吉良からのメッセージ

2018年5月7日

新党「国民民主党」への結党参加

報道等でご案内の通り、希望の党と民進党のかなりの数の衆参議員が、今日5月7日に新党「国民民主党」を立ち上げます。私は、新党結成に参加し「生活者主権」「将来世代最優先」の政権をめざすつもりです。
国民民主党の結成に参加すれば、昨年の総選挙との兼ね合いから、厳しい批判に晒されることは必至です。そのことは承知の上で、敢えて新党参加を決断しました。
思いもよらず短期間で所属政党を2回も変えることになってしまいましたが、吉良州司の目指すところ、信念はいささかも変わっておりません。

私が新党参加を決断した背景にある、近過去の政治的歴史観や政権を狙う政党のあるべき理念・政策について、再びお伝えさせて戴きます。

(1)対立軸にこだわる必要はない

まず、政権を担い、日本の現在と将来に責任をもたんとする政党や政治家に、政策上の「対立軸」を強調する必要など全くありません。日本と国民のためにいいことをひたすら国民に訴えて、実現していく、その単純な姿勢を貫いていくことが国民の信頼につながると信じています。

(2)優先順位の高い基本政策

現在の我が国にとって優先順位の高い基本政策は次の5つです。
1.生活者主権の政治
2.将来世代最優先の政治
3.現実的な外交安全保障・エネルギー政策
4.人財と民間企業中心の力強い経済
5.国民全体で支えあう安心な社会保障

(3)現実的な外交安全保障・エネルギー政策

外交安全保障については現実対応と継続性が重要です。自民党と大きな違いがないことは、「大きな違いがない」と勇気をもって言える政党になるべきです。政権を担わんとする政党ですから、国家としてどうあるべきかを考えることが重要なのであって、自民党との違いを外交・安全保障において強調する必要は全くありません。
安倍政権が成立させた安保法制について言えば、海外での軍事的後方支援など断じて許してはなりません。しかし、我が国が直面する現実的脅威に対しては、自主防衛力の増強と日米同盟強化による抑止力の維持向上により国民の命を守り抜くことが国家の責務です。

外交安全保障・エネルギー政策で自民党との違いを強調する必要がない中で、自民党と一体何が違うのか。それは、自民党が「常に供給者、業界の立場に立つ」供給者目線の政党であるのに対して、国民民主党は「生活者の立場に立つ政党」であること、また、自民党が今を生きる人と企業の利益を中心におく「現世ご利益政党」であるのに対して、国民民主党は「将来世代を最優先する政党」であること、このふたつが一番大きな違いです。

(4)生活者主権の政治

自民党政権は一貫してものやサービスを供給する側の論理(業界の論理)で政権を運営し、役所も供給者の論理・立場で成立っています。
選挙時に、自民党の大応援団として、人とお金と票を出してくれる、既得権益者としての業界に国民の貴重な税金を優先配分するのが自民党政治です。言い換えれば、大多数を占める一般の生活者の立場や権利は常にないがしろにされ後回しにされてきました。

アベノミクスも相変わらず供給者の立場に立った経済政策であり、一部の大手企業は利益を得ていても、圧倒的多数の生活者は輸入物価があがるなど生活費の上昇により可処分所得が減少し、その生活が却って苦しくなっています。現在、一見好調に見える業界側目線の経済指標(株価や企業業績)は、一般国民からそれら企業への「所得移転」です。

現在の自民党政治の最大の罪は、二度と戻ってはこないかつてのよき時代を取り戻すという幻想を追い求め、その過程において、日本の将来と将来世代に対して、取り返しのつかない莫大なリスクとツケを負わせていることです。
先進国、成熟国となった日本は、供給者・業界優先ではなく生活者優先の政治が求められています。

(5)将来世代最優先の政治

我が国の内政上の最大の課題は、人口減少、少子化高齢化、国民に蔓延する将来不安です。この問題解決のためには、大胆な少子化対策、大胆な教育投資、大胆な社会保障改革、何よりも国民の意識改革が必要です。
これらの問題に向き合おうとした民主党政権の「子供優先」や「子育て支援」など、将来世代や子育て世代に光を当てようとした政策の方向性は間違っていなかったと思っています。今こそ、「将来世代最優先」を国家の新しい価値観に据え、将来世代に投資することが必要です。幼児教育、義務教育、高校の無償化を実現すると同時に、高等教育に対する給付型奨学金の拡充など、国の宝としての子供たちを社会のみんなで育てていくことは、国家としての最優先の課題です。
また、社会に出た後でも、何度でもやり直せる、社会人再出発教育への投資も必要です。一人ひとりが教養と職業的素養を身に着け、幸せな生活を送りながら、人口減少時代の日本を支えていってもらわなければなりません。それに相応しい投資をしていくことは国家の責任だと思います。

(6)プロの政治家集団として

自民党政権の最大の罪は、国と国民の関係、政治と有権者の関係を利害得失だけの関係に貶めてしまったことです。
その個人や会社・業界にとっては得になることであっても、国全体で見ればマイナスになってしまうこともあります。その場合、時には消費税増税など国民の一時的な不利益(とその時点では見えるが、中長期的には本当は利益になる)の享受をお願いしてでも国全体の、そして現在だけではなく将来に亘って日本で生きていく国民のことも考えながら、今何をすべきかを考え、その優先順位を明確にし、そのことを国民に粘り強く説明し、国民の理解を得ようとするのが、プロの政治家です。

今を生きる人だけを見て、次の選挙のことだけを考える政治家ではなく、今を生きる人はもちろん、将来を生きる人の生活や幸せを考える政治家が集う国民民主党として、生活者主権政治と将来世代最優先の政治を実現したいと思います。

「生活者主権の政治」「将来世代優先の政治」を国家の新しい価値観とするには、既得権益者との壮絶な戦いが待ち構えています。たとえ、それが苦難にみちた道であろうとも、良識ある国民とともに、その信じる道を一緒に歩いていきたいと愚直に国民に訴えかけたいと思います。

吉良州司