予算員会にて岸田総理に「政治と金」問題を質しました
昨日(2月7日)、テレビ入りではありませんでしたが、岸田総理はじめ全閣僚が出席する予算委員会において、私にとっては生まれて初めての追及的質問ですが、「政治と金」問題について岸田総理に質しました。
以下は、そのほぼ全容です。
昨日維新の青柳議員が素晴らしい質問をしていて、その論点と問題意識、解決の方向性は私が考えるものとほぼ同じです。それゆえ、重複を避けながら、持論を展開の上、最後に総理の見解を求めます。
昨日、我が派の北神圭朗議員が信号機の例を引いたように、総理が打ち出している「派閥解消」は論理のすり替えに過ぎません。
加えて「透明性を高める、罰則を強化」する方策も私に言わせれば小手先対策であり、根本解決策たりえません。
根本解決策はパーティー券購入を含む企業団体献金の全面禁止しかありません。
自民党政権は業界からお金と票を出してもらう見返りに、業界が要望する予算を配分し、業界が要望する法律制定をする政権です。このお金で結ばれた利権構造である「業界主権政治」こそが日本の政治をゆがめる悪の権化であり、この悪の権化を追放しない限り日本の再生はありえません。
派閥解消など何の意味もなく、いずれ必ず形骸化します。何故なら、自民党政権下では自民党総裁が総理大臣になるわけですから、自分が敬愛する派閥の領袖を総理にして、自分もその政権で重要な役割を担って国家に貢献したいという思いを持つことは極めて自然だからです。
派閥は残しても構わない。しかし、パーティー券購入を含む企業団体献金の全面禁止を制度化すべきです。
岸田総理は「民主主義のコスト云々」という答弁を繰り返していましたが、何が何でも企業団体献金だけは残したいがための理屈でしかなく、野党に対しても一般国民に対しても全く説得力がありません。
さて、よく、「政治にはお金がかかる」という議員、学者、評論家がいます。しかし、政策立案、識者・官僚等との意見交換や勉強、国会や党内での議論等、政治家の本来任務にお金はかかりません。「次回選挙の当選確率を高めるための活動にお金をかけている」だけの話です。
私は初当選から20年、議員在籍18年になりますが、一度も政治資金パーティーを開催したことがありません。10周年記念パーティーなどもやっていません。私自身も秘書も、事務所も資金集め営業を一度もしたことがありません。今は無所属ですので、政党交付金にもありつけません。立法事務費の一部と旧文通費だけで日常活動をし、選挙を戦います。
自民党的感覚からすると絶滅危惧種のような議員だと思います。だからこそ、「政治にお金はかからない」という私の説明には、自分で言うのもなんですが説得力があります。
私のみならず多くの野党系議員はこのように竹やりでF35と戦っているんです。一般国民も収入の範囲内で歯を食いしばりながら生活しているのです。
自慢のような自虐のような話をしたのは、我が国が真の民主主義国家といえるのか甚だ疑問だと思っているからです。国民にとって、政治にとって、また、政策立案の際に、最も大切なことは「公平性の担保」です。
しかし、国家制度の根幹である日本の民主主義は公平性からほど遠いものとなっています。「イコールフッティング(競争の同等条件)」という言葉がありますが、民主主義下の日常活動と選挙において、与野党間の競争の同等条件には余りにも大きな違いがあります。
まず、得られるお金の額が二桁三桁違います。この違いは地元秘書の数の差に直結します。そして、業界総動員での自民党支援。また、常に自民党に有利なタイミングで実施される総選挙。更には100m走で言えば50m先80m先からスタートする世襲議員だらけの現職議員や候補者、などなど、競争の同等条件、公平性からこれほど大きく逸脱、乖離する仕組みが存在する国は、自民党が批判する強権国家以外にはないと思います。ロシア大統領選挙を笑えません。
我が国を公平性が担保された真の民主主義国家にし、更には、失われた30年、長期に亘る国力の低迷から反転攻勢して国力を再生させるためには、「業界主権政治」を「生活者主権政治」に大変革する必要があります。その第一歩がパーティー券購入を含む企業団体献金の全面禁止です。時間の関係で生活者主権政治の詳細を語れないのが残念ですが、「業界主権政治」から「生活者主権政治」への大転換、そして、その第一歩としてのパーティー券購入を含む企業団体献金の全面禁止について、イコールフッティング、公平性の観点から総理の見解を求めます。
また、アベノミクスの評価と岸田総理の新しい資本主義はアベノミクスを継承しているのか、についても短く質問しました。
岸田総理の答弁は常に説得力のないものですから、短い持ち時間はほとんど、持論展開に使っています。
昨日の政治と金についての岸田総理答弁も「企業団体献金の在り方については、民主主義コストを社会全体でどのように負担していくのか、こうした観点を踏まえつつ、各党各会派における真摯な議論を経て結論を得ていく問題であると考えます。自民党においても、真摯に議論に貢献いたします。」といった味気ないものでした。また、アベノミクスに対する評価については、「アベノミクスはデフレでない状況をつくり、GDPを拡大し、企業収益を拡大し、そして雇用を増進したと認識しています。それを、私の政権において新しい資本主義ということ で、より経済を活性化する方向に効果を拡大していきたいと思っています。」という説得力のない答弁でした。私はアベノミクスの成果は全くなかったことを提出資料のデータ(下記)に基づいて反論したかったのですが、時間切れとなってしまいましたので、一言だけ「アベノミクスは日本経済に何のメリットももたらさなかった」と切りかえして質問を終わりました。
以上、予算委員会質問の報告メルマガです。
吉良州司