自民党総裁選挙・石破茂新総裁選出に思う
自民党総裁選挙の結果は、巷の予想を覆して石破茂新総裁が選出されました。
つい先程、ある会合の挨拶の中で私は、「自分の選挙や野党陣営の選挙を考えると高市総理の方が戦いやすかったと思いますが、日本のことを考えると石破さんでよかったと思います」と述べたばかりです。
実は、第1回投票において党員党友票で高市さんの票が石破さんのそれを上回ったのを見た時私は高市さんが選出されると思いました。党員党友票でトップに立つことが石破さん勝利の絶対条件と思っていたからです。議員票の重みが増す決選投票を考えると、わずか1票の差であっても1番と2番では雲泥の差があるからです。
しかし、決選投票前の二人の演説を聴いた時、今度は石破さんが勝つと思いました。
その理由です。
まず、高市さんの演説は全く心に響きませんでした。しかも、「もう勝った」、「自分を総裁にしてくれてありがとうございます」と言わんばかりの、甚だ勘違いした内容でした。
一方、石破さんの演説は、党員党友票でトップに立てなかったこともあり、追いかける立場として、必死で有権者である衆参議員に訴えかけていました。特に「地方を守る」という訴えは地方選出議員の心に響いたのだろうと思います。結果論の域を出ませんが、石破さんの総裁選の第一声が地元の神社前だったことが「地方を守る」という訴えの説得力を増したのだと思います。
実は、石破さんからは、私の予算委員会での質問や超党派議連で発言する度に「吉良さんの指摘や提案に共感します」との暖かい言葉をもらい続けていました。それゆえ、石破自民党と戦うことは、やりにくい面もあります。
しかし、日本をいい方向へと舵取りしてもらいたいという期待をする一方、「表紙が変わっても、金権体質、生活者の暮らしを犠牲にしてまでも政治献金とパーティー券を購入してくれる業界を優先してしまう体質、庶民の生活が肌感覚でわからない世襲議員だらけの世襲体質という自民党の根本体質にメスが入れられない限り、自民党は変わらない」との思いも強く持っています。
「敵は本能寺」ではありませんが、「敵は自民党体質にあり」という思いで、石破自民党政権に挑んでいきます。
吉良州司
