吉良からのメッセージ

2018年6月11日

野党の国会質問とマスコミの報道姿勢について

国会もいよいよ終盤です。この通常国会の期間中、私は我が国が抱える課題について、国会図書館や衆議院調査室の協力を得ながら、様々なデータや論考文献を取り寄せ、自分なりの分析を試み、政策に繋げるための勉強をしてきました。その一部については、所属委員会である経済産業委員会をはじめ、財務金融委員会、外務委員会、内閣委員会において、質問という形で披露してきました。まだ、全ての分析結果や自分の政策提言を披露できてはいませんが、国会終了後も地に足の着いた地道な活動を続けていく所存です。
野党議員の姿勢としては賛否両論あると思いますが、私はこの間一度も森友学園、加計学園問題などの追及質問をしたことがありません。

一方、地元に戻ると多くの支援者や有権者から、「自民党は自民党で森友学園や加計学園問題では大きな責任があると思うが、野党も野党だ。森友学園や加計学園問題しか追及しない姿勢はいい加減にやめてもらいたい。国として、北朝鮮問題や貿易問題などもっと大事なことがあるだろう。何故、そういう国家的課題を取上げた質問をしないんだ。」とのお叱りを受けます。勿論、一連の不祥事はまさに国家的、歴史的な大問題であり、現政権のありかたそのものを問わなければならないことは言うまでもありません。そのことは承知していますが、野党議員の中には、この種の追及質問にめっぽう強く鋭い方々がいます。膿を出し切るまでの執拗な鋭い質問は、そのような野党議員に頑張ってもらいたいと思っています。実は、野党議員の多くは、森友学園、加計学園問題も取り上げるが、同時に国家的課題について質問しています。私のように、全く取り上げることがない議員は少数かもしれませんが、国家的課題に切り込んでいるのです。

では何故、森友学園、加計学園問題しか取上げていないとの批判を受けるのか、それは、マスコミの報道姿勢に原因があります。国家的課題を取上げた質問など、党首討論や予算委員会のNHK報道以外は全く報道しようとしないからです。私が質問する前日に、とあるマスコミから「明日の質問で森友学園、加計学園問題を取上げますか」と事務所に電話がかかってきました。「取上げるつもりはありません」と答えると、「ああ、そうですか」との返答です。勿論、取上げないではなく、取材する気もないのです。

ネット情報が一番の情報源という方々が年々増えていますが、中高年齢層を中心にまだまだ地上局テレビや新聞の報道が唯一の情報源である方々が大勢います。その方々からすると、マスコミが報道しないことは「やっていない」ことになります。野党も野党で、国家的課題の質問などしてマスコミから無視されるよりは「またモリカケか」と批判されても、モリカケ追及をして取り上げてもらう方がまだましだ、との野党心理が働きます。マスコミの報道姿勢に同調せざるを得ないのです。私は、「野党議員といえども、国家的課題を解決する責任がある」と思っていますので、今後も地道に「委員会質問」という場を借りて、国家的課題に向き合い、具体的な問題提起や提言を継続していくつもりです。

次回からのメルマガでは、私が各委員会で取り上げた国家的課題について、質問要旨のご紹介をし、ホームページ上には、その質問議事録を掲載しますので、「森友学園、加計学園以外の国家的課題に取組んでいる」野党議員のひとつの証として目を通して戴ければ幸いです。

吉良州司