吉良からのメッセージ

2021年5月21日

政治に対する国民の「失望・幻滅」に思う

ご無沙汰お許しください。足の骨折から一日も早く日常に戻れるよう治療とリハビリに時間を割いていたこともありますが、この間、本当に色々なことを感じ、考えてきてはいたものの、言葉で発信をすることにためらいがありました。
政府(や一部自治体)のコロナ対策やワクチン接種対応をはじめ、危機状況下の政治に対する「国民の失望・幻滅」を思う時、野党系無所属議員とはいえ、その失望・幻滅の責任の一端を自分が担っているのではないか、それを棚の上に置いて、評論家的発信をしても何の問題解決にもならないのではないか、と悶え苦しんでおりました。
今回を含む数回のメルマガは、天に唾することを覚悟の上で、いくつかの点について思うところをお伝えしたいと思います。

1. 全ての対応がちぐはぐ

まず、全てがちぐはぐです。緊急事態宣言を延長する一方で、大規模イベントを(入場者数に上限は設けるものの)解禁する。大規模イベント解禁の一方で、映画館には休業を要請する。その理由は「人流を減らすため」という。ワクチン接種の遅れを挽回するために東京、大阪に大規模な接種会場を設ける。1万人以上の「高齢者」が接種会場に殺到する。大規模イベントや高齢者ワクチン接種特設会場開設は人流促進にはならないのでしょうか。

2. 政治の使命である優先順位の明確化がなされていない

「感染拡大防止と経済活動」、「感染拡大防止と東京五輪開催」の両立は(それが本当にできるなら)大事なことです。しかし、政治の至上命題は「優先順位を付ける」ことです。明確な優先順位がつけられない、「今は何が一番大事か」という優先順位の判断ができないために、対策がぶれまくっています。
 
「感染拡大防止と経済活動」の両立、バランスの問題については、2021年1月16日付のメルマガ「専門家の意見を尊重したコロナ対策の国会議論と実行を」の中で、『本音は明らかに「経済」に偏っていることが明々白々であり、当初発足した「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(「専門家会議」脇田会長)」を「新型コロナウイルス感染症対策分科会(「分科会」尾身会長)」に事実上格下げして政府傘下の分科会とし、政府のコントロール下に置くようにしたのだと思っています。』とお伝えしており、ここでは割愛させて戴きます。この点については最近になって、内閣支持率の低下が明らかになると、専門家の意見を尊重して、緊急事態宣言の対象につき、政府原案を撤回して専門家案を採用することとなりました。皮肉を込めて、分かり易い政権です。

「感染拡大防止と東京五輪開催」の両立について、今回の東京五輪開催に国民の不信感があるのは、コロナ禍以前から、政治利用の色彩が強いからではないでしょうか。
停滞していたアベノミクスや日本経済の起爆剤とするため、「東日本大震災からの復興を世界に示す」ため、「人類がコロナに打ち勝った証」のため、今も総選挙を前にして、菅政権の凋落を挽回するため(との意図が見え隠れする、否、見え見えですかね)、など、あまりに政治目的化されたことが一番大きな原因だと思っています。
それだからこそ国民の多くが、「そんな見え見えの政権浮揚目的の五輪開催のために、感染拡大が止まらず、大事な国民の命が奪われてたまるか」という気持ちになっているのだと思います。

コロナ対策も東京五輪開催も、政権浮揚、政党支持率向上、などの邪心は一切合切捨て去り、ひたすら本来の目的に照らして判断すべきだと思います。
 
全てがちぐはぐで、ことの優先順位は明確になっておらず、コロナ対策も五輪開催も本来の目的ではなく政権浮揚の道具に使おうとする。これらのことが積み重なって、国民は政治に対する失望と幻滅を強くしているのだと思います。

以上、自分の思うところを綴ってきましたが、天に唾するメルマガであるとの自覚を持っていることに免じてご容赦戴きたいと思います。
次回は、首長のワクチン接種問題についての考えをお伝えしたいと思います。

吉良州司

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