吉良からのメッセージ

2018年10月2日

台風24号のお見舞いと日本列島の不思議

またしても台風24号が猛威を振るい、日本中が暴風雨に見舞われました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。
私の地元の大分市でも主要幹線道路とJR豊肥線の一部が土砂崩れのために不通となる事態が発生しました。災害復旧に与党も野党もないので、復旧に向け全力で後押ししたいと思います。

それにしても、まれにみる暴風、強風、豪雨を伴っての日本列島縦断でした。最近は、日本が何か悪いことをして、神様に怒られているのかと思えるほど、厳しい試練の連続です。

「人間万事塞翁が馬」という中国の故事がありますが、最近の自然災害を目の当たりにすると、幸いと災いは裏腹であることを実感します。多雨湿潤な気候であるがゆえに、水と緑、そして海の幸、山の幸に恵まれた日本列島ですが、最近は、その恵みであるはずの「水」の猛威に苦しめられています。

日本列島は緯度的には本来、砂漠であってもおかしくないところに位置しています。日本列島を西に平行に動かしていくと、中国の新疆ウイグル自治区にあるタクラマカン砂漠(シルクロードで有名な天山山脈の南縁のオアシスの道である天山南路と、崑崙山脈の北縁のオアシスの道である西域南道に挟まれた広大な砂漠で、迷いこんだら生きて出られないと言われています)、アフガニスタン、西トルキスタンと言われる中央アジアのトルクメニスタンやウズベキスタン、イラン高原、トルコのある小アジアのアナトリア半島に重なり、地中海にすっぽりと入ってしまいます。九州南部はアフリカ北部の砂漠が多いアルジェリアに重なるのです。また、東に平行移動させると、北米大陸の米国のネバダ州、アリゾナ州、ニューメキシコ州などに重なり、砂漠が多い乾燥地帯の気候です。

このように、日本列島は本来、砂漠が多い乾燥地帯であってもおかしくないのに、これだけ、多雨湿潤で緑豊かな自然に恵まれた列島になっています。その一番の功労者は、温かい海流とともに湿潤な空気を運んできてくれる黒潮です。そして、偏西風がヒマラヤ山脈で南北に分断される中、南経由の西風が日本海を通ることで湿った空気となり、日本の背骨の山脈に吹き付けることもその原因です。

砂漠乾燥地帯であってもおかしくないはずの日本が、水と緑に恵まれるという「奇跡の列島」である一方で、台風を含む豪雨災害に見舞われてしまう災害大国でもあるのです。地震、津波、台風、豪雨と災害が後をたたない日本列島で、文明が発達していない頃から、生き抜いてきた祖先に頭が下がります。

とりとめのないメルマガになってしまいましたが、水と緑に恵まれた我が国の自然の美しさ、自然の恵みに感謝するとともに、水がもたらす災害は神様に何とかしてもらいたいという気持ち(人は自然には勝てない。加持祈祷もわかるような気がします)と、どんな自然の猛威であろうとも命だけは守り抜くという政治的、社会的な強い意志と実行が必要だという思いをお伝えします。

吉良州司