吉良からのメッセージ

2024年6月5日

政治とカネ 全く納得のいかない政治資金規正法改正案

「政治とカネ」問題は政治改革特別委員会において各党各会派から政治資金規正法改正案が提出され、不十分な審議が続いてきましたが、明日衆議院本会議で採決される予定です。多数決の論理上、単独提案か共同提案かは別として、法案可決権を握る自民党の法案が可決されることになると思います。しかし、この間の自民党の対応は機能不全に陥った現在の自民党を象徴する醜さです。

私は、本年2月7日の予算委員会において、「政治とカネ」問題につき岸田総理に質しました<その詳細についてはこちらをご参照願います>。

その中で、「政治とカネ」問題は、パーティー券購入を含む企業・団体献金の全面禁止以外の根本解決策はありえない、それ以外の、派閥解消、連座制強化、透明性強化などの「解決策?」は枝葉末節であり、何らの根本的問題解決にならないと強調しました。

案の定、自民党はパーティー券購入を含む企業・団体献金禁止については全くの無反応、無回答であり、枝葉末節部分の妥協でお茶を濁すつもりのようです。企業・団体献金の禁止は自民党の大きな資金源を断つことになりますので、自民党政権の崩壊に繋がりますが。一方、この期に及んでも、企業・団体献金にしがみつく自民党政権は国民から愛想をつかされてやはり終焉に向かっていくのだと思います。

あともう1点お伝えしたいのは、日本では、何か事件が起きると、その解決策として、自分たち自身で、自分たちの手足を縛り、自由度を制限することで矛を収めようとする国民性についての私の問題意識です。

例えば、1000人のお医者さんがいて、その中で3人の医者が医療保険の不正請求をして不当利得を得たとします。その事件は毎日毎日ニュースやワイドショーやネット記事として取り上げられ、その解決策は、法令を守り、何ら不正を働いていない真面目な997人のお医者さんまでを縛り、今後全ての医者がそのような不正行為ができないようにする法律をつくって安心、満足するという国民性です。悪いのは、そして許してはならないのは、不正を働いたその3人であり、真面目な997人まで縛る必要があるのか、いつも疑問に思います。日本が諸外国に比べ、窮屈な社会であることの大きな原因のひとつです。

今回の「政治とカネ」問題も、不正を働いた議員を「不起訴」などではなく、本来の法令に則った範囲で厳しく罰すれば済むことです。また、根本解決策として、不正の温床である「企業・団体献金」の全面禁止をすれば済むことです。それなのに、枝葉末節の細かいルールをつくって何ら不正を働いていない議員の手足まで縛ろうとしています。
企業・団体からの献金はもちろん、政党助成金も受け取っていない、無所属議員の自分や有志の会の仲間まで縛り付けようとする今回の政治資金規正法改正論議は全く納得がいかないものです。

今日のメッセージの後半は私の独り言としての愚痴を聞いて戴きました。悪しからず、ご容赦ください。

吉良州司