吉良からのメッセージ

2024年10月10日

2024年きらきら広報「国会報告第2号」発行のお知らせ その2 ~世襲議員だらけの自民党が持つ庶民感覚との「ずれ」、本の表紙を変えても自民党の体質は変わらない~

「国会報告第2号」発行のお知らせの続編です。(その1はこちら
また、同誌の全文はこちらに掲載していますので、是非ご一読戴きたく。

3.世襲議員だらけの自民党が持つ庶民感覚との「ずれ」

立憲民主党代表選挙に出馬した野田佳彦元総理は、世襲議員だらけの自民党を「岸田世襲3世から小泉世襲4世への政権移譲」と皮肉を込めて評しています。実際岸田総理は世襲3代目、小泉氏は世襲4代目で実父は元総理大臣です。

政治にとって一番大事なことは「公平性」の担保です。ところが、世襲議員は100m競争に例えるならば、最初から50m先、80m先地点からスタートするようなものです。選挙地盤だけではありません。多くの世襲議員は親の地位と財力によって、一般的には手のとどかないような学歴・経歴を手にします。慶應幼稚舎から慶應義塾大学を卒業し、米国コロンビア大学公共政策大学院を卒業するなどがその典型例です。
同大学院をはじめ米国の有力大学院を卒業するには学費と生活費で最低でも2400万円ほどかかります。まず、自力(学力と英語力)で入学すること自体が本来は難しいのです。(政治家業)の家に生まれたのは本人の責任ではありませんが、「庶民の生活」を肌感覚で理解できる議員はほとんどいないと思います。典型的な庶民家庭で生まれ育った私などから見ると、住む世界が違うという感覚を持ちます。

この国民感覚とのずれは、「上級国民」と揶揄される特権階級の固定化、世襲化が原因であるともいえます。最近の総理大臣の多くが元総理の孫か子ども、閣僚の半分は世襲議員で占められる。そんな政党に「頑張る人が報われる社会の実現」などの政策を掲げること自体が空々しく感じます。

4.本の表紙を変えても自民党の体質は変わらない

自民党総裁(総理)が誰になろうとも、この、自分の選挙が最優先で国民の生活は二の次という体質、庶民感覚を肌感覚では理解できない世襲体質、「政治とカネ」の根本原因である「業界優先」体質(業界から票とお金を出してもらう見返りとして、業界が要望する予算配分と法律制定を行う政治)を変えない限り、また、同じことの繰り返しで、国民の生活は豊かになりません。新総裁が本気でこの自民党体質に切り込まない限り、本の表紙は変わっても中身の内容は全く変わらないと思います。
 「失われた30年」といわれる、日本だけが低迷を続け、今やもっとも貧しい先進国のひとつになってしまった最大の原因はこの自民党体質による政権運営、経済運営にあるのだろうと思います。

この続き<その3>もあらためてお伝えします。
吉良州司