吉良からのメッセージ

大胆な子育て支援策についての吉良州司私案

本メッセージでは、吉良州司が提案する「大胆な子育て支援策」についてお伝えします。

現在の我が国の最大の課題は「人口減少」「少子化高齢化」です。人口が減少すること自体が大問題ですが、若者、子どもたちの減少が著しく、将来に亘って社会の活力が失われ、経済が衰退していく恐れがあります。
この人口減少と少子化に歯止めをかけ、活力ある社会、元気な経済を創りだすことこそ現在の政治が取り組まなければならない最優先の課題です。ご承知の通り、フランスやスウェーデンでは、現物給付、減税、現金給付などの思い切った少子化対策を実施することにより、少子化に歯止めをかけ、合計特殊出生率を大きく回復させることに成功しています。勿論、これらの国々は、非嫡出子が5割を超えているなど社会的、文化的背景が異なりますので、仮に我が国において、同じ子育て支援策を施しても同じ効果が出るとは限りません。

しかし、それでもなお、私はフランスの成功例を参考にして「子育て世帯に対して、毎月、第一子に3万円、第二子に5万円、第三子に10万円、第四子以上には各々15万円を誕生から高校卒業まで支給する」という大胆な子育て支援策を提案します。これは、同時に「社会活力回復策」、「日本経済の元気取り戻し策」でもあります。
政策哲学は「将来の日本を支える子どもを育てる世帯に対して、国をあげて、社会をあげて支援する」という子育て世帯への家計支援ですから、飲み代に使おうが、家賃支払いに使おうが、旅行に使おうが、子どもを育てる限り使途は自由にするというものです。

厚生労働省の「人口動態調査」による各年次の出生順位別の人数を基に(2017年以降に生まれる者の人数は2016年生まれの出生数が継続することを前提)試算すると、必要となる財政負担額は、誕生から高校卒業時まで約19年分215兆円、年間12兆円弱で、消費税に換算すると約6%になります。

既存の児童手当予算額約2.2兆円(消費税1%相当)を組み込めば、新らたに必要な財源は年間約10兆円となり、消費税約5%相当となります。将来に亘って我が国社会の活力を維持し、経済を元気にするために、全ての国民にこの負担をお願いしなければなりません。

昨年来、私が何度もお伝えしていますように、現在の日本経済を元気にするには個人消費を増やすしか手はありません。
かつての高度成長時代は、民間設備投資、国の財政出動、毎年賃金が上昇する中で、貯蓄が増え(貯蓄は投資の原資)、個人消費も着実に増えるなど、GDPを構成する全ての要素が増大し、GDP成長に貢献していました。しかし、現在はほとんどの先進国がそうであるように、我が国も個人消費がGDPの6割を超えています(設備投資は2割前後)。この個人消費が伸びない限り、国内経済、特に地方経済は潤いません。

子育て世帯への現金支給については、その一部は子どもの将来の学費のために貯蓄に回されると思いますが、大部は家賃、食費、毎年大きくなる子どもの服飾代、塾代、お父さんの飲み代 などに使われるでしょう。結果、支給した現金は「天下の回りもの」として、多くの生活関連産業を潤すことになります。個人消費の拡大を通してGDPの拡大に貢献します。

実際、子育て真最中の人たちに話をすると、「今は、子ども二人ですが、そんな政策が実現するなら3人目を考えますね」、3人の子どもがいる人からは「4人だと月々33万円の支給ですか、それなら4人目ほしいですね」というような言葉が返ってきます。お金で釣るつもりではないですが、もっと子どもがほしいのに、一人や二人で我慢していることの最大の理由が「お金がかかる」ことですから、子ども二人で月8万円、子ども3人だと月18万円という使途を限定しない支援は、手取りの賃金が8万円、18万円増えることと同じ効果がありますので、魅力的だと思います。

勿論、子どもがいる世帯は2人、3人の子どもがいる場合も多く、少子化の最大の原因は「未婚化」「晩婚化」だと言われています。この「未婚化」の原因のひとつが不安定雇用と低所得だと言われていますので、この子育て支援策により未婚化の進行に歯止めがかかることも期待できます。

また、男女共同参画の時代、女性の多くが社会で活躍したい、働き続けたいと思っている一方、子どもが幼い時は側にいてあげたいのに、家計を助けるために働かざるをえない、という女性も少なからずいると思います。私は選択肢が多い社会こそが豊かな社会だと信じていますので、子どもが幼い時は子どもの側にいてあげるという選択も可能にする政策でもあると思っています。勿論、女性でなくとも男性が子どもの側にいるという選択肢も含んでいます。例外はあるにしても、女性の生き方の選択肢を増やすことにつながると思います。

この政策の国民的合意形成のためには、数多くの論点があることは承知しています。恒久財源の確保のために新たに5%の消費増税が国民全体に受け入れられるのか。文部科学予算が約5兆円、防衛費が約5兆円なのに、その2倍もの予算を子育て支援だけに使うことが妥当なのか。その前提条件である、子ども3人家計へ月18万円、4人だと月33万円も支給することがそもそも妥当なのか。若い子育て世代とはいえ高額所得者もいる中で、所得制限が必要なのではないか。支給を受ける家計の消費性向は上向いても、子育てが終わった家計に対しては5%の消費増税により却って消費を冷え込ませることになるのではないか。子育て世帯を重視するあまり、子どもがほしいのに恵まれない世帯など、子どもを持たない世帯との公平性が担保されるのか。里親里子の家庭にも適用するのか。私は里親里子世帯にも適用すべきだと思いますが、支給額目当ての里親里子制度悪用や偽装が生まれるのではないか、などなど、課題は山のようにあります。
しかし、政治家の政治家たる所以は、数ある政策課題の中で優先順位を明確にし、最優先課題を実現するための国民的合意を形成することです。現在の最大の国家的課題が人口減少と少子化ですから、「将来世代最優先」「子育て支援最優先」を明確にし、合意形成に向けて一歩を踏み出したいと思います。

吉良州司

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