石破茂総理誕生と超短期解散総選挙に思う
本日午後(執筆時点昨夜)衆院本会議にて首班指名選挙が行われました。
私も5票を獲得したものの、僅かに及ばず石破茂総理誕生となりました(笑)。
指名選挙前に、本国会の会期(本日10月1日より10月9日まで)を巡る討論があり、立憲民主党の小川淳也幹事長が超短期の会期設定に対する鋭い批判討論を行いました。会期が9日までということは9日に衆院を解散し、10月15日公示、10月27日の総選挙を実施するということです。
この超短期の会期設定は、自民党総裁選時に石破総理が言っていたことと真逆で、とんでもない手のひら返しだという指摘です。これはまさにその通りであり、総裁選時には小泉進次郎議員の早期解散総選挙の主張に対し、石破総理は「国民に判断材料を与えるためにもじっくりと議論するのが筋だ(吉良意訳)」と理性ある発言を行っていました。
長い総裁選直後の9月28、29日の土日にどの政党も恐らくマスコミも世論調査を行っていると思いますが、総裁選挙の余韻・勢い、石破総理への期待度の高さを感じて9日解散、27日投開票の筋書きを描いていたところに世論調査がお墨付きを与えたのではないかと思っています。
あの石破総理が総裁選挙時の発言を手のひら返しする様を見て思うことは、自民党という政党がブラックホールのようにとてつもなく大きな重力を持っているということです。小泉純一郎元総理ではないですが、これまで自民党をぶっ潰すと言わんばかりの自民党的なるものに異を唱え続けてきた石破総理でさえ、あっという間に自民党の色に染められてしまうのです。誰が総理総裁になろうとも自民党が自民党の色に変えさせてしまう、すさまじいまでの力を持っているということを目の当たりにしました。
その力の源泉は、否、その力そのものが、「政権への飽くなき執念」ではないかと思います。自民党の応援団体・業界と自民党とは金と金、利益と利益で結ばれた関係です。政権を手放すことは予算配分権や法律制定権を失うことを意味します。それゆえ、金の切れ目が縁の切れ目であることを熟知している自民党のDNAが、誰であろうとも自民党色(政権維持至上政党)に変えてしまうのだと思います。
石破氏が自民党総裁になる前は、その考え方に共感をすることも多く親近感を持っていましたが、自民党色に染まった石破総理とは厳しく対峙し、自民党政権の終焉に向け粉骨砕身の覚悟で挑んでいきます。
吉良州司