11月14日文部科学委員会質問 外国人労働者の受入れに思う
「日米二国間協議について思う」のブログ2本を発信して以来、しばらくご無沙汰して申し訳ありません。
本来なら、日米二国間協議について完結しなければならないのですが、今日は、11月14日の文部科学委員会の質問概要について報告させて戴きます。ご容赦ください。
私はこれまで、ほとんど外務委員か経産委員だったのですが、人口減少、少子化の中で、これからの日本を支えていくためには、一にも二にも子供への教育、そして子供たちを育てる子育て世代への支援が大事だと思い、文部科学委員にならせてもらいました。質問に先立ち、この私の気持ちを披歴したところ、柴山大臣から感謝の言葉が投げかけられるという一幕で、私の質問が始まりました。
その文部科学委員として、今臨時国会の最大のテーマである外国人労働者の受入れに関して、文部科学省所管領域の課題について持論を展開しました。
まず、今回の入管法改正は現実的には移民政策への第一歩であるとの認識のもと、個人的には移民政策を支持していることを表明し、その理由について持論を述べました。
受入れる外国人と共生できる環境をつくるためには、外国人の雇用環境の整備、社会保障の充実、そして、外国人本人とその家族、特に子供たちの教育を充実させることが重要です。
外国人労働者の供給元になると思われる東南アジアの国々は今でこそ発展途上段階であり、人口が増加し続ける人口ボーナス期なので、労働者の供給余力がありますが、2020年代、2030年代には人口オーラス期(人口が減少する段階)に入り、若い人、特に優秀な若者は日本を働き先として積極的に選ばなくなってきます。是非、日本を選んでください、いい人材を日本によこしてくださいとお願いしなければならない時代がすぐそこに来ているのです。今回の入管法改正案は生煮え法案であり、技能実習生など、失踪が相次ぐような劣悪な生活・労働環境のまま受入れてはならず、選んでもらえる国になるためには、移民政策に舵を切った上で、外国人の子供たちへの教育の充実を図らなければなりません。
世界で最も難しい言語である日本語は、大人から学び始めて、1年、2年で習得できるものではありません。表面的には会話しているように見えても、本当の真意というのは伝わっていないことが多いのです。移民政策と外国人の子供の教育の充実を図ることで、小さいころから、保育園、幼稚園、小学校、中学校で学んでもらい、日本の文化も学べる、日本人の友達もできる、当然日本語もほぼネーティブのように使いこなせることができるのです。
5年ごとに、本国に戻れとやっていれば、また新しく日本語がほとんどわからないフレッシュな外国人が入ってきます。それでは、外国人労働者は永遠に末端の仕事しかできなくなります。だからこそ、ネーティブのように日本語がしゃべれる子供たちを育てることが大事なのです。
私は、今のトランプ政権からは想像もつきませんが、家族と一緒に過ごした米国で、移民国家アメリカが外国人に対してどれだけ温かく迎えてくれるかという経験をしています。全く英語のわからない娘たちがアメリカの小学校、中学校において、1年ないし2年で普通の授業が受けられるようにするという強い意思の下、学校の先生が1対1で英語を教えてくれ、普通の授業についていけるようにしてくれました。
また、私が住んでいた地域については、ヒスパニックの移民一世は大変な苦労をしていますが、それでも頑張り続けることができるのは、その子供たちにしっかりした英語教育、米国における公教育を受けさせてもらえることが大きな理由のひとつです。彼らの子供たちがアメリカの小学校、中学、高校に行き、高校を卒業するころにはスペイン語と英語のバイリンガルになっていて、アメリカの場合は、中南米ビジネスが盛んですから、スペイン語と英語のバイリンガルを必要とする職場、雇用の需要が限りなく多くあるため、いい仕事、いい暮らしを送ることができるようになるのです。家族の結束が固いので、子供たちは親の苦労を見ていて、いい仕事、いい暮らしができるようになったら、親と一緒に暮らして、一世の労をねぎらうのです。孫の代になると、スペイン語も少しわかるアメリカ人になります。もう主言語は英語になります。完全にアメリカという国に溶け込んでいき、犯罪や治安悪化に結びつくことは少ないのです。
その意味で、私は、未熟練労働者、単純労働者として、下働きだけする外国人を受け入れるのではなくて、家族ごと受け入れて、特に子供を帯同してもらって、子供たちに行き届いた教育をすることで、選んでもらう国になるべきだと思うのです。日本に来た外国人が、豊かな生活、幸せな生活を送ると同時に、日本に貢献してくれる、日本の社会の安定、そして日本の経済の成長のために貢献してくれる人材になってくれるよう温かく迎え入れるべきだと思っています。
質問の後段では、外国人や外国の子供たちに日本語を教えることができる教員を育成する必要性と、日本人全てが外国人に対してきちっと応対できる、日本語を教えることができるような能力・資質を持つようにすべきだと主張しましたが、本メルマガが長くなってきましたので、その詳細は、こちらの当該議事録のページを参照願います。
吉良州司