吉良からのメッセージ

2021年6月18日

国家的危機と超党派議員連盟

一昨日6月16日に第204回国会が閉会しました。コロナ対策中心の国会でしたが、私の所属する文部科学委員会では、非常にいい議論が行われ、小学校の35人学級制が実現するなど、学校教育関係者の悲願である「さらなる少人数学級制」への第一歩を印すことができました。萩生田大臣の決意と覚悟、それらを背景にした突破力によって実現したと言っても過言ではありません。また、建設的であれば野党議員からの提案にも耳を傾け、それを実現しようとする萩生田大臣の姿勢によって、与野党議員が一体感を持った文部科学委員会として、よりよい公教育の実現に向かって取組むことができたと思っています。リングの上で殴り合うわけではなく、お互いがお互いを認め合って握手するようなことは、あまり報道されませんが、国家的課題に取組む際には与党も野党もないということをあらためて実感しました。

国家的課題への対処という意味では、国会閉会前に、多くの「超党派議員連盟」または、与党、野党、各々の議員連盟があらたに発足しました。マスコミによる「議員連盟」の報道は、「安倍前総理、麻生太郎副総理、甘利元経済財政相の3Aが揃えば政局だ」といったお茶の間に喜ばれそうな報道ばかりですが、「国家的危機」に直面した際には、10年前の東日本大震災時もそうであったように、「与党も野党もない、党派を超えて危機に対応しよう」という機運が生まれてきます。

私が本国会からはじめて参加した(ほとんどが、あらたに発足か、長い休会後に復活)議員連盟は下記の通りです。

・米国安全保障戦略勉強会(野党系議連)
・「論語と算盤」勉強会(澁澤栄一の直系子孫が講師。超党派議連)
・独立財政推計機関を考える超党派議員の会(健全な財政を考える超党派議連)
・人権外交を推進する議連(香港、ウイグル、ミャンマー、中東をはじめ、世界の人権問題を取上げる野党系議連)
・超党派地熱発電普及推進議連(再生エネルギーで一番安定感のある地熱発電の拡大普及を追求する超党派議連)
・日本の産業政策を考える議連(特に「半導体デジタル産業戦略」)(野党系議連)
・超党派日本の科学技術危機対策議連(超党派議連)

マスコミでは報道されませんが、各委員会や上記のような超党派議員連盟での交流を通して、与党議員も「野党議員の中にも国家的課題に真剣に向き合う立派な議員がいる」、野党議員も「対峙する立場ではあるが、与党議員の中にも一緒に国家的課題に取組みたいと思える素晴らしい議員がいる」ことを認め合っています。

それゆえ、コロナ禍や日本の国力の凋落(注)といった国家的危機を前にして、「与党も野党もなく一緒に立ち向かい、乗り越えていこう」という機運が生まれてくるのです。
衆院選挙を直後に控える今この時期にあって、上記の「超党派日本の科学技術危機対策議連」の細田会長(自民党)が「日本の科学技術を世界に冠たるものにするために、ここにいらっしゃる先生方全員が(国会に)戻ってきてもらいたい」と挨拶されたことは、その象徴です。多くの野党議員も参加している場での発言なのです。選挙のプロとも言われ、自民党最大派閥の長である細田会長ですから、リップサービスの要素もあったと思います。しかし、公の場で「野党議員にも(国会に)戻ってきてもらいたい」と挨拶されたことは、それだけ、嘗ては世界一を誇った日本の科学技術水準の低下に危機感を持っており、なんとしても復活させたいという執念の現れだと前向きに受け取っています。

今国会を通してもよく「野党は揚げ足取りの質問ばかりして、もっと大事な国家的課題があるだろう」と、多くの批判を頂戴しました。マスコミに取り上げてもらうための野党の歌舞伎的言動もあったと思います。マスコミはマスコミで、お茶の間に喜んでもらって、視聴率を上げるための報道をしてきたと思います。
その陰で、与党も野党もなく、国家的課題に取組もうとしている与野党議員がいることを多くの国民に知ってもらいたいと思います。

(注)今国会において、私は「データで見る日本経済の実態」という40ページに及ぶプレゼンテーション資料を作成し、一部の与党議員、多くの野党議員に配布しました。過去30年間の日本経済の凋落を数字、事実として示し、未だに「中国には追い抜かれたが、世界第3位の経済大国」だという経済大国意識が抜けないまま、ゆでガエルのように過去の成功体験から脱却できず、先進国の中で取り残されていく、もっと言えば貧しい国に陥っていくことに警笛を鳴らしたのです。幸いなことに多くの議員から「参考になった」「自分の委員会で使わせてもらった」「有権者に見せるためにタブレットに保存して、資料を持ち歩いている」といった好評を戴きました。

今日のメッセージにおいて、「国家的危機」と表現しているのは、コロナ対策は勿論のこと、経済の凋落、科学技術力の衰退により日本が貧しい国になってしまう(残念ながら、もう貧しくなってしまっていますが)」ことに危機感を持つ多くの与野党議員がいて、何としてもこの危機を脱却し反転攻勢に転じたい、と必死になっていることもお伝えするものです。

「データで見る日本経済の実態」はこちら

吉良州司

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