吉良からのメッセージ

2020年1月22日

政党合流の見送りについて

今日は国民民主党と立憲民主党の政党合流が事実上見送られたことについて、私が思うところをお伝えします。

この問題は昨年暮れから議論が始まり、(1)衆参両院での合流、(2)政党名、人事、政策など対等な関係、(3)参議院における信頼醸成、という3条件を持って、玉木代表、平野幹事長により立憲民主党の枝野代表と福山幹事長と交渉を進めていました。一昨日開催した両院議員総会前の段階ではこの3条件は整っていないと玉木代表は判断しており、合流合意には至っていませんでした。その状況の報告が1月15日の両院議員懇談会およびお全国幹事長会議で行われ、そして、1月20日には両院議員総会が開催され、「一刻も早く合流の意思を明確にすべきだ」との動議も含めて活発な議論が行われました。
結果的に、その動議は採決されず、国民民主党としては、粘り強く合流協議を継続するとの結論に至ったのですが、昨日の両党の幹事長会談において、事実上「合流は見送る」ことになりました。

この間の党内議論の中で、私がどのような発言をしたかについて、以下お伝えします。

(1)野党が大きくまとまることの意義は認める。しかし、大きくまとまる形は、ひとつの党になることだけではない。各党の理念・政策などをお互い尊重しながら、国会における共闘(現在は共同会派を組んでいる)、選挙協力(候補者調整・一本化、相互支援)、連立(連立政権構想、連立政権運営、役割分担)という形での協力も「大きくまとまる」ことだ。自分は、党の合流には反対だが、後者のような協力関係構築が望ましいと思っている。

(2)一番重要なことは、政権を獲得して政策実現すること。政権を獲得するには2009年の政権交代時もそうだったが、中道は勿論、自民党支持者、保守層からのある程度の支持がなければ政権交代はできない。自民党支持ながら、現政権には批判的な保守層の受け皿になる政党がなければ、政権は獲れない。政権獲得のためには、中道、中道右派の受け皿としての改革中道政党としての国民民主党の立ち位置を維持・拡大する必要がある。

(3)(現時点での合意内容には、「合流後の衆議院議員選挙時の比例名簿は、重複立候補する全員を同一順位とする」ということが盛り込まれていることを重視する議員の多くから、即座に合流すべきだ、という意見が出されたことを受けて)ここにいる現職議員は全員小選挙区で当選しなければ政権交代などできない。現在浪人し苦労している仲間を比例枠で当選させるためにも、現職は全員小選挙区で勝ち上がる必要がある。その現職議員が比例枠を当てにするようでは、政権など獲れるわけがない。全員が小選挙区一本で勝負するとの覚悟を持って臨むべき。

(4)(1月20日両院議員総会での「まず合流することを明確にした上で、詳細を詰めるべき」との動議に対する意見として)合流先にありきには反対。交渉ごとは、たとえば、ある商品を売りたい時、150円でオファーし、相手が興味を示してきた場合、120円以上の値段なら採算が取れるので、120円までは値下げしてでも商談を成立させるという腹を持って臨むが、120円以下に値切られるのなら、この商談はなかったことにする、といいたような対応をするのが当たり前。最初から値段がいくらになろうとも必ず売りますなどと決めて商談に臨むことなどありえない。今回の合流交渉も先に合流ありきには反対であり、(自分は合流に反対の立場ながら)、仮に合流という話になった場合も、国民民主党の政策などが最大限尊重される合意内容にすべき。

以上が、私の発言内容の概要です。

上記発言からお分かり戴ける通り、合流が見送られたことはよかったと思っています。同時に、枝野代表との間でも、国会共闘や選挙協力など、引き続き協力して政権を目指すことが確認できたことはよかったと思っています。

吉良州司