麻生新総理の所信表明演説
皆さんこんにちは。
おととい27日には、いよいよ大分県で「チャレンジ!おおいた国体」の開会式が行われ、熱戦が展開されていますが、皆さんいかがお過ごしですか?
さて、先週24日には臨時国会が召集され、自民党総裁選で勝利した麻生太郎氏が首班指名選挙により正式に内閣総理大臣に指名されました。早々に組閣人事に着手し、麻生内閣がスタートしてからわずか5日で中山国土交通大臣が辞任にはさすがに与党も出鼻を挫かれた感はぬぐえません。
今回は、本日行われた政府2大演説(総理の所信表明演説、財務相の財政演説)のうち、就任後初の麻生総理大臣の所信表明演説についてお伝えしたいと思います。いうまでもなく、全閣僚出席のもと総理大臣が所信を述べ、与野党各党の代表者から代表質問を受けるわけですから、国会演説のなかでも非常に格調の高いものとされています。
まず、麻生総理大臣の演説は福田前総理の突然の辞任に対する混乱への陳謝と中山前国土交通大臣の発言についてのお詫びから始まりましたが、終始小沢一郎代表の座る方向を睨みつけながら、民主党席から沸き起こる“野次”をものともせずに、民主党に対し2008年度補正予算案などへの賛否や見解をただすという対決姿勢を全面に出したものでした。国会運営に関して、参院で主導権を握る民主党に対して「政局を第一義にし、国民生活を第二義、第三義にとする姿勢に終始した」と痛烈に批判しました。国会において合意形成のルールを打ち立てるべきだと提案し、民主党にその用意があるかと厳しく問いただしました。麻生総理大臣が一番語気を強めたのは、今臨時国会で審議するか焦点となっている補正予算審議に対して「補正予算の成立はまさしく焦眉の急。のめない点があるなら、論拠と共に代表質問でお示しいただきたい。ただし財源を明示してもらいます」と力強く述べたときでした。
また、総理は、政策課題として緊急の課題として日本経済の立て直しを挙げ、以前から麻生総理が繰り返し景気対策、中期的に財政再建、中長期的には改革による経済成長を挙げていました。「日本の経済は全治3年」という言葉を使い麻生カラーとして景気対策に注力していくという意気込みは感じられました。また、総合経済対策の柱の定額減税は今年度内に実施すると明言しました。
通常国会冒頭での施政方針演説、臨時国会冒頭での所信表明演説はどちらも総理と内閣の意思を表明するものですから、政策内容、言い回し、分量についても熟考されるものです。近年の総理の演説で鮮烈に私たちの記憶に残っているのは『痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経験にとらわれず、「恐れず、ひるまず、とらわれず」の姿勢を貫き21世紀にふさわしい経済・社会システムを確立していきたいと考えております。』と語った小泉元総理大臣の、2001年に行われた演説です。今期限りで引退する小泉元総理大臣から3人目の総理大臣となった麻生太郎氏の手腕を発揮するのはこれからですが、来月1日に行われる代表質問では小沢一郎代表が登壇し、麻生総理vs小沢代表の第1ラウンドとなります。
麻生代表の対決姿勢に対してどう臨むのか、国会での補正予算審議、或いは総選挙に直結するものですので、注目していきたいと思います。