吉良からのメッセージ

2016年4月2日

【外務委員会での質問 その1 食料自給率と食料安全保障】

みなさん、こんにちは。
吉良州司です。

ご無沙汰して申し訳ありません。

今日4月1日、外務委員会にて質問に立ちました。3月9日、3月16日に続いて3回目の質問です。

今回の質問では、大きく2点につき質問(否、持論を展開?(笑))しました。

ひとつは、食料安全保障問題、もうひとつは、インドネシアの新幹線プロジェクトです。

食料安全保障については、「食料自給率の実態」の説明と「農業分野についても、もっと市場開放すべきだ」という持論の展開をおこないました。以下、質問内容を踏まえての吉良州司の考えをお伝えします。

みなさんご存じでしょうか。
食料自給率の計算式は『<分子>(国産+輸出)供給カロリー/<分母>(国産+輸入―輸出)供給カロリー』となり、輸出も輸入もゼロなら、自給率は100%となります。

この結果、輸入するお金がない国々、たとえば、アフリカのザンビア159%、ルワンダ121%、南アジアのパキスタン117%、バングラディシュ104%と国内需要を満たせない国々の穀物自給率は100%を超えています。貧しい国々は輸入するお金がないために、計算式上、高い穀物自給率になります。

我が国は2011年段階では28%ですが、戦後の焼け野原の時代は輸入するお金がなかったために、食料自給率はほぼ100%でした。

一般的に国民はいざという時に食料自給率が低いままで大丈夫か、という漠然とした不安を持っています。このことに関して、平成22年に外務省に提出された「食料安全保障に関する研究会(座長:本間正義東大教授)」の報告書では、食料安全保障を「平時」と「有事」にわけて、それぞれの場合でどのような備えが必要か、各論に至るまで対応策が明記されています。

食料自給率の実態と食料安全保障に関わる対応策を国民に示すことで、食料・農産物の自由貿易化促進についての不安を解消していく必要があると思います。

面白いのは、豊かな国で食料の輸出が多い国は輸入も多くなっています。世界最大の食料輸出国である米国は世界最大の食料輸入国でもあります。
つまり、市場経済下の先進国は比較優位農産物を輸出し、劣位農産物を輸入して経済合理的便益を得ていて、輸入を通して国民の食生活を豊かにしているのです。

このように、我が国の農業もひたすら保護に走るのではなく、農産物についても比較優位論を前提に自由貿易を推進することが、国民の食生活を豊かにすることにつながるのです。自民党を支援する「業界」とは、ほとんどがモノやサービスを「生産、供給する立場」の会社や人々ですので、消費者や生活者の立場より、供給者である農業生産者を優先する政策を採用しがちです。
生活者、消費者の立場にたつと、農産物についての自由貿易による食生活の向上は歓迎すべき政策となります。

一方、私も日本農業を守ること、農家を守ることは極めて重要であると考えており、そのことも質問の中で強調しました。関税などはできるだけ撤廃して、消費者負担を軽減する。その一方で、諸外国でもやっている直接支払を充実させることで、日本の農業や農家を守る。
つまり、農業や農家の守り方を消費者負担から納税者負担に変えていくことで、輸出企業、消費者、農業者の3者ともがメリットを得ていくことが重要だと思います。
(広報誌13号の「TPPの農業の保護の部分」をご参照願います)。

2点目のインドネシア新幹線プロジェクトについての見解については次回お伝えします。

吉良州司