主張・政策論

180回国会 衆議院予算委員会 28号

平成24年8月23日(木曜日)

 

○吉良委員

 

こんにちは。民主党の吉良州司でございます。

 

きょうは予算委員会の外交、安全保障の集中審議ということでございますので、尖閣そして竹島を中心に質問をさせていただきたいと思います。

 

その質問に先立って、先日、シリアにおいてとうとい命を落とされましたジャーナリストの山本美香さんに対して哀悼の意をささげたいと思っております。心から御冥福をお祈りいたします。

 

シリアといえば、南西部にゴラン高原があり、今もそのゴラン高原では自衛隊の皆さんが平和監視活動ということで輸送業務を行っております。そして、その任務がつい最近延長されたばかりであります。その判断に当たっては、現時点においてシリア情勢が自衛隊の活動の安全性を脅かすものではないという判断をしたと思っておりますし、私ども民主党の防衛部門会議でもそのことを了といたしました。それはそれとして、このシリアの南西部に位置するゴラン高原における自衛隊の活動の安全性については、政府におかれては、引き続いて細心の注意を払い、安全に万全を期していただきたいということを冒頭申し上げたいと思っております。

 

そして、そのPKO活動に関連して言わせてもらえば、今、日本は猛暑猛暑とみんなが猛暑でうなっている状況でありますけれども、ゴラン高原のみならず、世界で一番暑いと言われているアフリカ・ジブチを拠点にした海賊対処活動が行われている、ハイチにも行っている、また、ジブチと猛暑、灼熱の地という意味では一、二を争う南スーダンにも自衛隊の皆さんが行かれて活動しているということであります。

 

この際、国民の皆さんには、我が国日本において猛暑でまさにもだえ苦しんでいるときに、この日本よりもはるかに暑い灼熱の地で自衛隊の皆さんが、国際平和のため、そして日本の地位を高め、日本の国際社会における信頼を少しでもかち得るためにそういう灼熱の地で頑張っておられるということに、ぜひ、暑いと思ったときは思いをはせていただきたい、このように思っているところでございます。

 

きょうの集中審議において、先ほど言いましたように、尖閣、竹島問題を中心に質問させていただきたいと思っていますが、この後、野党からはいろいろな意味で厳しい質問が出てこようかというふうに思います。政権批判、集中してくる可能性もあると思っておりますけれども、私自身は、外交、安全保障というのは国家の生き残りをかけた、そして繁栄をかけた諸外国との、一方では協調、協力であり、そして一方では外交上の闘いである、このように思っています。

 

そういう、日本、国の生き残りと繁栄をかけた国家的対応については、党派を超えた協力体制をつくっていかなければいけないというのが私自身の持論でございます。私は、今与党になる、野党のときから至るところの挨拶で言わせてもらっていたのが、外交、安全保障については政権党と政権を担わんとする政党の間で大きな差異がある必要がない、ひたすら国益に向かって国のために協力すべきであるということを言い続けてまいりました。

 

その意味で、私どもも多少反省するところがあるとすれば、野党時代の私ども民主党は、ともすれば、自民政権、自公政権との違いを出したいと焦った部分もあったところもあるというふうに思っております。そういうところを反省しながら、今言った党派を超えた取り組みが必要であるということをまず冒頭申し述べたいというふうに思っています。

 

特に、民主党はとかくいろいろな見方をされるわけでありますけれども、五五年体制と言われるのは、与党と野党が、ある意味では外交、安全保障こそが対立軸であったというふうに思っていますけれども、私ども民主党は、野党のとき、また今与党になってからもでありますけれども、基本的な外交、安全保障の立場、日米同盟、日米関係を基軸とするということ等については、そういう意味では方向性は一緒だ、このように思っております。

 

その意味で、私自身は、冒頭、民主党政権も、今出ていますけれども、正直言って鳩山政権時代の普天間については反省すべきところ大だというふうに思っていますけれども、それを除けば、やるべきことをきちっとやっている、そして打つべき手もきちっと打っている、そういうふうに思っておりますので、その辺のところを、きょうの質問の中で総理そして閣僚の皆さんにお答えいただきながら、国民の皆さんにしっかりと理解をいただきたい、このように思っております。

 

そこで、野田総理、以上、私が申し上げた観点も踏まえていただいた上で、まさに尖閣そして竹島に代表される領土、領海、これを守っていくということについての総理の決意、そして基本方針について伺いたいと思います。

 

○野田内閣総理大臣 海洋国家である日本におきましては、遠方離島を含む領土、領海、これについては極めて重要であって、領土、領海をめぐって生じる事案については、不退転の決意を持って毅然とした対応をしていくこと、これが基本的な方針でございます。

 

これまでも、政府としては、領土、領海を守るために、排他的経済水域の根拠となる離島の命名など、離島の安定的な維持及び管理のための取り組みの推進をしてまいりました。また、海上保安庁の哨戒態勢の強化など、領海における警備体制の強化にも努めてまいりました。大陸棚の延長申請や竹島問題の国際司法裁判所への提訴の提案など、国際社会への正当性の発信などの取り組みも行ってきているところでございます。

 

今後も引き続き、警備体制の強化などを図るとともに、国際社会においてもさまざまな機会を通じて我が国の立場を積極的に主張するなどして、我が国の領土、領海を守るための取り組みを強力に推進していきたいと考えております。

 

○吉良委員 ありがとうございます。

 

国際社会に対しても積極的に発信をしていただく、非常に重要なことだというふうに思っています。その意味で、私自身が先ほど申し上げましたように、民主党もやるべきことをやっているということについて、一つは、先ほど冒頭申し上げましたように、海賊対処。これは自公政権のときに決めたことではありますけれども、私どもも、その重要性に鑑みて、海賊対処を継続ということを決定いたしましたし、PKOについては、これまでも出していましたが、ハイチそれから南スーダン等、新たに民主党政権になって派遣を決定したこともございます。

 

それから、この後防衛大臣にじっくり語っていただきたいと思っていますけれども、新防衛大綱の策定。これは、中国の台頭含めて大きく安全保障環境が変化するこの東アジアにおける我が国の防衛体制はいかにあるべきかということを、新しい視点を持って策定したものでございます。

 

これに加えて、防衛装備品の海外移転。特に平和目的、人道目的、例えば地雷が埋まっているというところに地雷を除去するための建機を、日本の技術がすぐれておりますので、それを提供する。それから、我が国を守るための防衛装備品、例えば戦闘機など、今、アメリカといえども、技術の進歩、それから費用が莫大になるということがあって、国際的な共同開発、そして共同生産が進んでいるという中にあって、私どもも、その国際共同開発・生産、これができるように官房長官のコメントを発出するといったように、結構、知る人ぞ知るという、民主党政権ならではの政策を次から次へと打ち出しているところでございます。

 

そういう意味で、この領土、領海保全について、今総理から不退転の決意を持って臨むという力強い言葉がありましたけれども、海外発信、対外発信、これは近隣諸国のみならず、世界に向かって発信をしていただきたい、このように思っております。

 

その上で、これまで取り組んできた具体的な内容について今総理から説明がございましたけれども、今後の取り組みについての基本方針について、総理または関係閣僚から説明をいただければと思います。

 

○藤村国務大臣 今後の取り組みという御質問でありました。

 

これまでの取り組みについて、先ほど総理からお話しをいただいたところであります。そして、今後も引き続き、警備体制の強化等を図るとともに、やはり国際社会においても、我々、さまざまな機会を通じて我が国の立場を積極的に主張していくなど、我が国の領土、領海を守るための取り組みを強力に推進していく、このように考えているところであります。

 

○吉良委員 ありがとうございます。

 

さて、尖閣事案について質問させていただきます。

 

今次の尖閣事案については、政府内部で、官邸、外務省、警察、海保を中心に、私自身は、極めて冷静かつ組織立った対応をされたということで、高く評価しております。

 

そして、この背景には、香港の活動家らが尖閣の上陸を計画しているという情報を入手してから、外務省を中心として、香港、北京政府そして台湾、米国等と水面下で情報交換をしながら、何とかそれを阻止する、また、それでも強行してきた場合の対応について、いろいろな意味で周到な準備をされた結果だろうというふうに思っていますけれども、今回の尖閣事案に対しての基本的な政府としての方針、どういう方針で臨んだのかということを玄葉外務大臣に。

 

○玄葉国務大臣 尖閣の事案全体となると内閣全体ということだと思いますけれども、私の所掌の範囲で申し上げれば、尖閣諸島は、もう言うまでもないことでありますが、我が国固有の領土、国際法的にも歴史上も疑いのないところで、領有権の問題そのものがまず存在しないということを改めて申し上げたいというふうに思います。

 

ただ、結果として、香港の活動家が出航した。我が国の領海に入らないように累次の申し入れをしてきましたが、不法に上陸をしてしまった。このことはやはり遺憾と言わざるを得ないというふうに思っています。これは起きた後も、中国側には伝えておりましたけれども、当然ながら、国内法に従って粛々と厳正に対処しますよということは伝えてきているところであります。

 

また、上陸をした後の抗議も大事なんですが、その後の再発防止というのがこれからまた大事になるだろうということを考えておりまして、当然、そのことも既にハイレベルで申し入れをし、しっかりと意思疎通を図っていかなければならないというふうに考えているところであります。

 

先ほど吉良委員が、例えば台湾とか香港などと、あるいは中国と、水面下でいろいろ、来ないようにとか、やりとりしていたんだろうということでございますけれども、よく聞かれる質問に、香港の活動家と中国当局との関係ということがございます。これは、確固たる事実に基づかずに推測するというわけにはいきません、さまざまな分析は可能なんですけれども。

 

ただ、あえて一言だけ言えば、香港活動家の所属する委員会のホームページにこのように出ているんですね。つまりは、当初、香港の活動家は香港に駐留する中国海軍による護衛航行を求めていたと。今回の出航に際し、中国海軍の護衛は結果として確認されていないというのは御存じのとおりということでございます。あわせて申し上げれば、合流を目指していた中国本土の活動家グループ、これらは今回は船舶が手配できずに合流できなかったということでございます。

 

言うまでもなく、我々は、事前に中国側にも申し入れをいたしましたけれども、香港側にも台湾側にもさまざまな申し入れを行ってきたということはあわせて申し上げておきたいと思います。

 

○吉良委員 ありがとうございます。

 

外務大臣からも改めて明確な答弁がございましたけれども、尖閣はもう紛れもなく我が国の固有の領土であって、そういう意味では我々は一ミリたりとも譲歩してはならない、これが基本的な立場、一方で、国益を損ねてしまうような過度な緊張、過度な摩擦というのも避けていかなければいけない、挑発をしてはいけない。常に国益を念頭に置きながら、国益の最大化を目指して、それでいて一ミリたりとも譲歩をしてはならない。

 

このまさに綱渡りというか、糸の上を渡っていくような芸当を、政府として、外交としてやっていかなければならないということでありますけれども、今回の対応はそういう意味では、一歩も譲歩してはいない、一ミリたりとも譲歩してはいない、一方で、きちっと申し入れをして、残念ながら、今説明ありましたように上陸はさせてしまったけれども、結果的にはエスカレートした状況にはなっていない。そういう意味で、冒頭にも申し上げましたけれども、冷静な対応、組織立った対応について改めて高く評価をさせていただきたい、このように思っております。

 

再発防止についての取り組みについても伺いました。その中で、私、今、政府の対応を高く評価したわけでございますけれども、一点だけ腑に落ちないことがございます。それは、この尖閣の事案に対応すべく関係閣僚会議が開催されたと承知しておりますが、その関係閣僚会議に防衛大臣が参加をしていない。このことについては私自身も、与党の立場ではありますけれども、問題意識を持っております。

 

想像もつくわけでありますけれども、官房長官、なぜ防衛大臣が参加しなかったのか、この点について説明をいただきたいと思います。

 

○藤村国務大臣 関係閣僚会合というのを十七日に開いています。これは、尖閣諸島不法上陸事案に関する関係閣僚会議、こういう名称であります。ここには、内閣総理大臣、副総理、法務大臣、外務大臣、国土交通大臣、そして国家公安委員長と私、官房長官が出席をして行われたところであります。

 

今、なぜ防衛大臣がという御質問でありますが、本件、冷静に見ていただくと、これは海上保安庁及び警察による通常の法執行活動の一環の対応、そのように捉えていて、そういう判断のもとで、今の関係閣僚で十七日に会議を開いたということであります。そして、その際にも、この種事案が発生した場合、関係閣僚会議を今後も開催するということは確認されていますが、今後もそれぞれの事案に応じて必要な閣僚を参加させるということで、これが固定化した今のメンバーということではないということだけは申し添えたいと思います。

 

○吉良委員 私の方からも申し上げましたように、例えば挑発してはならない、過度に刺激してはならないという要素もありますので、そういう意味で、今回は主として海保の対応ということで、防衛大臣まではいいという判断だったんだろうと想像いたしますけれども、一方で、これは危機管理の問題だというふうに思っています。そして、危機管理という点からいくと、実は防衛大綱の中にもある、今後、日本版の国家安全保障会議の創設ということをにらめば、私は、防衛大臣も参加させるべきであったと思うし、今後開かれる場合には参加させるべきではないかということをあえて申し上げさせていただきたいと思います。

 

防衛大綱の中でこういう文章がございます。「安全保障会議を含む、安全保障に関する内閣の組織・機能・体制等を検証した上で、首相官邸に国家安全保障に関し関係閣僚間の政策調整と内閣総理大臣への助言等を行う組織を設置する。」これは、明らかにNSC、国家安全保障会議のことを言っているんだというふうに思います。新防衛大綱の中でこのことをきちっと明記している。

 

そして、実は今、私ども民主党の政策調査会の中でもこのNSCの創設について議論をしている真っ最中でございます。まだ最終的な結論を得るに至っていない、途上ではございますけれども、ただし、その中でも、NSCのコアメンバーとなるべきメンバーは、総理はもちろんです、総理、官房長官はもちろんですけれども、外務大臣、防衛大臣はコアメンバーとしてメンバーの中に入れるというのが基本的な、今、党で議論をしている中身であります、一部披露でございますけれども。

 

そういう意味で、これも、今回こういう形でおさまりましたけれども、危機管理という観点から考えると、将来的なNSCを見越した上で、関係閣僚会合の中にぜひ防衛大臣を入れていただきたいと思っております。

 

もし官房長官の方で御意見があれば、答弁いただきたいと思います。

 

○藤村国務大臣 吉良委員、今言っていただきましたように、与党民主党の中でも、これはインテリジェンス・NSCワーキングチームということで、既に中間的には私も御説明をいただいたところでございました。そして、それはさっき、防衛大綱、二十三年度以降の中の、書いてあるところも読んでいただきました。

 

我々としまして、政府といたしまして、今、国民の生命や財産、そして我が国の主権を守るということが最も重要な義務、責務であり、政府として引き続き全力を尽くしていく、こういう所存であります。このような我が国の安全保障上の取り組みに際して、官邸が司令塔として適切に機能すること、これが重要であるとも考えています。

 

こういう観点から、現在、防衛大綱、先ほど読んでいただきました部分も含めて、私を長とする国家安全保障に関する内閣機能強化のための検討チームというものを設けて、これを中心にして今検討を進めているところでありますので、今の御意見も踏まえながら、あるいは与党の報告もまた近々に出していただくのかもしれませんが、それらを踏まえてしっかりと取り組んでいきたい、このように考えております。

 

○吉良委員 ありがとうございます。

 

党としても、NSCのあるべき姿、早急にまとめたいというふうに思っておりますけれども、その際にはまた政府に提案をさせていただきたいと思っていますし、くどいようですが、今後の関係閣僚会議の中に防衛大臣を入れていただきますように重ねてお願いをしておきたいと思います。

 

さて、さっき言いました、一ミリたりとも譲歩してはならない、一方で、挑発してはならない、こういう中で、お互いというか、我々からしてみれば、主張をし続け譲らない、けれども相手と本音の議論、本音の交渉ができるといういろいろなルートをつくっていかなければいけないというふうに思っています。

 

そういう意味で、政府間交渉、そして議員間交流もございますし、同時に、やはりそれぞれの、日中の学者等の有識者が集まって、いわゆるセカンドトラックでの対話の場が必要だというふうに思っています。政府が言いづらいことを、こちらも本音ベースの意見交換をしていくという場としても有効だというふうに思っています。

 

玄葉大臣に、このセカンドトラックの対話の場の必要性について伺いたいと思います。

 

○玄葉国務大臣 まず、おっしゃるように、主権の問題そして尖閣、これは絶対に譲れないわけです。その上で、やはりさまざまなレベル、それは吉良委員が御指摘をいただいたように、政府だけではなくて、民間、そして政府と民間が入ったいわゆる一・五トラック、こういった形でも日中の双方の意思疎通を強化するということは大変大事なことです。なぜかといえば、事態で一番困るのは誤解であります。誤解によって事態が拡大をするということがございますので、信頼関係を含めてしっかりと意思疎通を強化していくということが大事である。

 

ちなみに、二年前の事態があって、我々は海洋協議というのを始めたんですね。海洋関係の機関というのは日中双方とも幾つもあるわけです。その幾つもの海洋機関がそれぞれ日中双方とも席を同じくして、ともに意思疎通をしようではないかということを中国の外相に、私、外務大臣になってから提案をしました。第一回の会合が開かれました。私は、かつてより意思疎通がよくなったというふうに思っています。

 

それは政府レベルの話でありますけれども、そういった取り組みに加えて、今御提案のあったような取り組みを強化したい。十一月下旬に長崎と東京で新日中友好委員会、これもまさに今御指摘いただいたような委員会でございますので、そういった委員会等を含めて、しっかりと誤解のないように意思疎通を図っていきたいというふうに考えております。

 

○吉良委員 ありがとうございます。

 

全く同じ思いでございますので、一・五トラック、セカンドトラック、さまざまなレベルの交流をお願いしたいというふうに思います。

 

さて、先ほど防衛大綱、NSCの部分を読ませていただきましたけれども、私ども民主党政権になって、新しい防衛大綱を策定いたしました。その中では、大きく変化する東アジアの安全保障環境というのを見据えた中でのいろいろな、動的防衛力それから島嶼防衛の必要性というようなことを書き込んでおります。

 

森本防衛大臣、この防衛大綱の中で動的防衛力また島嶼防衛の必要性について強調しているわけでありますけれども、今回の二つの事案に鑑みて、いま一度この防衛大綱の重要部分についての必要性について説明いただければと思います。

 

○森本国務大臣 冷戦が終わりましておおむね二十年、東アジアは依然として安全保障上非常に厳しい環境の中にありまして、核戦力を持っている周辺の国が軍事力を強化したり、あるいはいろいろな軍事活動を広げていったりしているという事実があると思います。地域においては、朝鮮半島あるいは台湾海峡など、まだまだ気を許すことのできない地域も我々周辺にあるわけでございます。

 

アメリカの地域戦略も国防戦略も少しずつ変化しておりまして、その中で我が国は、周辺の警戒監視を行いながら、日本の防衛力を、今までの存在をさせる、そこに存在することによってつくっている抑止というより、むしろ、必要な場面に必要な地域に柔軟に動かし、運用することに重点を置いて日本の国家の防衛を担っていくということを重点に新しい大綱ができているわけであります。

 

その中で、特に、日本の国というのは、島でいうと、百メートル以上の周囲を持っている島が六千八百以上あります。北東部から南西部の長さというのは約三千二百キロという長い地域に及んでいて、そのうち、鹿児島県から南西の端まで約千二百キロ、日本の本土の約三分の一が鹿児島から沖縄に至る南西方面、その海域に我々は周辺諸国からじわじわと近寄ってこられているという現実があると思います。

 

この領域を、どのようにして防衛力を柔軟に動かして国家の安全を維持するか、これが日本の防衛力の重要な政策課題の一つであるというふうに考え、特に、御承知のとおり、与那国島に部隊を新しく置いたり、あるいは沖縄の戦闘機の部隊をふやしたり、あるいはC1や潜水艦、あるいは陸上自衛隊の部隊をふやしたりして、南西方面の防衛を少し厚くして、日本の島嶼防衛というものを重視してやっていく、これが大綱に基づく島嶼防衛の重点課題である、このように考えております。

 

○吉良委員 ありがとうございます。

 

しっかりと環境変化に対応した体制づくりをしているということでございますけれども、その中で、先ほど来言っていますように、挑発してはいけない、刺激し過ぎてはいけないということは十分承知しておりますけれども、やはり我が国の領土、領海を守り抜くという覚悟を示す必要があります。その意味で、島嶼防衛についての自衛隊における訓練、演習について、簡潔にやっていることを説明いただければと思います。

 

○森本国務大臣 島嶼防衛を行うためには、まずいかにして島という我が国の固有の領域に一ミリ、一センチとも近づけないようにするかというための警戒監視を常時行うということだけではなく、近寄ってこられたら、警察や海上保安庁と連携をして、事態の様相の変化に応じて柔軟に対応できる態勢を常にとるということであります。

 

それだけではなくて、そのために在日米軍との各種の共同訓練を行い、あらゆる事態に対応できる連係動作を平生から共同訓練、統合訓練を行うということと同時に、我が国としても、例えば着上陸、あるいは仮に島嶼が侵略された場合、これを奪回するに必要な能力を我が国として独自に持つ、このための訓練に努め、トータルで我が国の島嶼防衛をできるだけ強化できるよう、能力の向上を図っているというところでございます。

 

○吉良委員 ありがとうございます。

 

そういう意味で、安住財務大臣のにらみが怖いのでありますけれども、今回のこの事案を見てもわかるように、南西諸島防衛、島嶼防衛の重要性というのは国民全てが共有するところだろうというふうに思っています。そういう意味で、動的防衛力の構築、南西諸島そして全体を含む島嶼防衛について、予算をきちっと、国家的な意思を対外的に示すという意味でも、ぜひ我々としては要求をしてまいりたい。これは答弁は結構であります。その旨を、思いをお伝えしておきたいと思います。

 

ちょっと順番を変えさせていただいて、竹島問題に移らせていただきたいと思います。

 

まず、今回の李明博大統領の竹島上陸、また天皇陛下への言及、これはもう断固として許されない。まして、ちょっとまだ報道ベースで、最終確認はしていませんけれども、総理親書を読まずに突き返したというような非礼なことも起こっております。

 

そういう意味では、これまで特に、私も外務大臣政務官のときにいましたけれども、二〇一〇年という日韓併合百年をとにかくお互いのナショナリズムに火をつけずに何とか乗り切っていこうと必死の思いで両国の外務当局が頑張っておりました。それが、ここまで非礼な対応に出てくるということは本当に遺憾でありまして、その意味で、これまでは丁寧に、竹島問題については、我が国の固有の領土である、けれども実効支配できていないという答弁から、玄葉大臣の方で、不法占拠という一歩踏み込んだ、法的立場は変わりないけれども、踏み込んだ表現で強く抗議も含めて我らの意思を明確に打ち出したことは、私は了といたします。

 

その中で、この後、竹島問題、いろいろな指摘があろうかと思いますけれども、この竹島に残念ながら韓国によるいろいろな構造物がつくられております。その経緯について、ちょっと国民の皆さんにもパネルで見ていただきたいというふうに思っています。

 

これはもう御承知のとおり、一九五一年のサンフランシスコ条約では、私どもが放棄した中に竹島は含まれていない。そして、古来より、歴史的に我が国の領土であるということは確認されているわけでありますけれども、にもかかわらず、李承晩ライン宣言以降、残念ながら韓国側に、ここに書いてありますように、次から次へと、あたかも韓国の実効支配が進んでいると思われるような、ヘリポートの設置、それから接岸施設の完工というようなことが行われているということであります。

 

まず、国民の皆さんには、いろいろと私ども民主党政権に対する批判はございますけれども、これを見ておわかりいただけるとおり、これはもうどの政権が悪いとかいうことではなくて、この歴史的事実を見ていただければわかるとおり、そして、私が冒頭申し上げたとおり、これまでのずっと積み重ねが今に至っているということで、これからは、いろいろあろうかと思いますけれども、まさに党派を超えてこの竹島問題についても断固たる対応をしていかなければいけない、このように思っているところでございます。

 

今回、この李明博大統領の上陸に対して政府としてとった措置について、簡潔にお聞きしたいと思います。

 

○玄葉国務大臣 おっしゃったとおり、まず超党派で進めるべきだと思うんですよね。

 

結局、中曽根政権、全斗煥時代、これは非常に安定していたんですけれども、ヘリポートができました。その後、灯台が有人化された、接岸施設ができた、これは金泳三政権のときですよ。あるいは、盧武鉉政権のときに今の竹島の二十八事業ができたんですね。

 

私がICJへの提訴の話をしたときに、今までなぜしなかったんだと。それは、日韓関係全般に及ぼす影響への考慮、配慮、こういう話をしました。それは、だから、これまでずっとそういう考慮、配慮というのが一定程度働いていたんだと思うんです。私は、今回の上陸でこれは不要になったということで、ICJ、国際司法裁判所への提訴、そして、一九六五年に日韓の紛争解決の交換公文というのができているんですけれども、それに基づいて調停というものを今提案しているという状況でございますし、領土問題には領土問題をというのが基本ですから、やはり、先ほどおっしゃったように、不法占拠という言葉をあえて使っております。

 

また、これは私が答弁する話じゃないかもしれません、官房長官かもしれませんけれども、この領土の問題に対する体制強化を政府全体で行っていくということが必要だと思います。

 

その上で、まさに非礼な発言もあったわけでありますから、そういったことも含めて、今後、さまざまな相応の措置、オプションというものを用意していく。毅然と対応する、しかし冷静に対応する、そのことが大事だと思います。

 

○吉良委員 ありがとうございます。

 

まさに国を挙げて断固とした対応をしていくということが必要であろうかと思います。一方で、最後に大臣が言われていたように、この非礼に対しては断固たる対応をするけれども、一方、大事な隣国であり、そして、今は韓国の国内の状況がなせるわざというところもあるというふうに思っていますので、未来永劫ということではなくて、決定的な関係悪化には至らない、微妙な中で毅然とした対応をしていくということをお願いしたいというふうに思います。

 

さて、ちょっと時間が残り少なくなってまいりましたが、海上保安庁の対応についてであります。

 

私、先ほど言いましたように、今回の海上保安庁の対応というのは本当に見事であったというふうに思っています。

 

その中で、まず、これは質問というよりも、私も、今回の件で改めて海上保安庁の海上警備にかかわる予算、体制を知って愕然といたしました。それは、あれだけの大海原、それこそ日本は海洋面積でいえば世界六位になるというようなこの大海原を警備するに当たって、その予算は全体で千七百八十億円、そのうち人件費が五三%でありますから、例えば、重要な装備である船舶建造はわずか百七十五億、そして航空機購入費が八十九億、このような状態であります。

 

今申し上げましたように、これだけの大海原を、しかも、特に東シナ海等でいろいろな圧力がかかっている中で、この海上警備、より一層充実を期すためには、私は、海上保安庁の装備、体制への支援充実が必要だというふうに思っています。これも、また党側としては、予算厳しき折ではありますけれども、しっかりと要求してまいりたいと思っています。(発言する者あり)ばらまきでは絶対にありません。

 

それで、先ほども大臣ですか、言っておられました、海上警備に当たっての自衛隊、警察、海保との合同演習、これも極めて重要だというふうに思います。そういう意味で、実際、合同の演習、協力がどう行われているか、極めて簡潔にお答えいただければと思います。

 

○鈴木政府参考人 お答えいたします。

 

海上保安庁と海上自衛隊との間では、北朝鮮の不審船対処に係る共同訓練、通信訓練等を実施するなど、緊密な連携協力体制を構築してございます。また、警察との間でも、テロリストの入国阻止のための水際対策訓練等を実施するなど、緊密な協力体制を構築しております。

 

今後ともしっかりと、変化する領海警備情勢に適切に対処してまいりたいと考えております。

 

○吉良委員 ありがとうございます。

 

こんな場で言っていいのか、私は、映画の伊藤英明さんが主人公の「海猿」、あれを見に行って、本当に感動して涙してしまうんですけれども、海保に対する国民の理解も物すごく、映画そしてまたこういう冷静な対応で評価が高まっている折に、まさに海上警備の体制整備、国を挙げてしなければならないということを強調させていただきたいと思います。

 

最後になりますけれども、今回、この上陸事案についても、私は、まさにどういう不法な上陸をしているのかということをビデオ公開した方がいいのではないかというふうに思っています。

 

○中井委員長 まとめてください。時間がありません。

 

○吉良委員 はい。

 

前回の漁船衝突事案のときも、結果的に後で出したわけですけれども……

 

○中井委員長 時間がないから、まとめなさいと言っている。

 

○吉良委員 はい、わかりました。

 

公開をしていただきたいと思っておりますけれども、簡潔に答弁いただければと思います。

 

○中井委員長 藤村官房長官。短く答えてください。

 

○藤村国務大臣 ビデオ公開について海保は、業務執行に係るビデオの公開について、規制手法や逮捕のための捕捉手法が明らかになるといった領海警備等の業務への支障などを考慮して、慎重な考えを当初示していらっしゃったので、私の方から、これはそういう領海警備の業務に支障がない範囲で出せるものは出しなさいという思いでそれを指示いたしました。

 

今、その指示を受けて検討しているはずでありますので、近々にそれなりの公開ができると思います。

 

○吉良委員 終わります。

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