戦中、戦後を生きぬいた高齢者の方々に感謝の念を!
そして、その高齢者が健全な内に真の改革を成し遂げたい!
終戦直後、芋や大根の葉を食べながら気力だけを栄養として生き抜いてきた世代、家族には二度とひもじい思いをさせないとの一念から昼も夜もなく必死に働いて、働いて、働き続けた世代、焼け跡だらけの廃墟から驚異的な経済発展を成し遂げた世代、自分達は勉強したくても出来なかったが故に自分達は食わず休まずとも子供に高等教育を受けさせ、その子供に将来の夢を託した世代、古きよき価値観を決して失うことなく、常識ある、いや学歴に関係なく高い見識を持った市民であり続けた世代、愛すべき自分の父母の世代が、今、年老い、現役を退き、そしてこの世から去っていこうとしています。
いつも涙なくして見ることの出来ないNHK番組「プロジェクトX」は、この世代が我々に残してくれたものが、如何に大きく貴重なものであるかをいつも語りかけてくれます。これらの世代は農家、商家、サラリーマン、町工場、企業家、公務員かを問わず、その従事した職業を天職と考え、それぞれの持ち場で一所懸命働き、ひとりひとりみんなが日本復興の立役者でした。昨今の日本の世の乱れを目の当たりにする時、古きよき時代の価値観の体現者が今ほど必要な時はないでしょう。それだけに、この世代を失うことが今の日本にとって、どれだけ大きな痛手であるか計り知れません。この世代が死に絶える前の今こそ、日本の、そして故郷の古きよき伝統、文化、価値観を見直し、若い世代に伝えていかなければならないと思います。同時に、あの廃墟の中から不屈の精神で日本を復興させてくれた、その勇気と知恵と経験を今こそ現役世代に伝授戴き、その力を借りながら、今必要な改革を、たとえそれが痛みを伴う改革であっても、断行したいと思います。