台風21号による広域被害及び北海道胆振東部地震へのお悔やみとお見舞い
ご無沙汰して申し訳ありません。この間、猛威を振るった台風21号 及び 9月6日午前3時過ぎに発生した北海道胆振東部地震の壮絶な被害を目の当たりにして、改めて、災害大国日本の現実に直面させられました。犠牲になられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被害を受けられた方、今なお避難所生活を余儀なくされている方に、心よりお見舞い申し上げます。
台風21号では、まさに映像の時代を象徴するように、被害の様子がライブで飛び込んできました。家屋や自動車がマッチ箱のように吹き飛ばされる様は、想像を超える恐怖です。また、関西空港の水没や電信柱が次々になぎ倒されるシーンは、映画を観ているとしか思えないほどでした。関西電力では4日、大阪府、和歌山県、兵庫県などを中心に8府県で約224万7000戸が停電し、今もまだ復旧していない地域があります。
北海道胆振東部地震では強震動によって厚真町を中心に広範囲にわたり崖崩れ、土砂崩れが発生、犠牲になられた方の多くは、この崖崩れによる土砂が住宅を押しつぶしたことが原因でした。報道映像から伝わってくる、山肌のほとんどがはげ落ちて、土砂崩れに至っている様子は、見るに忍びないものがあります。6~8月の降水量が平年の約1.6倍だったことや、地震の前日に巨大台風21号も大雨をもたらしていたことなど、不幸が重なったことが土砂崩れの原因のようで、本当に言葉がありません。
今回の台風と地震では、広範囲わたって、大規模な停電が発生しました。特に、社会インフラの代表である電力が北海道全域にわたって供給できなくなる「ブラックアウト」の発生は、もっとも大きな衝撃です。
私は、1990年代、途上国がブラックアウト、ブラウンアウトに苦しんでいる中で、早期に電力供給できるように、電力設備の輸出や発電所建設プロジェクトそのものに携わってきました。一日の内6~8時間しか電気がこない生活は悲惨でした。電力は産業のコメであると言われますが、何よりも生活の命綱であることを実感していました。そのブラックアウトがまさか、我が国で起きようとは思いもよりませんでした。
私は学生時代から「日本のエネルギー安全保障」に最も関心があり、そのことに携わりたいと思って商社に就職し、実際に電力分野で仕事をしてきました。常々、我が国は、化石燃料資源を持たないこと、電力系統が信頼できる外国と繋がっていないこと、から、欧米の電力事情は我が国にとって参考にはならない、と主張し続けてきました。我が国における「電力の安定供給」は日本の特殊性を考慮しなければならないと、力説してきました。
東日本大震災と今回の北海道胆振東部地震は、我が国における「エネルギー安全保障」と、それを含む、「電力の安定供給」は、地政学的、国際政治的視点に加え、台風、地震、豪雨、竜巻など自然の猛威が全国的に、これまで以上に激しく襲いかかってくるという視点を総合的に組み込んだ対処・対策が必要だということをあらためて問いかけています。
この問題については、また、別の機会に私の考えをお伝えしたいと思います。
なお、近い内に多くの方に読んでもらえると思いますが、ここしばらくは「きらきら広報17号 第196回国会活動報告特別号」作成に集中しておりました。吉良州司のこれからの社会のあるべき姿についての基本構想や大胆な子育て支援の具体策、衆院本会議や各委員会における議事録などを掲載していますので、是非目を通して戴きたいと思います。
最後にあらためて、今回の立て続く災害において犠牲になられた方のご冥福をお祈りし、被災された方にお見舞い申し上げます。
吉良州司