吉良からのメッセージ

2021年4月8日

4月9日 外務委員会の質問に立ちます。中国とRCEPを取上げます

本日18時ころに、4月9日(金)10:00~10:40の40分間、衆議院外務委員会で地域的な包括経済連携(RCEP)協定 他について質問致しますとメルマガでお伝えしましたが、質問の意図と内容について少しだけ詳しくお伝えします。
 
取り上げるテーマは次の2点です。
1. 米中覇権争いの狭間で難しい選択を迫られる日本外交について
2. RCEP協定

「米中覇権争いの狭間で難しい選択を迫られる日本外交について」は、「世界の工場」であり「世界の巨大市場」となった中国の経済力、買う力に惹きつけられる企業・経済界の立場と、安全保障上の脅威であり、南シナ海・東シナ海、尖閣、香港・チベット・ウイグル問題等、決して譲ることのできない政治的立場との狭間で葛藤が続く中、更には、米中覇権争いが激化する中、中国とどう向き合っていくのかは我が国にとって最大の課題であるとの認識を示した上で、中国についての現実を正しく理解し、正しく恐れ、正しく対応することの必要性を主張するつもりです。

具体的には、世界経済の中で圧倒的な存在感と買う力を示す、中国の経済力について、政府がどのように認識しているのかを問います。また、「米中覇権争い」と言われる中、中国は既存世界秩序の何に挑戦しようとしているのか、についても政府の認識を問うつもりです。
更には、米国と協調して中国に対して強く臨んだ場合、中国が反発して日本叩きに出る恐れがあります。2010年には在中国の日本企業の店舗や事業所が打ちこわしの被害にあったり、日本の車のモーター生産に不可欠の高性能磁石に必要なレアアース(ジスプロシウム)の輸出を止められたりした苦い経験があります。今回も中国が強く反発してきた場合、日本企業、日本経済にどのような影響が出ると認識しているか問います。
また、何かの一つ覚えのように自由、民主主義、基本的人権、法の支配、市場経済という価値を大事にしている国で協力するという「価値観外交」を前面に押し出そうとしますが、トランプ大統領後の我が国を含む旧西側諸国による価値観外交は、対中国外交上、また、中国との関係を重視する新興国、途上国、中東諸国に対する外交上、有効に機能すると認識しているか、を問います。
中国の肩を持つ気はありませんが、トランプ大統領が誕生して以降の米国にそのような価値観云々という資格があるのか私は疑問を持っています。バイデン政権に交代したとは言え、米国内の分断は続いており、バイデン政権もトランプ政権時代の主張やそれを支持した人たちのことを意識せざるをえません。バイデン政権はこのトランプの幻影とトランプが世界中にまき散らした負の遺産を抱えながらの外交を余儀なくされるのです。最近も何の罪もないアジア系米国人やアジア系住民が乱暴され、射殺されています。また、大統領就任式にトランプ大統領の熱烈な支持者が暴徒と化して犠牲者が出ました。これらのことは全てトランプ時代に種がまかれたのですが、そのような大統領を誕生させた国の現大統領として、トランプへの批判をバイデン大統領も受けざるを得ないのです。バイデン大統領の米国であっても、基本的人権や民主主義云々と言われた国は「あんた(米国)にだけは言われたくないよ」というのが本音だと思います。自由、民主主義、基本的人権、法の支配などは本来的には普遍的価値だと思っていますが、今の今、現時点では価値観外交は説得力を持たないのではないか、問うつもりです。

勿論、中国の香港・チベット・ウイグルにおける人権侵害や自由のはく奪、民族の浄化、最近顕著になりつつある、軋轢が生じた国の何の罪もない人を中国国内でスパイ容疑だなんだと理由をつけて逮捕して投獄するなどは決して許してはならないと思っています。

RCEP協定については、RCEPは中国の存在感、影響力が大きくなる枠組みであり、日本が素晴らしいリーダーシップを発揮したTPP11との比較において、果たして日本の国益に適うのか、という視点で質問するつもりです。

随分と質問前に種明かしをしてしまいましたが、関心のある方は、事後でも構いませんので、是非、衆議院のホームページを訪ねて戴き、私の質問をインターネット審議中継を見ながら応援戴けると幸いです。

吉良州司