある行動として「敵ながらあっぱれ!」と称えさせてもらいます。

今の時代、将来の豊かな日本を築く為には、時には国民に耳の痛い事実を知らせたり、厳しいことをお願いしたりしなければならないこともあります。私は結構、ずばずば、言いたいことを言い続けている方ですが、その私が、今日の本会議で見た自民党若手議員の勇気ある行動に教えられること大でした。

郵政改革に関わる私の考えは次回以降に掲載させて戴きますが、取り急ぎ、本日の法案可決に際して思ったことを綴らせてもらいました。

吉良州司