主張・政策論

2018年11月14日 文部科学委員会質問 議事録

○亀岡委員長 次に、吉良州司君。

○吉良委員 国民民主党の吉良州司です。
きょうは、今国会の最大のテーマである外国人労働者の受入れ、その議論を文部科学省の所管領域の中でより深めていくために、大臣にいろいろと質問させていただきたいと思っています。
ただ、質問通告した各論については、午前中の公明党の鰐淵議員からほとんど質問され、答弁もありましたので、私は少し、大局と言うと言葉がよ過ぎますが、総論的な議論を柴山大臣とさせていただきたいと思います。
私は初めて文科委員になりました。これまでほとんど外務委員か経産委員だったんですが、人口減少社会の中で、これからの日本を支えていくためには、一にも二にも子供への教育、そして子供たちを育てる子育て世代への支援が大事だ、そういう思いから文部科学委員にならせてもらいました。(柴山国務大臣「ありがとうございます」と呼ぶ)はい。
また、私がこれまでも外務、経産委員会の中で、発言する際に必ずお断りしたことは、私は、時に、こういう政策にすべきではないかという提案もさせてもらいますが、その内容については、必ずしも私が属する政党の方針と違う場合もある、又は、政党の方針が出ていない場合もある。それでも、私は、私吉良州司、議員個人の責任において、提案、発言をさせてもらいたいと思っています。そのことについては事前に御理解をいただきたいと思っています。
それと、もう一点、先ほど馳委員の答弁に対して、柴山大臣が、改革マインドは人後に落ちないという答弁をされておりました。私もそういう改革を志向する提案もしたいと思っていますので、柴山大臣においては、余り慎重になり過ぎることなく、思い切って答弁をいただければと思います。
私自身は、仮に、柴山大臣の答弁の中で、ある言葉を選択した、その言葉が場合によって必ずしも適切じゃなかったとしても、その言葉自体を捉えて追及したりするつもりは全くありません。発言全体の趣旨、答弁全体の趣旨をきちっと踏まえてやりとりをさせていただきたいと思っていますので、そういう意味では、柴山大臣の思うところを率直に聞かせていただきたいと思います。
それでは、最初の質問です。私は、今回の入管法改正、これは現実的には移民政策への第一歩、移民政策にかじを切ったと認識しています。それでも、政府の方は、いや、移民政策ではないとずっと言い続けています。
この背景は何なのか。私が考えるに、異文化が入ってくる、異文化を担った人が入ってくるという違和感、それから、他国では、外国人の受入れ、流入によってやはり治安が悪化するというケースも多々見られる、こういう負の側面を日本において具現化させたくない。その意味で、日本国民に、その種の不安を払拭しようと移民政策ではないと説明しながら、一方で、人手不足は喫緊の課題として補わなければならない。そういう中で、今回の、移民政策ではないが、外国人労働力の受入れが必要だ、こういう認識をしていると思います。
そうであるならば、国会として、政治家として考えるべきは、外国人、また外国人労働者が入ってきたときも、日本人ときちっと共生できる環境をつくることだと思っています。大臣も、共生できる環境をつくることについては全く同じ認識だと思いますが、共生環境をつくるには何が最も大事だと思われますか。
この質問は、個別具体の質問通告からは離れていますが、質問通告の中で、一番大きなテーマとして、「外国人労働者の受入れ、将来的には移民受入れを視野に入れた際の文部科学省の役割、その方針のもとで現場が担うべき役割について」という広いテーマを質問項目に挙げています。そういう意味では、広くは質問通告に入ると思いますので柴山大臣の見解をお伺いします。

○柴山国務大臣 まず冒頭、吉良議員の大変真摯な質疑に対する思いをお伝えいただき、感謝を申し上げたいと思います。その上で、今の御質問についてなんですけれども、確かに、通告と若干違う御質問かと思います。
入管法の今回の改正案は、移民じゃないと何でこだわるかということは、累次にわたって総理からも所管の法務大臣からも答弁をさせていただいているとおり、真に必要な分野に着目して、そしてしっかりとコントロールをしながら徐々に外国人材を受入れていく、しかも専門性に着目をして受け入れていくということでありますので、それは、通常、一般的に言われる移民政策とは違うというふうに説明をさせていただいております。
そして、じゃ、何を最も重要なファクターと考えるかということなんですけれども、いずれにいたしましても、外国人の保護する児童生徒がふえてくるということは、これは避けられないというか、紛れもない事実であろうというように思うんです。家族の帯同は原則として認めない一号の分野であっても、その後のこともいろいろ考えれば、そういった外国人の保護する児童生徒、こういう方々がやはり日本の中でしっかりとコミュニティーに受け入れられる、そして教育環境を整備するということが重要だと思っております。
文部科学省としましては、今申し上げた、外国人がその保護する児童生徒の公立義務教育諸学校への就学を希望する場合には、求めがあれば無償で受け入れる、これは現在もそういう仕組みになっております。
また、こうした義務教育諸学校への受入れに当たっては、コミュニティーにしっかりと受け入れられるように、日本語の指導を行うことも含めて、きめ細かな指導を行っていくということがこれから必要になってくると認識をしております。
いずれにいたしましても、今後の外国人材の受入れに係る対応について、政府においては、ことし7月に、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議、私もメンバーですが、設置をされて、政府一体となって、日本語教育を含む関連施策に取り組むこととなっております。

○吉良委員 ありがとうございます。
私自身が思う大事なことというのは、大臣が今答弁されたことも含まれますが、所管省庁としては厚生省と文科省だと思っています。つまり、外国人が日本に行きたくなる、日本に行けば夢がかなえられる、いい生活ができる、そう思って、日本が外国人からも選ばれるようになるために必要なことは、雇用環境の整備、そしていわゆる社会保障の充実、そして何よりも、日本に来る外国人本人とその家族、特に子供たちの教育、これが充実していること、これが共生できる環境をつくるという一番のインフラ整備だと思っています。
お配りした資料を見ていただきたいと思います。

これは、東南アジア諸国も、近い将来、人口ボーナス期は終了し、人口負担期、人口オーナスへと移行することを示す、特に東アジア、東南アジアの国々がどういうタイミングで人口ボーナスから人口負担期へと移行するかということを示した図です。
この図はいろいろなことを教えてくれます。左上の日本を見ただけでもそうです。この赤い線が右肩下がりのときというのは人口がだんだん減っているときです。だから、当然、グラフの線が高いときには人口が多かったし、経済でいえば成長を謳歌していた時代です。逆に、右肩上がりになれば、高齢者が多くなって、経済的にも停滞だったり横ばいだったり、余儀なくされる。
そして、右側の第二グループは、シンガポール、中国、タイ、韓国。中国を除く国々は、既に経済成長が終わり、中進国から先進国になったか、仲間入りをしようとしている国々。実際、こういう国々からの移民や労働者は日本には来ていません。
そして、左下の第三グループのベトナム、マレーシア、インドネシアと第四のフィリピンが、今、そしてこれから日本に大勢入ってくる可能性があると思っています。これらの国々は、今まさに発展途上にあり、現時点では人口がふえているが、二〇年代、三〇年代にかけて人口が負担になってしまう。そのときは、その国においても若い人が不足して、とても海外に行く余力がなくなってくる。その国も、当然、そういう若い、特に優秀な人たち、日本は高度人材を求めていますが、その人たちをとても海外に出すわけにはいかない、そういう時期に入ってくる。そのことを示しています。
現時点の日本における外国人児童が、どの母国語かを見ると、日系人を受け入れた影響もあってポルトガル語、それから中国、フィリピンが多いわけですが、今後は、人口移動のこのグラフを見ても、ベトナム、インドネシア、フィリピンあたりが中心になってくると予想されます。それらの国々の子供たちが多くなるという予見のもとで、外国人児童への教育のあり方も考えて戴きたいと思います。
この見方、考え方について大臣の所見があればお伺いしたいと思います。

○柴山国務大臣 御指摘のとおり、今後の長期的な社会あるいは国際情勢の推移を見れば、おっしゃるように、途上国においても少子化に転じていくということは予想がされるところでありまして、今回、我が国が外国人材の受入れをある程度ふやしていったとしても、それがいつまでも続くという環境ではないのではないかと思います。
それに備えて、我々としては、やはり、先ほど来お話が出ているとおり、人づくりあるいは生産性革命、こういったことも、あるいは、女性や高齢者の方々の活躍支援ということもしっかりと進めていかなければいけないというように考えております。

○吉良委員 ありがとうございます。
先ほども言いましたけれども、日本を選んでもらいたい、いい人材を日本によこしてくださいとお願いしなければいけない時代がすぐそこに来ているのです。そのときに、今、我々野党の方から指摘している、こんな劣悪環境の中で、生煮えの制度で受け入れていいのかということについては十分耳を傾けていただきたいと思います。その中で、私は特に、子供たちの教育の充実が決め手になると思っています。先ほど私は、政党と考え方が違う又は政党が結論を出していないということを言いました。私は、移民政策にかじを切るべきだと思っています。
今回の一号については5年ごとに変わっていく。世界で最も難しい言語である日本語を、子供のときでなく、大人から学び始めて、1年、2年で習得できるものではありません。表面的には会話しているように見えても、本当の真意というのは伝わっていないことが多い。
それに比べて、移民という形で家族を受け入れて、子供たちが小さいころから、保育園だったり幼稚園だったり小学校だったり中学校で学ぶことができて、日本の文化も学べる、日本人の友達もできる、当然日本語もほぼネーティブのように使いこなせることができる。
5年ごとに、本国に戻れとやっていれば、また新しく日本語がほとんどわからないフレッシュな外国人が入ってくるんです。ちょっと覚えたかなと思うとまた戻る。また日本語がわからない外国人が入ってくる。そうすると、外国人労働者は永遠に末端の仕事しかできなくなります。
だから、ネーティブのように日本語がしゃべれる子供たちを育てることが大事だと思います。
私は、5年半アメリカに住んでおりました。ニューヨーク勤務で駐在して、家族帯同で行きました。今はトランプ大統領が出現して、移民は悪だ、特に不法移民は悪だ、犯罪者だとまで言っていることに物すごく違和感を覚えるんですが、私が米国で暮らしていた時は、移民国家アメリカが外国人に対してどれだけ温かく迎えてくれたかという経験をしています。
全く英語のわからない娘たちがアメリカの小学校に入る、中学校に入る。そうすると、マンツーマンで、マンツーマンですよ、1対5とか1対10じゃないんです。始業前の1時間、そしてカリキュラム中、向こうでいう国語、英語の授業にはついていけないので、その時間、先生がわざわざ娘のために時間を割いて、1年間みっちりと普通の授業についていけるように教育をしてくれました。1年ないし2年で普通の授業が受けられるようにするという強い意思の中で、日本もJSLがありますが、イングリッシュですからESLという制度があって、本当に公立の学校が力を入れてくれていました。
もう一点話をさせてもらいます。先ほど、外国人が日本に入ってくると治安が悪化するという不安があると言いました。アメリカの中でもいろいろな地域、いろいろな人たちがいると思いますが、私がいた地域について言いますならば、ヒスパニックとしてメキシコだとかエルサルバドルとかエクアドルからアメリカに入ってきた移民一世の方々は、気の毒なぐらい大変な苦労をしています。それでも頑張って、私の近くで知る限りは犯罪も全く起こっていませんでした。
なぜか。それは、彼らの子供たちがアメリカの小学校に行き、中学に行き、高校に行き、高校を卒業するころにはスペイン語と英語のバイリンガルになって、かつ、アメリカの場合は、中南米ビジネスが物すごく盛んですから、スペイン語と英語のバイリンガルという職場、雇用の需要が限りなく多くあるんです。ですから、一世が大変な苦労をしながらでも頑張れるのは、自分の子供たちがいい教育を受けさせてもらい、いい職につけて、家族の結束が強いですから、子供たちは親の苦労を見て、自分たちがいい仕事、いい暮らしができるようになったら、親と一緒に暮らして、一世の労をねぎらう。孫の代になると、スペイン語も少しわかるアメリカ人になるんです。もうメインは英語です。ですから、完全にアメリカという国に溶け込んでいく。犯罪だとか治安悪化というようなこととはほど遠い。
そういう意味で、私自身は、未熟練労働者として、単純労働者として、下働きだけする外国人を受け入れるのではなくて、家族ごと受け入れて、特に子供を連れてきてくれということで、子供たちに行き届いた教育をすることで、選んでもらう国になる。日本に来た外国人が、豊かな生活、幸せな生活を送ると同時に、この日本において、日本に貢献してくれる、日本の社会の安定、そして日本の経済の成長のために貢献してくれる人材として育てるべきだし、迎え入れるべきだと思っているんです。そういう意味で、私は、移民政策にかじを切るべしと思います。
まあ、このことには正面からは答えられないと思いますが、私が今申し上げたことに鑑みて、外国人の子供たちの教育の重要性について、もう一度、大臣の所見をお願いします。

○柴山国務大臣 外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を今法務省を中心に関係府省庁で行われておりますけれども、それは、まさしく、今吉良議員が御指摘のとおり、受け入れた以上は当該外国人材としっかりと共生をしていくということが極めて重要だという理解に基づくものでありまして、7月に、先ほど紹介をさせていただいた関係閣僚会議で取りまとめられた総合的対応策の検討の方向性には、日本語指導に必要な教員定数の義務標準法に基づく着実な改善、教員等の資質能力の向上、日本語指導補助者や母語支援員の活用などの指導体制の整備などが盛り込まれているところでありまして、文部科学省といたしましては、こうした対応策の具体的な内容を踏まえて、引き続き、外国人児童生徒等に対する日本における教育の充実、これにしっかりと努めていきたいと思っております。

○吉良委員 ありがとうございます。
大臣の方は、午前中も、日本語教育を強化するために日本語指導教員の資格というものを、制度をつくって、その充実に努めるという答弁をされておりました。
時間がなくなってきたので、私からの提案にさせていただきたいと思いますが、一つは、教員資格を取るために教育学部に行きますけれども、その教育学部の中で、今、小学校だったり、中学の場合は学科別になっていると思いますが、その中に、外国人又は外国の子供たちに日本語を教えるという学科を独立して設けるということが一点。
もう一点は、さっき言った、小学校の教員、中学校の教員も、自分の専門教科に加えて、どの教員も、今言った外国人の子供たちを教えることができるという何らかのカリキュラムを盛り込んでもらって、教員は全員が自分の専門プラス外国人の子供たちを教えることができるというようにしていっていただきたい、これが一点です。
最後に、一億総活躍社会ではないですが、それだけ多くの移民を受け入れる、また外国人労働者を受け入れていくとなったときに大事なのは、日本人全てがその外国人に対してきちっと応対できる、日本語を教えることができるような能力・資質を持つことだと思っています。
そういう意味で、中学、高校の段階で、望むらくは日本の生徒全員が、外国人又は外国人児童に対して日本語が教えられるような能力を持つ、そのような指導に努めていっていただきたい。現実的には全員というのは無理にしても、3人に1人、4人に1人ぐらいはそういうことができるようになる。そういう社会をつくることで、日本が選んでもらえる国になる、来てくれる人たちに、日本における幸せな生活を、快適な生活を保障できる、このように思っています。
その三点の提案について、大臣、コメントがあればお願いします。

○亀岡委員長 時間が来ていますので、簡潔に。

○柴山国務大臣 しっかりと検討させていただきたいと思います。

○吉良委員 ありがとうございます。  終わります。

バックナンバー