政策論

激動する世界に向けて、日本から共生社会の発信を ~ポピュリズムと戦い、将来世代への責任を果たす政治を~(広報誌15号)

激動する世界

昨年は世界が地響きをたてて大きく揺らぐ年でした。特に、英国のEUからの離脱決定、米国大統領選挙でのトランプ氏の勝利は、大方の予想を覆す結果となりました。7つの海を支配した大英帝国と、英国の覇権を引き継いで第1次世界大戦後から世界の覇権国となった米国という近現代をリードしてきた新旧2大覇権国において衝撃的な国民の意思が示されたことは驚きでした。
そして、1月20日、トランプ政権が誕生しました。
トランプ大統領が矢継ぎ早に繰り出してくる政策や方針表明は、これまでの米国社会と国際社会の常識を破壊しようとするものです。これらの破壊的言動は計算高く意図されているのかもしれませんが、私には無知や大局観のなさのなせる業としか思えません。

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トランプ時代の米国

グローバル化が米国中流層を没落させているという問題意識があるにせよ、現在の世界の産業構造、資本・資金の流れ、米国を含むどの地域でどのような雇用や所得が生まれているのかなどについて、あまりに無知であると思われます。
確かに一部の資本、工場、雇用がメキシコに移ったことは確かです。一方、その米国資本の工場でつくった「米国人が好む製品」を米国人が喜んで買っています。そのメキシコ製品を米国側で輸入し、輸送し、販売している業界があり、そこにも雇用があり、所得があり、法人税や所得税を納めていて、メキシコの会社(とはいえ米国単独資本か米墨合弁事業)の利益は配当として米国に還流しています。
新大統領の保護主義的な政策が実行されると、この先、米国内は物価が高騰し、産業は国際競争力を失い、「米国を再び偉大にする」夢は崩れ去り、米国民を苦しめる結果になるのではないかと心配しています。
また、中東、アフリカ7カ国の入国制限やパリ協定の否定は、理想を追い求めてきた米国の建国理念に逆行すると懸念しています。

我が国の底力が試される年

これまでの常識が全く通用しないであろう新しい世界のリーダーを相手に我が国がどのように向き合っていくのか、今年は、日本の底力が試される年になると思います。

このような衝撃的な大統領を誕生させた米国社会の背景にあるものは何か。変らない米国。変りゆく米国。本誌にて米国の移民史を含めた歴史を紐解きながら、昨年の米国大統領選挙に対する私自身の分析・解説を試みていますので、是非ご笑覧ください。

北方領土は進展なし
~広島、真珠湾の和解は評価~

さて、現在はトランプ大統領に関する報道一色ですが、昨年12月のロシア・プーチン大統領と安倍総理の首脳会談では、残念ながら世界潮流の変化により、北方領土問題の進展はありませんでした。国家経済と国家財政を石油と天然ガスに依存するロシアにとって、OPECによる原油の減産合意が成立し原油価格が上昇したこと、ロシア制裁の旗振り役だった米国に、ロシアとの関係改善を志向するトランプ政権が誕生したことなど、ロシアから見た日本の価値が低下した結果です。
一方、昨年5月に米国オバマ大統領が広島を、昨年暮れには安倍総理が真珠湾を訪問して、日米両首脳が先の大戦で犠牲になられた方々を慰霊し、「和解の力」「平和への強い決意」を示したことは歴史的英断・行動であると大歓迎します。

自然災害への対応

国内では、熊本と地元大分が大地震とその後長期にわたる余震に見舞われました。近年の自然災害はいつどこで起こるかわからない状況が続いています。人命を第一とする自然災害対策に万全を期す必要性をあらためて痛感した1年でもありました。

TPPと年金改革

秋の臨時国会において、TPPの批准と関連法案が成立しました。私は日本の将来に亘る国益を考え、終始一貫TPPには賛成の立場であり、本誌においても、トランプ政権がTPP離脱を表明してもなお、粘り強くTPPを追い求めるべきであるとの持論を展開しています。
また、年金改革法案も成立しました。政府の不誠実な説明、本来出してしかるべきデーターの非開示など、手続き的な問題があったことは確かです。しかし、現在の経済状況や財政状況を考えると、消費税を上げずに年金給付水準を含む現行の社会保障水準を維持することは困難です。しばらく消費増税が困難な情勢下、年金受給世代を支える現役世代の給与が下がっている時に、年金もそれに応じて下げることは世代間の公平性の観点からはやむを得ないことだと思っています。

ポピュリズムが国を亡ぼす

私が許せないのは、今回の年金改革を「世代間の公平性」のためとするなら、何故、安倍政権が消費増税を延期し続けるのかということです。これだけ人気の高い政権が政治にとって一番難しい増税という難題から逃げていて、一体、いつ将来世代のため、社会保障の安定・充実のため、財政の健全化のための増税ができるのでしょうか。しかも民主党政権時代に自公も参加した3党合意を反故にしてまで、増税延期にひた走る安倍政権のポピュリズム(大衆迎合主義)は、歴史的大罪として将来必ずや断罪されるでしょう。
私は、「ポピュリズムが国を滅ぼす」と懸念しており、将来世代のためにポピュリズムと戦うことが政治家の使命だと思っています。

共生社会の発信を

世界に目を転じても、今、世界中でポピュリズムが横行し、排他的主張が勢いを増し、自分さえ、自国さえよければ、それでいい、といった風潮になりつつあります。それだけに、今年は、我が国が歴史的に培ってきた誇るべき「共生の伝統」、人と人との共生である「平和」「共存」と、人と自然との共生である「自然環境保護」の必要性を世界に訴えていく年にしたいと思います。

将来世代への責任を果たす

私は初当選以来、常にポピュリズムとは真逆の政策を訴えてきました。今を生きる国民のため、そして何よりも、明日を生きる将来世代のため、消費増税の必要性などを訴え続けてきました。どれだけ感謝してもしきれないのは、そんな私を支援者のみなさんが支え続けてくれることです。ポピュリズムと戦い続ける勇気を与えてくれるのです。
今年も、人への投資の必要性を声高に訴えながら、世のポピュリズムと戦い、格差拡大に歯止めをかけ、頑張れば必ず報われる社会を取り戻すための政治、将来世代への責任を果たす政治に全力で取り組んでまいりますので、引き続いてのご支援をよろしくお願い申し上げます。

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