吉良からのメッセージ

2021年4月1日

米ドル・ベースの国際比較による日本経済の実力 その2 ~30年間長期低迷が続く日本経済~

センバツの決勝戦、残念ながら大分の明豊高校は準優勝でした。でも、よく頑張ったと思いますし、素晴らしいチームだったと思います。明豊チームの素晴らしさの第一は、積極的な打撃姿勢にあります。今日の決勝戦もそうでしたが、どの打者もファーストストライクから躊躇なくがんがん打ちにいきます。実に気持ちのいい打撃であり攻撃です。
今日の決勝戦において、私が一番のポイントだと思うところは1回表の明豊の攻撃中にありました。1死一塁から、3番竹下の時にヒットエンドランをしかけ一塁走者阿南が走ります。竹下の当たりは一塁線を破りライト前へ。阿南は2塁、3塁ベースを回り一挙にホームを狙います。いい本塁返球があればアウト、逸れれば1点というタイミングでしたが、阿南は気持ちいいことに躊躇なく本塁を狙いました。一方、守りの東海大相模は右翼主が見事な補給と送球、中継に入った二塁手も補給後速やかに本塁へ送球、ワンバウンドでちょうどホームベース上に届く理想的な見事なバックホーム返球、見事に本塁タッチアウト。この2年間で何百回も練習してきたであろう、本塁バックホームの理想的な連携をこの決勝戦の本番で見事に成功させたこと、これが東海大相模優勝の一番の勝因だと思います。あっぱれ!東海大相模!巨人の原監督が大喜びでしょう!
優勝した東海大相模、惜しくも準優勝となった明豊、両チームの健闘を称えたいと思います。

さて、前回のメッセージにおいて、「世界における日本経済はアベノミクス施行の間も国際比較上低迷を続けていたこと、また、米ドル・ベースの第二次安倍政権下の名目GDPは「悪夢のような」と評する民主党政権時代のGDPを一度も上回ったことがないこと」をお伝えしました。
今回は、その「世界における日本経済の低迷」について掘り下げてみたいと思います。

1.米中両大国が大きく成長する中、日本だけが横ばい続きの低迷が続く

米ドル・ベースでの日本の名目GDPは、バブル崩壊後も慣性で増え続けた1995年までは上昇しますが、その後は減少横ばいが続き、2019年は1995年比0.93倍と減少しています。一方、米国の名目GDPはこの間一貫して増加し続け、2019年は1995年比2.8倍に増加しています。また、中国の名目GDPは2010年に日本を追い越し、2019年は日本のほぼ3倍まで増加させています。日本だけが取り残されています。

2.主要先進国の中でも日本だけが低迷し続けている(1989年~2019年)

主要先進国の1995年から2019年までの過去25年間の名目GDPは米国が2.8倍に、英国2.1倍、カナダ2.9倍、豪州3.8倍、フランス1.7倍、イタリア1.7倍、ドイツ5倍と増加させていますが、日本だけは0.93倍と減少させています。


尚、名目GDPから物価上昇率を差し引いた実質GDPについては、物価上昇がほとんどない日本の実質GDPは名目GDPとの比較においては、低迷度は小さくなります。それでも、1995年から2019年までの過去25年間の実質GDPは米国が1.79倍に、英国1.64倍、カナダ1.89倍、豪州2.1倍、フランス1.47倍、ドイツ1.39倍へと増加させていますが、日本は1.23倍と1.15倍のイタリアを除いて見劣りがします。これが現実です。

つい忘れてしまうのは、この25年間を含む30年間の内、細川政権、民主党政権の合計約4年間を除き、全て自民党が中心の政権だったことです。「悪夢のような」などの言葉による印象に惑わされず、現実を直視してご判断戴きたいと思います。

3.一人ひとりの豊かさでも低迷続きの日本 ~主要先進国の名目一人当たりGDPの推移(米ドルベース 1990年~2019年)から~

国民一人ひとりの豊かさの指標のひとつである「名目一人当たりGDP」を先進諸国間で比較しますと、1990年代前半は日本が第1位だったのですが、その後の長期低迷の結果、2019年は日本より下はイタリアだけとなってしまいました。

「名目一人当たりGDP」を人口小国ながら国民一人ひとりが豊かなことで有名な北欧諸国やベネルクス3国と比較しますと、日本の一人当たり名目GDPはこれら諸国に及びません。

今日は、事実としてのデータを示すことに力点を置いて、日本経済の長期低迷についてお伝えしました。繰り返しになりますが、「百聞は一見に如かず」といわれますが、「百読も一見に如かず」ですので、グラフなど図表をご参照戴けるとありがたく。

次回以降で、日本経済長期低迷の原因についてお伝えするつもりです。

吉良州司

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