吉良からのメッセージ

2021年10月18日

明日から総選挙!経済安全保障と「悪夢のような?民主党政権」

明日からいよいよ総選挙が始まります。選挙がはじまる前日にお伝えする内容としてふさわしいかどうかわかりませんが、岸田文雄内閣の目玉である「経済安全保障」について、私の経験と思いについて、語らせてください。

私は、商社マンとして、発展途上国にも先進国にも中進国にも、地球80周分も飛行機に乗って出張、ブラジルには留学し、また、ニューヨークには5年半駐在し、世界の中心地、世界経済の中心地から世界を見る機会に恵まれるなど、国際経済、国際ビジネスの最前線で働いてきました。それゆえ、その経験を即戦力として活かすことができる、また、肌感覚で理解できる、外交分野、特に経済外交分野を専門として、政治家としての活動を行ってきました。民主党政権時代外務副大臣や外務大臣政務官、またTPPなど経済連携協定などの議論を取りまとめる経済連携プロジェクト・チームの事務局長など、即戦力としての役割を存分に発揮することができたと思っています。

岸田政権では「経済安全保障」を目玉商品のように売り出していますが、経済安全保障という概念は、資源のない島国日本が国際社会の中でどう豊かさを保ちながら生き抜いていくのかを、常に考えていれば、ごく当たり前の発想であり、一体何周遅れで走っているのか、心配になってきます。
もちろん、以下に述べるような、私が提唱してきた経済安全保障の守備範囲と、今、目の前にある、足下の必要性と現実的リスクに対応する現代版経済安全保障、たとえば半導体産業の保護育成の必要性、外国から日本の知財や戦略的に重要な技術、企業、土地を守っていくこと、サイバー攻撃リスク対応など環境変化にともなう守備範囲が異なっていることは認めます。しかし、「経済安全保障」という考え方の根本、それは、資源がなく、唯一の資源は人であり、人が生み出す技術と産業的経験値と競争力こそが、日本経済の原動力であり、それを守っていく必要がある、という考え方は同じだと理解しています。

私の18年前の初当選後最初の質問テーマが「経済安全保障」でした。日本経済の強さを保っていくためには、日本が誇る、極めて質の高い鉄鋼などの安定した素材づくりが必要不可欠であり、ものづくり日本の国際競争力を維持し続けるためにも、その素材づくりに必要な資源、具体的な例として挙げたのは、鉄鉱石と燃料炭、そして、レアメタルとレアアース、の安定確保について質問したのです。
日本が誇る高い品質の素材が日本の屋台骨を支える自動車産業や機械産業などを支えているので、経済安全保障という観点からの具体的提言を行いました。対外バーゲニングパワーを確保するために、鉄鉱石や燃料炭に関しては独占禁止法の運用を見直すこと、レアメタル、レアアースについては、備蓄制度の官民双方のバランスの見直しや、民間が備蓄する際の金利と備蓄運用コスト相当の経費分を国が補助すべき、などにつき具体的な提案をしました。
今でこそ誰でも知っていますが、当時は、レアメタル、レアアースという言葉すら知らない国会議員がほとんどでした。しかし、世界経済の最前線の商社で働く者にとっては、ごく当たり前のことであり、政治家が如何に現場を知らないか愕然とした記憶があります。隔絶した島国には存せず、海外にしか存在しない、そして、日本の産業力、国際競争力を維持していくために必要な資源をいかに安定的に輸入するか、それは「経済安全保障」であるとの考え方をしていたのです。

私が外務大臣政務官時代に創設した「エネルギー・鉱物資源専門官」制度、これは日本が生きていくために必要なエネルギー・資源を安定的に輸入できるよう、それらの資源を産する国の大使館に専門官を派遣する制度です。また同時に、「インフラプロジェクト専門官」制度も創設しました。大事な資源を買うためには外貨を稼ぐ必要がありますが、インフラ輸出の有力売り込み先の国にインフラ担当官を派遣する制度です。そして、これらの制度に基づき、少なくとも1年に1度は世界中に派遣している各担当官を本国に呼び戻し、戦略会議を開催しています。これらの専門官制度は私が外務大臣政務官代に提案し、当時の岡田外務大臣も即座に同意してくれ制度化したものですが、今でも制度として根付いており、機能しています。
このように、悪夢のような(?)民主党政権時代、それも11年前に「経済安全保障」という考え方の基で、具体的な手を打ってきているのです。

幼児教育・保育の無償化、子育て支援策、高校の実質無償化、高等教育の負担軽減、全世代型社会保障、(国防の)安全保障について、北方からの侵略侵攻を想定した北海道などの大規模基地を重視する防衛(基盤的防衛力構想)から、西方の脅威を想定しての南西諸島を中心に機動性と即応性を重視し(動的防衛力構想)、そのために海空戦力の増強と南シナ海、中東からのシーレーン防衛を想定しての豪州との連携強化、などなどを提案した平成22年の民主党政権による防衛大綱(私が実務責任者として深く関わったもので、現在の自民党による防衛大綱の基本的考え方はこの22年大綱の延長線上にある)、など、第二次安倍政権以降に打ち出した目玉政策の源流は「悪夢のような(?)民主党政権」の政策にあるのです。

「経済安全保障」自体は、日本にとって重要なことなので賛同しますが、これをはじめての目玉商品として売り出したことには、わが目を疑いました。

与党も野党も、どの政党が言い出したものであれ、日本にとっていいことは、素直に認め合う文化、全てを自分の手柄、目玉商品のように扱うことなく、言い出しっぺには敬意を払う文化、このような政治文化をはぐくんでいく必要があると思います。
現在無所属、そして、明日から無所属で選挙に挑みますので、このことも強く訴えていきたいと思います。

吉良州司

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