吉良からのメッセージ

2020年4月8日

コロナ対応に当たる医療従事者への即時充分強力な支援と休業補償

新型コロナ対策の緊急事態宣言が発出され、108兆円にのぼる経済対策が発表されました。

今、政策策定と実行において大事なことは時系列を含めた優先順位を明確にすることです。私は、医療従事者への強力な支援と自粛要請による休業等にともなって収入が激減した個人、企業への補償が最優先と考えています。

優先順位の第一は、医療崩壊を食い止め、医療現場に必要な支援を即時充分強力に実行することです。消費喚起の経済支援策など、コロナ感染拡大が続いている状況下では消費者心理の落ち込みなどからほとんど効果はありません。足下の最大の経済対策は「コロナ感染拡大を止めること」です。感染拡大が止まり、ワクチンなど治療法が確立されれば、消費者心理を含め、社会は活気を取り戻します。それゆえ、一番大事なことは、医療現場に必要なものを即時、確実に供給し、リスクのある医療に責任感と使命感で立ち向かってくれている医療従事者への危険手当的給付を含めた大胆な支援を行うことです。
危険手当は、身の危険を伴う仕事、例えば、自衛隊の危険地域への派遣時に、ハードシップ手当は、外交官や商社員などが危険地域や生活困難地域に赴任する際に支払われています。
今、医師や看護師などの医療従事者は、自身への感染による命の危険や家族への感染リスクの恐怖と戦いながら使命感を以って現場で戦ってくれています。まさに戦場です。「感謝の念」を伝えることも大事ですが、危険手当を給付することで、少しでもその責任感と使命感に報いるべきだと思います。私も今、政府の中枢や有力与党議員とも問題意識を共有しながら、この実現に取り組んでいます。

次に優先順位が高いのは、緊急事態宣言やこれに先立つ渡航制限、学校休業、3密回避のための利用自粛要請等により、収入が激減した個人、会社への収入減補償です。
私は、個人、企業の現実的収入減に対しての支援策は、入り口段階では、余計な条件や手続きを課さず、原則として、申請してきた個人、企業には即時に給付すべきだと思います。余計な条件、手続きを課してしまうと、医療崩壊ならぬ「行政窓口崩壊」が起こります。それ故、この給付は申請を受けたら、まずは無利子貸し付けの形で即時支給する。数か月、1年、場合によっては数年かけて、この時期の収入減を証明する内容を提出し、受理された場合には返済義務を免除する、という方法です。観光産業や交通系の会社はもちろん、夜の飲食店、カラオケ店、イベントに関わる会社やパフォーマー、習い事系、などのサービス業とそれに携わる方々への支援も排除すべきではないと思います。業種によっては、売上補償までは難しくても、家賃、基本給的人件費などの固定費については補償するといった方法も検討すべきだと思います。

安倍総理の会見を聴いていると、「経済の落ち込み、経済の停滞をどうするのか」といった点ばかり強調しているように思えます。まずは、医療現場への支援、そして、足下の収入減により生活ができない、事業の継続が困難という個人、企業の救済策を最優先すべきだと思います。

吉良州司事務所もスタッフ全員を原則自宅勤務としました。今、最も大切なことは、人との接触を極力避けるということだからです。
医療崩壊が目前に迫っているとの危機感を持つ東京都医師会は、政府による緊急事態宣言に先立ち「医療的緊急事態宣言」を発出して、医療崩壊を回避するという強い意思表明を行いました。その中で今後6週間の自粛が何故必要かをわかりやすく説明してくれています。『新型コロナウイルス感染症に、もしも今この瞬間から、誰一人新しく感染しなかったら、2週間後には、ほとんど新しい患者さんは増えなくなり、その2週間後には、ほとんどの患者さんが治っていて、その2週間後には、街にウイルスを持った患者さんがいなくなります。』と。

国民ひとり一人、自分が新しい感染者にならない(従って他人に感染させることもない)ことを心がけて6週間を過ごせば、感染拡大は止まります。そして、また活力ある社会、経済を復活させましょう。

吉良州司