野党議員といえども、国家的課題を解決する責任がある(広報誌17号)
みなさん、こんにちは。いつも吉良州司を温かくご支援戴き深く感謝致します。
第196回通常国会は、本年1月22日に召集され、32日間の延長を経て、去る7月22日に閉会しました。この間、冬季の北日本での豪雪被害に始まり、西日本を中心にほぼ全国に及んだ豪雨や台風被害、全国各地で頻発する地震、猛暑による熱中症など、記録づくめの災害に見舞われました。犠牲になられた多くの方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
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本広報誌は国会の活動報告
さて、国会開会中、私は我が国が抱える課題について、国会図書館や衆議院調査室の協力を得ながら、様々なデータや論考文献を取り寄せ、自分なりの分析を試み、政策に繋げるための勉強をしてきました。それらのことを、所属委員会である経済産業委員会をはじめ、財務金融委員会、外務委員会、内閣委員会において、質問という形で政府の姿勢を質すとともに具体的提案も行いました。本広報誌は、先の国会における私の活動報告として、本会議や委員会の質問議事録、また、重要課題についての私の所見を集録したものです。本広報誌を通して、マスコミ情報等では伝わらない国会における吉良州司の生の声を聴いて戴ければ幸いです。
政権による国家の私物化
今国会で顕著になったことは、「自民党政権による国家の私物化」です。官僚の政権に対する忠誠心と官邸が官僚幹部人事を牛耳る内閣人事局制度が化学反応を起こし、国や国民より政権中枢の擁護を優先する「忖度政治」という新物質が生み出されました。その結果が、森友・加計問題です。何を以て総理夫人が森友問題に関与していないと言えるのか、全く理解できません。何を以て加計学園に便宜を図っていないと言えるのか、全く理解できません。一強政治の弊害によって、正直で実直な日本国民の良識が、今、融解しようとしています。(本広報誌が世に出る頃には結果が出ていると思いますが)自民党総裁選に出馬表明した石破茂元幹事長が、「正直で公正な政治」を掲げるのは、このことを憂慮しているからに他なりません。
マスコミ報道に影響される世論と野党
一方、地元に戻ると多くの支援者や有権者から、「安倍政権は森友学園や加計学園問題に大きな責任があると思うが、野党も野党だ。森友学園や加計学園問題しか追及しない姿勢はいい加減にやめてもらいたい。国として、北朝鮮問題や貿易問題などもっと大事なことがあるだろう。何故、そういう国家的課題を取上げた質問をしないんだ」とのお叱りを受けます。野党議員の多くが森友学園、加計学園問題を取り上げていたのは確かです。しかし、同時に国家的課題について質問もし、政党幹部は会見で取り上げているのです。
では何故、森友学園、加計学園問題しか取上げないとの批判を受けるのか、それは、マスコミの報道姿勢に原因があります。国家的課題を取上げた質問など、党首討論や予算委員会のNHK生中継以外は全く報道しようとしないからです。ネット情報が一番の情報源という若い世代は別ですが、中高年齢層を中心にまだまだ地上局テレビや新聞の報道が主要な情報源である方々からすると、マスコミが報道しないことは「やっていない」ことになります。そのため、国家的課題を質問して、マスコミから無視されるよりは「またモリカケか」と批判されても、取り上げてもらう方がまだましだと、結果的にマスコミの報道姿勢に同調する野党議員が多いのです。
野党議員といえども、国家的課題を解決する責任がある
しかし私は、「野党議員といえども、国家的課題を解決する責任がある」と思っていますので、先の国会でも地道に「委員会」の場を借りて、国家的課題に向き合い、具体的な問題提起や提言をしてきました。
衆院代表質問では、成長戦略の柱のひとつであるインフラ海外展開の必要性について専門的観点から質問と提案、所属の経済産業委員会では、イラン核合意からの米国離脱が国際政治、中東情勢、石油価格、日本経済に及ぼす影響について、また、同委員会において、我が国や先進国において生産性向上とマクロ経済の関係がどうなっているのか、その現状ついての分析と今後のあるべき姿について、外務委員会ではTPP11の今後の展開について、内閣委員会ではTPPへの参加にともなう農業への配慮と食料安全保障について、財務金融委員会では、インフラ輸出を支援する国際協力銀行の社債引受機能の強化と途上国政府向けの外貨供給保証について、質問や提言を行いました。本広報誌において、これらの議事録を掲載しています。
尚、先の通常国会での最大の課題だった「働き方改革」については、次回の広報誌など別の機会に私の見解、持論をお伝えしたいと思います。
最後に、現在の我が国の最大の課題は人口減少と少子化・高齢化、それに伴う、社会・経済における活力低下の恐れです。その解決策としての「大胆な子育て支援策」も本誌において掲載していますので、是非目を通して戴きたいと存じます。