活動報告

2016年10月26日 外務委員会 ~地政学的外交戦略について~

吉良州司の真骨頂ともいえる質問。地政学的視点での外交方針、外交戦略について岸田外相に質問。中国の一帯一路政策と上海協力機構の創設・拡大はユーラシア大陸全体をカバーする「陸の帝国」構想ともいえる。一方、TPPは自由な貿易投資を旗印とした環太平洋の有力諸国が参加する「海の帝国」ともいえる枠組み。世界経済と密接にリンクする日本経済は、世界経済が繁栄してこそ活力を持つ。中国の上海協力機構に対抗しうると同時に、日本経済の発展に繋がるTPPを地政学的観点からも推進すべき、と訴えました。

○三ッ矢委員長 次に、吉良州司君。

○吉良委員 おはようございます。吉良州司でございます。
これから質問させてもらう内容は、吉良州司、議員としての個人の責任で行う質問であり、党を代表するものではないことをまずお断りした上で質問をさせていただきます。
きょうは、特に地政学的な視点を盛り込んだ外交方針、外交戦略について、質問をさせてもらいたいと思います。
きのうからフィリピンのドゥテルテ大統領が来日されています。岸田大臣も既にお会いになったようですが、聞くところでは大変な親日家ということもあって、今回のドゥテルテ大統領の訪日が建設的な、極めて有意義な訪問になることを望んでやみません。
我が国が南シナ海及び米国との関係についてフィリピン大統領に主張することは明確であろうと思いますので、その内容については私自身も強く支持をしたいと思います。
一方、ドゥテルテ大統領は日本に来る前に中国を訪問しました。その際、少し気になることとして、南シナ海に関する国際仲裁裁判の判決を事実上棚上げするような合意をしたかに見られること、また、米国と決別するというような発言をしていることです。
このドゥテルテ大統領の中国における発言について、大臣としてどう受けとめておられるのか、まずそれをお聞きしたいと思います。

○岸田国務大臣 南シナ海の問題は、我が国にとりましても死活的な、海上輸送シーレーンにかかわる問題でありますし、地域あるいは国際社会にとりましてもこれは共通の課題であると認識をいたします。法の支配に基づいて平和的に問題が解決されること、力による現状変更を許してはならないということ、こういった観点から、これは国際社会全体の問題として捉えるべきであるということを訴えてきております。
そして、私も8月にフィリピンを訪問した際に、ドゥテルテ大統領とヤサイ外相との間において、海における法の支配の重要性ということについては一致をして帰りました。基本的な考え方においては、日本とフィリピンは一致をしていると考えます。

○吉良委員 大臣がおっしゃった基本的な考え方というものは明確だと私自身も申し上げました。それをフィリピンと共有したいということも十分わかりますので、ぜひそれはお願いしたいと思います。私が今聞いた、大臣がどう受けとめておられるかということで、私自身が期待した答弁は、仲裁裁判についても、フィリピンに有利な、または法の支配というものを重視する国々にとって非常に有利な判決がなされたにもかかわらず、中国に対して、当事国であるフィリピンそのものが近寄っていって、南シナ海問題を棚上げしたととられかねない状況をつくり出している。その背景に何があるのか、このことについてお聞きしたかったんです。
それは、東南アジア諸国を初めとして、中国の力、中国が見せつける経済支援の力、これによって、いろいろな正義というものがあろうけれども、花よりだんごじゃないですが、中国の力や経済的な支援にぐっと引き寄せられていってしまうこと。これが今の、残念ながら、海も含めて中国と国境を接する国々の対応ではないか。そういう問題意識を持っているんです。
今日、私が質問をしようとしたいいタイミングで今朝の読売新聞の朝刊に、「一帯一路構想加速」という見出しで、シルクロード構想、海のシルクロード構想が加速しているという記事がありました。そんなに長いものではないので、さっと読ませていただきます。
『「一帯一路」は各地で動き出している。9月には英国で中国出資の原発事業が承認されたほか、中国が設立したシルクロード基金や中国主導のアジアインフラ投資銀行を通じ、パキスタンなどでインフラ事業への融資が決まった。経済が減速する中国は「一帯一路」で成長市場を取り込み、余剰な生産力を海外に向ける思惑だ。インドネシアでは高速鉄道を受注後、中国資本が流入し、中国の直接投資が前年同期比6.3倍と急拡大した。エコノミストのエリック・スガンディ氏は「中国は受注第一で安全性などは二の次だが、中国投資はどの国にも魅力的」と指摘。安全性や信頼が売りの日本は、インフラ受注競争で今後も苦戦を強いられると予想する。』こういう記事でした。
大臣もお気づきのとおり、安全性などは二の次だが中国投資はどの国にも魅力的。ドゥテルテ大統領の訪中時のことも含め、これが実態ではないかと思っています。
そういう中で、中国は具体的に、上海協力機構という枠組みを設立し、その加盟国メンバーを拡大しています。そしてそれは、経済的な構想でもある一帯一路構想とも密接に結びついています。上海協力機構は我が国にとってはどういう存在なのかについてお聞きしたいと思います。

○岸田国務大臣 上海協力機構ですが、加盟国6カ国で構成される機構であり、6カ国の間の相互信頼、友好関係、善隣友好の強化、テロ、急進主義等への共同対処、あるいは政治、貿易、経済、防衛等の分野における地域協力の推進、こうしたものを目的として1996年に設立されたものであると承知をしておりますが、こうした中国の動き、先ほど御指摘がありました一帯一路構想あるいはAIIB構想、こうしたものと相まって、中国の動きとして注目を集めています。
我が国の受けとめ方ですが、こうした中国の動き、国際的なルールですとか法の支配を尊重した上で平和的に発展をしていく、こういったことであるならば、これは日本にとっても大きなチャンスであり、国際社会にとっても歓迎すべきことであると考えます。そうした観点から、御指摘のような動きについても今後とも注視をしていかなければならない、このように考えます。

○吉良委員 では、もうちょっと違う視点で質問しますが、上海協力機構の地政学的な意味、意義というものはどう見ておられますか。

○岸田国務大臣 上海協力機構ですが、加盟国は中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンですので、地政学的に、言うならばユーラシア大陸をカバーする形で、先ほど申し上げました目的のもとに協力を進めていく、こうした枠組みであると認識をいたします。

○吉良委員 委員の皆さんにお配りしている資料をごらんいただきたいと思います。
これは、今大臣が指摘したとおり、上海協力機構の加盟国、それからオブザーバー国、さらには対話パートナー(オブザーバー国の中でも、インド、パキスタンは既に加盟を決めている)、それをこのように図にしてみますと、ユーラシア大陸をほぼ覆うような機構になっています。まさに蒙古帝国の再来と言えるようなものです。
これを中国主導でやっている。しかも、大臣が御指摘のとおり、それを経済的にも、AIIBですとか、シルクロード基金等で金融的にも後押しをしている。責任ある大国として中国、そしてその関係国がルールにのっとった形でこの機構が運営されていくのであれば、もちろんそれはいいことですが、現時点の中国は必ずしもそうなっていないがゆえに、南シナ海でも東シナ海でもいろいろな問題を抱えている。
そういう中で、このユーラシア大陸を覆うような、地政学的な新たな枠組みをつくっている。中国を中心としたこの機構に対して、我が国として地政学的にどういう対応をしようとしているのか。第1次安倍内閣の麻生外相の時に「自由と繁栄の孤」という構想がありましたが、地政学も念頭に入れた戦略的対応というのはいかがなものなのか。それをお聞きしたいと思います。

○岸田国務大臣 上海協力機構の取り組み、中国の取り組みについてお話をいただきましたが、ユーラシア地域に対する我が国の取り組みもさまざまな形で続けられています。
例えば、アジアと欧州を結ぶユーラシアの中心部の地政学的な重要性を持つ中央アジア諸国との関係においても、中央アジア・プラス日本という枠組みを設けています。こうした枠組みにおいて対話を続けているわけですし、2015年10月、安倍総理の中央アジア5カ国訪問、こうしたハイレベルの交流も続けています。そして、この地域にはインド、ロシアなども入るわけですから、それぞれとの関係についても取組みを続けているわけです。
この地域における地政学上の重要性を考えながら、我が国として、国益に資する形でこの地域とのかかわりを進めているというのが我が国の立場であると認識をいたします。

○吉良委員 確かに、中央アジア・プラス日本という構想は、川口大臣のころ始まったと思いますが、その動き、そしてインドとの非常に強い協力推進、このようなことは、地政学的に上海協力機構に対抗し得るものだと思っています。
一方、2016年の6月に、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムで、これから北方領土交渉を迎えるプーチン大統領が大ユーラシアパートナーシップ構想というものを打ち上げて、そして、中国の一帯一路、シルクロード経済構想とユーラシア経済連合の統合というものを発表しています。
日本の今後の北方領土交渉で一番難しいのは、日本の独自の国益と日米関係、これをどうバランスをとりながら進めていくかだと思いますが、少なくともこの大ユーラシア構想においては、プーチン大統領はやはりアメリカに対抗するという目的も持ちながらの構想だと思っています。
TPPという枠組みは、ユーラシア構想のような陸の帝国に対する海の帝国と位置づけられます。といっても、どこが支配権を持つというようなことではなく、貿易や投資、人の動きなど、自由を尊重する国々の集まりとしての海の帝国として位置づけできます。
そういう意味で、お配りした資料を見ていただき、上海協力機構という陸の帝国に対する海の帝国という地政学的観点からもTPPを推進していくべきだと思います。
そのTPPについて、世界経済と日本経済とTPP、この三つの関係について、TPPが日本経済に及ぼす影響、そして世界経済に及ぼす影響について、簡潔に答えていただければと思います。

○岸田国務大臣 まず、TPP協定ですが、21世紀型の新たな共通ルールをアジア太平洋においてつくり上げて、自由で公正な一つの経済圏を構築する試みであると認識をしています。今日まで貿易等において国を繁栄させてきた、また海洋国家である我が国にとりまして、こうした地域における経済ルールづくりをリードしていくということは大変重要なことであると認識をしています。
そして、このことは、国際社会においてGDPの4割を占める大きな経済圏をつくるわけでありますから、国際社会の繁栄、安定においても大変重要な役割であります。こうしたTPP協定は、それ以外の経済連携の枠組み、RCEPですとか日中韓FTAですとか、こうした経済連携の議論にもよい刺激と弾みを与えるのではないか、このように考えます。
こうした経済的な意味合いに加えて、先ほど来委員の方からもございました戦略的な意義合いもTPP協定は持っているということを認識しながら早期発効に向けて努力を続けている次第であります。

○吉良委員 そのことももう少しやり取りしたかったんですが、南米のことも質問したいので、TPPと日本経済、世界経済について、私の方から簡単に説明します。
資料の二ページ目をぜひ委員の皆さんも見ていただきたいと思います。
これは、世界、それから先進国の集まりであるOECD、それから新興国の集まりであるBRICS、そしてASEAN、また個別の国として我が国、米国、中国の実質GDPの成長率の推移をあらわした図です。
これを見て一目瞭然だと思いますが、日本経済はほとんど世界とリンクしています。今や日本だけではありません、今言ったOECDもBRICSも米国も、ほとんどが世界とリンクしている。これが実態であります。
小泉・竹中政権のときに好景気を戦後一番長く維持したと言われておりますが、これを見ておわかりのように、2001年ぐらいからリーマンの手前までは世界全体が伸びています。日本も伸びている。その後、リーマンで、我が国のみならず世界中が落ち込んでいる。リーマンショック時は、我が国としてマーケットを突然失ったようなもので、世界の中で一番大きなマイナスの影響を受けてしまっている。これが実情です。
本当は、アベノミクス批判を山のようにしたいんですが、ここは財務委員会じゃないので、ごく簡単に指摘しておきます。今の時代は人的投資が重要です。日本の経済政策、金融政策が一国完結する時代はとっくの昔に終わっていますので、将来的なリスクのある政策を幾ら打っても日本はよくならない。それよりも、この図を見て明らかなように、我が国の経済をよくするには、周りの経済、世界の経済をよくしていくしかない。我が国が経済的に繁栄する一番の近道なんです。
そういう意味で、世界のGDPの4割を持つ国々が集まって新たな経済的な枠組みをつくるTPPは、世界とリンクしたわが国経済を発展させる、という意味でも非常に重要だと申し上げたい。
もう一点。米国大統領候補二人が反対をしているから、日本が先行して批准する意味がないという議論があります。私自身はそうは思いません。
世界の中で、江戸時代のように鎖国をしても生きていける国が二つあると言われています。一つは米国です。もう一つはアルゼンチンです。鎖国をしても生きていける国は他国と関らないでも生きていけます。しかし、我が国は戦後、自由な貿易・投資のメリットを一番多く受けた国であり、今後も受けていかなければいけない。そういう国がまず、米国や他の国がいかであれ、我が国が一番メリットを受ける国として先鞭をつけることが重要だと申し上げます。
次に、もう少し戦略的な観点から、話を今度は南米に移していきたいと思います。
大臣、ニューヨークからアルゼンチン・ブエノスアイレスに飛行機で行くときのちょうど中間点はどこか御存じですか。

○岸田国務大臣 済みません。突然の御質問なので、急に思い当たりません。

○吉良委員 世界地図が頭に浮かんでくる人でも、大概の人はキューバだとかドミニカだとか、人によってはマイアミだとか、そういう解答をする人が多いんです。答えはコロンビアのボゴタなんです。それだけ南米大陸は長いのですが、地政学的に米州のど真ん中のへそに位置するのがコロンビアです。
もう一つ、米国が現地採用の大使館員ではなく、本国からの外交官を一番多く送り出している国はどこか御存じでしょうか。

○岸田国務大臣 幾つか三百名規模の外交官を送り出している国があるということでありますが、コロンビアもその一つだというメモが今回ってまいりました。

○吉良委員 今度ノーベル平和賞をもらったサントス大統領が初めて当選されて大統領になったときに、私は特派大使として大統領就任式に出させてもらいました。その当時の日本の駐箚大使から聞いた話では、今私が質問した最大の国はコロンビアでした。米国にとってコロンビアがいかに重要な国であるかということがわかると思います。
あと、もう一点、世界で一番原油の確認埋蔵量の多い国はどこか御存じですか。

○岸田国務大臣 ベネズエラでございます。

○吉良委員 その通りです。資料の三ページ目に、世界の国別原油・天然ガスの生産量・確認埋蔵量を添付させてもらっていますが、埋蔵量世界一はサウジアラビアだと思っている人が多いのではないでしょうか。しかし、答えはベネズエラです。そのベネズエラの隣にあるのがコロンビアです。
今回のノーベル平和賞がコロンビアのサントス大統領に贈られたということについての大臣の感想、評価を簡潔にお伺いしたいと思います。

○岸田国務大臣 コロンビアにおいては、半世紀にわたり、国内において紛争が続いてきました。その中にありまして、サントス大統領がこの和平に向けて大変な御努力をされてこられたことについて、心から敬意を表します。その評価がノーベル平和賞であったと認識をいたします。

○吉良委員 では、今、日本がコロンビアとの関係で重視していること、そして、日本外交としてコロンビアに対してどう向き合おうとしているのかについて、お伺いします。

○小田原大臣政務官 コロンビアは、豊富な天然資源や南米第二位の人口を有する潜在力の高い国であります。経済的にも、欧米との関係強化等、開放経済を推進しています。また、コロンビア革命軍との和平プロセスが進んでおり、国際的な注目も高まっております。
御指摘のとおり、アメリカはこうしたコロンビアとの関係を重視しまして、2012年にはコロンビアとのFTAも発効しています。今年2月にコロンビアのためのグローバル地雷除去イニシアチブを主導するなど、さまざまな協力を実施していると認識しております。我が国も、同イニシアチブに参加し、米国と連携をしてコロンビア支援を実施しているところです。
我が国としては、コロンビアの和平プロセスを引き続き支援するとともに、同国のさらなる経済発展に資する形で、今後も地雷除去支援、日・コロンビアEPA交渉の推進などを通じて、二国関係を強化してまいる所存であります。

○吉良委員 その自由貿易、自由経済を重視するコロンビアが加盟をしている太平洋同盟という枠組みがあります。この太平洋同盟と日本とのかかわりがどうなのか、簡潔にお答えいただければと思います。

○小田原大臣政務官 太平洋同盟は中南米の主要な太平洋沿岸諸国により構成をされております。太平洋同盟のGDPは、中南米全体の38%、貿易額の約50%です。我が国と太平洋同盟諸国との貿易額は、我が国の対中南米全体の貿易額の7割。
2012年6月に、加盟国間の物、サービス、資本及び人の自由な移動を目標とした枠組み協定が署名をされ2015年7月に発効、貿易品目92%の即時関税撤廃などを内容とする協定附属書も2016年5月1日に発効しています。

○吉良委員 その太平洋同盟の中で、メキシコ、ペルー、チリ、これらの国々は、APEC加盟国でもあり、かつTPP加盟国です。コロンビアだけが今入っていないという状況ですが、これは何か理由があるんでしょうか。

○高瀬政府参考人 今委員御指摘のとおり、コロンビアはTPPにもAPECにも入っておりません。特段私どもも詳しい事情は存じ上げませんが、TPPにつきましては、APEC参加国の中から交渉が始まっていると承知しています。

○吉良委員 私も明確な理由を実は知りません。ただ、コロンビアの重要性は米国が本国の外交官を一番多く送り込んでいるということにもあらわれていると思うんです。
この意味合いは、地政学的に米州の重心であるということ。それから、隣には反米色を明確にしたベネズエラのチャベス政権があった。そして、南には反米政権のボリビアがいる。隣のエクアドルのコレア政権は、今言った国々ほど激しくはないですが、親ベネズエラ・反米という状況。そして、キューバも最近でこそ雪解けがはじまりましたが、反米国家でした。その状況に加え、これまで反政府勢力FARCとの内戦がずっと続いていたコロンビアまでもが反米化すると、非常に大きな米州内リスクを抱えてしまう。また、ゲリラ組織の資金源にもなっていた麻薬がメキシコ、アメリカに流入していた。これらが、米国が一番多く本国外交官を送り出していた理由ではないかと思っています。
そういう意味で、今回、和平合意がなされたこと、そして、ベネズエラについても後継政権ではありますけれどもチャベスそのものの政権ではなくなったこと、もろもろ、コロンビアをAPECとTPPに迎え入れてもいい状況になりつつあると思っています。
南米第二の人口を誇り、太平洋にも大西洋にも面していて、鉱物資源にも恵まれ、そして貿易・投資という自由経済を志向するコロンビアがここに入っていないことには違和感を感じます。
日本が中心になってコロンビアをAPECとTPPに迎え入れるように日本外交として努力していただきたいと思いますが、如何ですか。

○小田原大臣政務官 我が国としては、太平洋同盟の重要な一員であるコロンビアとの経済関係を重視しており、現在、日・コロンビアEPAの早期締結に向けて精力的に交渉に取り組んでいます。他方、TPPは、21世紀型の高いレベルの貿易・投資ルールを構築するものであり、今後の経済連携のスタンダードとして、アジア太平洋地域に参加国・地域が広がっていくことを想定しています。コロンビアがTPPの高い水準を満たしつつ参加することになれば、アジア太平洋地域の安定と繁栄に大きく寄与すると考えています。
APECへの新規参加については、現参加メンバーのコンセンサスが必要であるものの、我が国としては、APECへの参加を通じて地域の貿易・投資の自由化、円滑化に貢献しようとするコロンビアの意思を歓迎しているところです。

○吉良委員 もう時間が来ましたので、最後、言いっ放しで終わりたいと思います。私自身、日米同盟の強化、日米関係の強化というのは非常に重要だと思っています。ただ、ともすれば、日米関係というと、太平洋を挟んで、日米、米中、米韓など、どうしても太平洋だけのことを考えがちです。しかし、アメリカが、一番多くの外交官を送り込んでいるのがコロンビア。それだけ関心が高い。中国的に言うならば、核心的利益の国がコロンビアです。
その意味では、日米関係を強化するためにも、我が国としてコロンビアに対して深くコミットする。また、さっき言った我が国の将来的なエネルギー安全保障の観点からも、最大の原油埋蔵量を誇るベネズエラの隣に位置するコロンビアにコミットすべきだと思います。もちろんベナズエラ原油の質はちょっと重いのですぐには利用できないんですが、中東地域がいろいろな意味で不安定な中で、やはり南米にもエネルギー安全保障上の拠点をきちっと位置づけること、そして米国と一緒になってコロンビアのプロジェクトを推進すること自体が、間接的ながら、日米同盟・日米関係の強化につながると思います。そういう意味でコロンビアを重視していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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