吉良からのメッセージ

2024年11月13日

特別国会 首班指名選挙。84票の無効票の背景

こんにちは。吉良州司です。

お礼が大変遅くなりましたが、みなさんのご支援のお陰で衆議院議員として7期目の責任を担うことになりました。引き続いてのご支援をお願い致します。

ご承知の通り11月11日、衆議院において首班指名選挙が行われ、第1回投票では私も4票(参議院においても1票)獲得しましたが、僅かに及ばず、決戦投票には進めませんでした(笑)。決戦投票においては、有志の会の投票は3人が吉良州司に投票して無効票に、1人は野田佳彦立憲民主党代表へと投票しました。結果は84票もの無効票が投じられ、石破茂現総理が首班に選出されました。厳しい少数与党としての石破政権の船出です。

マスコミで報じられていないことで、私や有志の会の仲間で、大変驚いたことがあります。それは、石破茂総理が壇上で投票する際も、また、野田佳彦立憲民主党代表が投票する際も、議場の中で全く拍手がなかったことです。私も7期目となり、数多くの首班指名選挙に立ち会ってきましたが、総理候補の投票時に誰も拍手を送らなかった光景ははじめてでした。石破総理がひとりで登壇し、ひとりで投票し、ひとりで降壇し、ひとりで自席に戻る姿は、あまりにも寂しく、国の行く末が案じられる光景でした。

上述の通り、決選投票における有志の会の投票行動は割れました。首班指名の本会議前、会派内で決選投票で誰に投票するか話し合いました。その際、「決戦投票である以上、両名に対する評価はともかく、どちらかに投票して無効票化は避けるべきだ」という意見と「どちらもふさわしくない、と判断すれば、たとえ無効票になろうとも自派の代表に投票すべきだ」という意見とに割れ、結局、個人の判断を尊重するという結論に至ったものです。

私は、批判も覚悟の上で石破、野田両氏の名前を書かず無効票を投じる決断をしました。
選挙直後の支援団体の集まりの席でも次のような私の考え方を伝えました。「野田佳彦代表が、与党を過半数割れに追い込むとの目標を定め、公約化していたわけですから、過半数割れに追い込んだあと、どのような国創りをするのか、その国家ビジョンを掲げ、連携する他の野党との連立政権構想をつくり、公表し、そのビジョンと政権構想を前提とした野党連携を模索すべきだったと思う。また、選挙中も、政治とカネ問題に焦点を当てていたが、政権選択選挙である以上、国家ビジョンを掲げ、その実現に向けた具体的政策を語ってほしかった。選挙前、選挙中にそれらがなかったことは残念だ。今回選挙の与党過半数割れは敵失による自滅であって、国民から立憲民主党を中心とした野党の政権構想に対する付託を受けたものではない。自分も選挙中、政治とカネ問題はほとんど触れることなく、吉良州司の国家ビジョンであり、選挙時のスローガンでもあり、理念・政策でもある『生活者主権の国創り』『将来世代優先の政治の実現』『国民一人ひとりの豊かさ、国民一人ひとりの幸せ感を追求する政治』をひたすら訴え、個人演説会ではその具体的中身を説明しながら選挙を戦った」と。

仮に、野党所属議員がすべて「野田佳彦」に投票し、形の上で野田政権が成立したとしても、政権を運営する準備が立憲民主党も他の野党もできておらず、ましてや参議院は現与党が過半数を持っている以上、政権発足直後からレームダック化するのは必至です。
それよりは、衆議院で与党が過半数を持たないということは、野党の言い分をきかなければ予算も諸法律も成立しません。それゆえ、ここは野党政権を発足させるよりは、少数与党に野党側の言い分を飲ませながら、来年の参議院選挙に向けて少数与党を揺さぶり続け、更なる弱体化を図る方が賢明だと思うのです。

私を含む多くの野党議員は、上記のように考えて敢えて無効票を投じたのだと思います。

吉良州司